映画[ ファッションが教えてくれること ]ブレない仕事してますか? | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< December 2017 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< 映画[ 風が強く吹いている  ]強さを知ったチーム男子 | main | 映画[ ジャージの二人 ]ドラマチックじゃないのに、ドラマがある >>
映画[ ファッションが教えてくれること ]ブレない仕事してますか?
0
    映画[ ファッションが教えてくれること ]を新宿バルト9で鑑賞。

    [ プラダを着た悪魔 ]のモデルとも言われる「Vogue」の編集長アナ・ウィンター。編集長としての枠を超え、3000億ドルの市場効果を生み出す、彼女の仕事ぶり、そして妥協を許さない彼女のもとで働く、編集部員たちの「厳しさと喜び」を追ったドキュメンタリー。

    ファッション大好き!という人だけではなく、仕事へ情熱が沸かずに、もんもんと過ごしている人たちにもおすすめ。
    まず、この映画を観て驚くのが、編集長アナウィンターの影響力だ。

    イヴ・サンローランのオフィスを訪ね、秋冬のコレクションについて直接デザイナーから説明を受けた後、最後に「色が欲しい」とデザイナーにアドバイスをしたオフィスを後にする。日本でも、これだけ力を持った人はたぶんいないだろう。しいてあげるとファッション界の小沢一郎である。

    アナ・ウィンターのエピソードは尽きない。マーク・ジャコブスの秋冬のコレクションショーは、毎回セレブの到着待ち(俗に「セレブ待ち」という)で、平気で1、2時間遅れるのがつねであった。そこでアナはマークに「ショーが予定時刻にスタートしないなら、次は行かないから」と叱咤した。次の年のショーからわずか30分遅れでスタートしたという。

    彼女の外見もまた、注目を集める。トレードマークのボブカットとサングラス。そして、グラサンの奥にみえる愛らしい瞳。センスのいい服装はもちろん美貌を兼ね備えている。先月日本テレビの「NEWS ZERO」で、この映画を取り上げていて、そのときはまさに雑誌の編集長という枠を超えたアナの大いなる存在感にスポットを当てた紹介をしていた。まあそれもこの映画の魅力のひとつではあるが、決してそれが全てではない。

    例えば、アナの元で働く編集部員のひとりクリエイティブ・ディレクターのグレイス・コディントンと、アナとのバトルはなかなかの見どころである。
    意図して作られたのか、この二人の戦いは、[ プラダを着た悪魔 ]の新米編集者のアン・ハサウェイと、カリスマ編集長を演じたメリル・ストリープとのスリリングなやりとりを彷彿とさせる。舞台は、2007年の米版ヴォーグ、秋のファッション特大号である9月号。全米のトレンドを作っていくといっても言い過ぎではない。

    アナの容赦のないダメ出し。その厳しさに耐えられず泣きだしてしまう編集スタッフも。しかし、そんな中でもグレイス・コディントンは果敢に自身が信じる企画を提案し、雑誌の柱となる特集記事を狙う。

    グレイス・コディントンは、元モデルとして活躍し、交通事故をきっかけに英版ヴォーグの編集者となる。その後、アナと同じ年に米版ヴォーグに移ってきた。以来20年の戦友である。

    この二人が、外見、クリエイティブセンス、仕事の進め方など何から何まで
    まったく正反対のタイプというのが面白い。

    アナ・ウィンターは、メディア受けする美貌を持ち、自分の中でのロジックはあるが、ベースは感覚で何でもジャッジしていく。一方、グレイスは多くの写真家とコラボを実現しているのから察すると、論理的思考に長けたエディターで、特にセンスの良さは誰よりも群を抜いている。アナ自身もインタビューでグレイスをそう賞賛。自身注目が集まることを避けており、今回のドキュメンタリー映画でも、監督たちは、最初彼女に頑に拒絶されたと、インタビューで応えている。(でも面白いことに、この映画の撮影監督がグレイスの記事で、モデルとして急きょかり出され、特集記事に登場させられた。これもグレイスのアイデア。)

    グレイスは独創的な世界観を表現した企画(「黒」を中心とした洋服をテーマにした編集記事)も、アナに却下される。企画の採用・不採用は、会議で決まるのではなく、レイアウトボードに貼られたものをアナが感性で即決していくのだ。打ち合わせも、言葉も発するのではなく、相手をちらっと見たり、うなずくだけで「ゴーサイン」か「却下」の疎通ができている。流行を商売にしている、会社らしい。だから、コピーによる臨場感のあるメッセージより、写真などのヴィジュアル訴求が圧倒的に優先される世界なのだろう。

    相手が誰であろうと、媚びず、そしてブレない。自分の世界観を信じて突き進むグレイスにはモノづくりとして矜持、一方、ともすれば相容れないはずのグレイスを認めながらも新たな事にチャレンジしようとするアナには、長として器量のでかさを感じる。

    ふだんまったく縁のない世界だったので、すべて新鮮だった。
    自分の仕事と照らし合わせてみても、違いがあってけっこう面白い。
    | 映画(ドキュメンタリー) | 10:01 | comments(0) | trackbacks(0) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/933899
    トラックバック