映画[ ジャージの二人 ]ドラマチックじゃないのに、ドラマがある | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ ジャージの二人 ]ドラマチックじゃないのに、ドラマがある
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    作家・長島有の小説の映画化。小説は未見だが、プロデューサーや監督は、よくこれを映像にしようと思ったものだ。そう思わされるくらい、起伏のない、何も事件が起こらないお話である。でも映像やセリフ、そして主人公の表情が脳裏に焼きつき、わすれられなくなる。
    山荘 間取り
    パンフレットには、「くすくすと笑える」とあるが、観るとそれほど笑えない。若干間延びした映像のようで、実はそれがふたりジャージ親子の日常のリアルさのようで、嫌いではない。

    妹の花子(田中あさみ)ちゃんに媚を売ったり、ウジウジとした態度でどこか男らしさに欠けていたりと異性から見れば、かっこ悪い息子(堺雅人)が、オデのような同性から見れば共感でき、好感をもってみていた。ロッカー、鮎川誠が演じたオヤジも、とてもチャーミング。祖母が集めていた小学校のおふるのジャージを来客者の意志に関係なく、薦めるというなんとも大人げない行動をとったり。その反面、親として息子夫婦生活を気遣ったり、娘にとって良き父でいようと嫌な仕事も引き受けようとしたり。

    親子を中心に、隣人、そして友人の間に漂う独特のゆるさが、この映画の魅力なのだろう。

    でも、ケータイの着信音や、麻雀ゲームの効果音、コンビニのエントランス音など、コンピュータ音に、ジャージをエンジ(R)、ミドリ(G)、アオ(B)というテレビやコンピュータのディスプレイなどで使われる基本色(RGB)を配しているのは、単なる田園生活を楽しむスローライフとは一線を画しているふうでもある。

    実際、息子(堺雅人)は軽井沢の別荘でおだやかな日々を過ごしているようで、嫁の不倫という沸々とした思いや自身への葛藤を煮えたぎらせて、軽井沢までやってきたのだ。「夜にもう一度電話して!」と妻にいったにもかかわらず、かかってこずに夜中になって蒲団の中で、いじいじと彼は電話を待つ。

    「俺がきみぐらいの年のころ、この道でオノヨーコとジョンレノンをみたよ」という帰りにぎわにつぶやく親父、妻が腕を組んできた瞬間、ふりほどき「何?」と問い返す息子。映画全体に漂う独特のゆるさで隠れていた2人の本当の姿が、いきなり立ち上がってくる。「どきっ!」とする。

    この映画は、多くの語らない映像から主人公たちの心の機微を掬い取れるかが、面白さを堪能できるかどうかの分かれ目なのだ。という意味では、やはり「小説を読んだことのある」という人に、一番おすすめだろう。相手のことが少し嫌いになっているカップルやご夫婦は、くれぐれもご注意ください。(笑)
    | 映画(日本) | 12:13 | comments(0) | trackbacks(1) |
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