映画[ グワシ!楳図録です ] | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ グワシ!楳図録です ]
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    映画[ グワシ!楳図録です ]を下北沢トリウッドで鑑賞。

    初日の第一回目の上映に行ってきた。座席数47席という小劇場は満員御礼状態。年齢層が高いだろうと思っていたが、意外と、若い女性が多い。

    監督の伊藤弘二氏は、SEとして「楳図かずおオフィシャルホームページ」の運営に携わっており、この映画で初めて本格的に映画に取り組んだという変わり種。楳図かずおの身近にいる監督だからこそ撮影できたと思われるシーンも数多くあるが、個人的には少々物足りなかった。もっと楳図ワールドの核心に迫った話を観たかったのに。
    うめずかずお
    楳図かずお画伯は、やはりケタ違いの変わり者だ。日課の中国語、英語、フランス語などの5カ国語の練習は、思わず目的を尋ねてみたくなる。完成するまで一心不乱に“まことちゃんダンス”の振り付けを踊り続ける楳図画伯を観たときは、この人は同年代とはまったく違うところ価値観で生きている人なのだと気づいた。

    自分が信じるものや、やりたいことだけを追求してきた。少年のような無邪気さに、人並みはずれた好奇心。それが73歳という老齢さを感じさせない若々しさの源なのだろう。

    吉祥寺を徘徊する、天才漫画家・楳図かずお画伯は風貌からして、異彩をはなっている。声をかけるのはためらいこそすれ、行き過ぎた後に振り返って
    その行方をたしかめたくなる。それは単なる有名人というだけではない。
    畏怖とは少し異なる、独特のオーラ。狷介孤高のたたずまい。

    そこにはメディアを通して目にする、ハイテンションのパフォーマンスとは、一線を画した一面が漂っているようだ。僕はこの映画に、そんな部分をひそかに期待していた。

    裁判沙汰にもなった“楳図ハウス”の家づくりには、創作に対する揺るぎのない眼差しが見えた。しかし、この映画はあくまで、楳図かずおの日常を追ったドキュメンタリー映画にすぎない。結局は漫画家として、アーティストとして鬼気迫るものがあまりに感じられず、期待した以上のものは、得られなかった。

    いくら天才といえども、創作活動という現場を離れて久しい人に、次から次へと連載を抱えていた頃のテンションをのぞんでも無理な話なのだろう。

    幼き頃、楳図かずおのおどろおどろしい画に、魅了されたとインタビューで、ブックデザイナーの祖父江慎氏や編集家の竹熊健太郎氏が口をそろって称賛していたように、楳図さんの画は他とは違う何かがあったのだ。

    そこには楳図画伯の葛藤や、野心がこめられていたかもしれない。
    もしかしたら、全く違う想念があったのかも・・・。
    そんな、今まで見たことがないような画伯の一面を観たかったのに。

    普段が面白いからと、それだけ撮っても映画にはなるだろう。けれど、そんなのはTVメディアで十分なのだ。やはり、画伯が一日も早い現役復帰を期待するしかないか。寂しい話である。
    | 映画(ドキュメンタリー) | 21:24 | comments(0) | trackbacks(0) |
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