映画[ オカンの嫁入り ]オカンの土産は、浪速のジェームズディーン | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ オカンの嫁入り ]オカンの土産は、浪速のジェームズディーン
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    映画[ オカンの嫁入り ]を角川シネマで鑑賞。

    第3回日本ラブストーリー大賞ニフティ/ココログ賞を受賞した小説「さくら色 オカンの紆嫁入り」の映画化。「キツネの嫁入り」ならぬ「オカンの嫁入り」。なんともいい響きだ。大竹しのぶと、宮崎あおいが親子役で関西弁をしゃべるというではないか。これは面白そうだ。監督は[ 酒井家のしあわせ ]の呉美保。よおし、それならと思いやってきた。

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    (あらすじ)陽子(大竹しのぶ)と娘の月子(宮崎あおい)は、ずっと母一人子一人で仲良く支え合って暮らしてきた。ある晩、酔っ払った陽子が若い金髪の 男・研二(桐谷健太)を連れて帰ってくる。そして「お母さん、この人と結婚することにしたから」と、彼との結婚を宣言する。あまりに突然のことに戸惑う月子は、とっさ に部屋を飛び出してしまう。母に裏切られたという思いから、月子は陽子にも研二にも心を閉ざしてしまう……(gooより)

    東京出身の大竹しのぶと宮崎あおいが話す京都弁に違和感はなかった。関西出身のせいか、関西弁のイントネーションが気になるのだが、これはすんなりと観ることができた。関西のようなコテコテさがなく、新鮮で逆に良かった。

    オカンが酔っぱらって言った結婚宣言に対しての月子の拒絶反応。その理由は娘になんの相談もなく・・・勝手に決めたからとも読み取れるが、もっと深い所にあるようにも見受けられる。序盤の月子の日常生活を追い続けるシークエンスからは、そんな印象を強く感じさせるのだ。

    このプロローグから察するに、この映画は母と娘の物語ではあるが、娘・月子の成長と自立の記録としても観ることができる。困難な現実を乗り越えて、ひとりの女性として自立した時に、月子ははじめてオカン・陽子の結婚を受け入れることができるのだ。

    ストーリー展開といい、細かい人物描写といい、監督の演出は前作の処女作と比べて、はるかに巧くなっている。この映画が若者からお年寄りまで多くの世代に支持されているのは、大竹しのぶと、宮崎あおいの共演というのもあるが、それ以上に監督の抑制のきいた演出の賜物だ。

    母娘の物語、関西弁、余命ものというディープな要素が多いなか、けっしてベタつかない。大家のサク(絵沢萌子)さんや、母が勤める病院の村上先生(國村準)ら知人の存在が、母と娘の濃密なやりとりを希釈する点も大きい。さらに闖入者・研二(桐谷健太)も厚くるしい容姿だが、ふたりの間にでしゃばることなく、料理人として得意の料理でふたりの間を取り持とうとする控えな立ち振る舞いが、観ていて心地よい。特にラストを安易にオカンの死で締めくくらなかったのは、監督の特筆すべき点だろう。
    犬のハチは、月子が可愛がっているペットであると同時に、オカンの隠喩でもある。ハチの膀胱炎に気づかなかったことは、一番身近にいながらも母の身体の異変に気づかなかったこと月子自身の不甲斐なさにも通じている。このような、監督の細かい演出も注目だ。

    自分の意志が介入する隙もなく、血のつながりで結びつけられた家族の間には、さまざまな思いが蠢いている。それがこの映画にもでーんと大きく横たわっており、それによって母と娘の間にもズレがうまれていた。本作では監督は様々な角度からそれを眺め「家族」というのものの本質に迫ったのだと思う。

    安直な泣ける映画とはひと味違う、濃密な家族愛や人間愛に包まれた温かい、心にしみる良作。郷里を離れた関西人にぜひ観てほしい一作でもある。

    P.S. ジャズなメロディーが特長があってよかった。フルートや、アコーディオン、アコースティックギターの乾いた弦の音色がでしゃばりすぎず、キャラクターの気持ちを後押ししていた。
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