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映画[ 十三人の刺客 ]おのおの方のいのち、使い捨てに致す!
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    映画[ 十三人の刺客 ]を吉祥寺で鑑賞。
    [ オーディション ]の脚本天願大介と監督三池崇史が、アメリカ資本で作ったホラー映画[ インプリント ぼっけえ、きょうてえ ]に続き、みたびコンビを組み、挑んだのが名作として呼び声高い1963年のリメイク版の本作だ。リメイク版とはいえオリジナルを大幅に改変している。

    吾郎ちゃんのサイコキラーな暴君の演技に注目が集まるが、僕は参謀役の松方弘樹が相手をバッサ、バッサと切り倒していく時の目ぢからとドヤ顔に萌えでした。
    thirteen assassins 13人の
    (あらすじ)将軍の腹違いの弟という立場に甘んじ、悪行の限りを尽くす明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)。幕府の老中は、こ の暴君が国の要職に就く前にひそかに闇に葬るよう、御目付役・島田新左衛門に密命を下す。斉韶の凶行の数々を知った新左衛門は、命がけで大義を果たすこと を決意。信頼が置けて腕の立つ刺客を集め、斉韶が参勤交代で江戸から明石へ帰国する道中を狙うことに。わずかな手勢で300人を超える軍勢を迎え討つた め、新左衛門たちは落合宿を買収。大掛かりな罠を仕掛け、斉韶ら明石藩の一行を待ち受けるが…!?(gooより)

    映画の前半は、明石藩主、松平斉韶の残忍ぶりがさまざまな形で描かれていて、そりゃもう、えげつない、えげつない。参勤交代の折に立ち寄った尾張藩士・牧野靭負(松本幸四郎)宅で、息子の嫁を手込めにして自害させ、それを見咎めた靭負の息子、采女(斉藤工)を惨殺。次の場面では、女や子どもを弓で射殺。さらに斉韶に両腕、両足、さらに舌まで切り落とされた女子(おなご)が出てきて、涙ながらに「みなごろし」の文字。インパクト大である。じつはもともと脚本にはなかった、この両手両足を切り落とされた女性のシーンを監督があえてインサートしたという。しかし、このシーンが島田新左衛門(役所広司)に斉韶の暗殺を決意させたターニングポイントであることは間違いない。

    十三人の刺客のリーダーである新左衛門のバックグラウンドは、ほとんどわからない。他の十二人についても、どういった素性の者かも皆目描かれていない。背景がわかるのは山田孝之演じる新六郎と、古田新太演じる槍の名手、平蔵ぐらいだろうか。そんな状況でも、彼らは新左衛門を信じて付いていく。それゆえ、リーダーには「斉韶への怒り」という人間くささが必要だったように思われる。

    しかし今回は三池監督らしからぬ統制された演出で、大御所の風格さえ感じられるほどだ。刺客おのおのキャラクターの見せ場にもなった、ラストの300人対13人の壮絶な戦いは圧巻のシーン。十三人のうち随一であろう、参謀・倉永を演じた松方兄キの殺陣さばき。オリジナルは敵数50人ぐらいだったのが、松方兄キひとりでそれぐらい斬ってしまうという理由で、300人に増員されたという。あらゆる場所に刺さってある剣を取っては捨て、取っては捨てて相手を斬っていく。弟子・小倉庄次郎(窪田正孝)が意識を失っていくなか見届ける、剣豪浪人・平山を演じた伊原が息絶えそうになるなか、近くにある石を取って敵を殴り殺すシーンは感動すら覚える。そういえば、300人の斉韶ご一行の登場のさまは[ クローズZEROII ]での集団劇のカット割りや演出を彷彿とさせる。丸刈りに白のブレザーといういでたちで登場した、鳳仙学園の生徒たちの異様なさまに酷似していた。

    これは太平の世だった頃に、侍としての美学を貫いた男たちを賞賛した映画ではない。良識や規範が通用しない山の民・小弥太(伊勢谷友介)がみれば「侍って、面白くねえ!」という言葉で集約されるように、それはどこか愚かで浅はかな美学なのだ。
    登場シーンは籠から出て立ちションで、最後の命尽きるシーンは厠(かわや)のそばという、下まみれな暴君が、一番哀れな存在だった。どんな時も、遊び心を忘れない三池監督に拍手!!

    凡庸な時代劇では物足りない人には、このくらい血なまぐさい時代劇がピッタリなのでは。女子にはお勧めしないが、草食系男子には、ぜひ観てほしい。

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