絵本[ ハチヤさんの旅 ] | アロハ坊主の日がな一日

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絵本[ ハチヤさんの旅 ]
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    絵本[ ハチヤさんの旅 ]/著・沢木耕太郎

    旅好きの若者のバイブルになった[ 深夜特急 ]の著書である沢木耕太郎氏が、小学生中級向けに書いた絵本[ ハチヤさんの旅 ]。SWITCHに掲載された日記風エッセイをまとめた[ 246 ]で、このハチヤさんの取材の模様を書かれており、気になって図書館で借りてみた。
    [ ハチヤさんの旅 ]は、ハチヤと呼ばれるハチミツをつくる養蜂家が、蜂蜜を作るお話である。ミツバチがハチミツを作り、それを人間がどのようにとるのかということを、沢木耕太郎氏とカメラマンが養蜂家に同行して、解き明かしていくのである。子供向けのルポである。
    ちなみに福音館書店の今もつづく「たくさんのふしぎ」シリーズで、
    小学3・4年生向けの月刊科学絵本として、人気なのである。

    養蜂家といっても実は大きく分けると2種類ある。ひとつは定置養蜂というタイプで、異なる種類の花の蜜を集めている。それに対しこの本で紹介されているのは、特定の花の開花時期にあわせて移動する、移動養蜂だ。ハチヤさんこと、石踊さんちの家族は、レンゲ、アカシア、クローバーのミツを求めて、自宅のある鹿児島から、北海道まで、ほぼ一年間かけて旅をするのだ。

    読む前には、沢木氏の独特の文体が、子ども向けの文章ではどんな風になっているのかに興味があったが、読みすすめると、次第にハチミツをとる旅が、だんだん面白く思えてきたのだ。

    ●けむりが嫌いな習性を利用して、わらなわを燃やしてハチをおとなしくさせること。
    ●実はミツバチは羽を扇風機のように動かして、水分を蒸発させ、あのドロリとしてミツができあがっていること。
    ●ミツバチは天気が悪くてミツを採りにいけないときはストレスがたまって人に針をさしたりするなど、

    こうしたハチの習性が、目からうろこで、とても面白い。
    またただ単に、ハチミツができるまでを解説しているのではなく、そのプロセスで、人間にミツという恵をくれるハチヤさんの苦労やご家族の生活が、丹念に描かれているのも見逃せない。たぶん「たくさんのふしぎ」シリーズの中でも、特筆すべき点なのではないだろうか。

    沢木氏がこのハチヤさんご家族の同行取材したのと時を同じくして、某TV局が、この養蜂家のドキュメンタリー番組の撮影を行っていたらしい。そのやり方があまりにも事実とは反しており、笑いがこみあげてくるほどのやらせの演出だったと「246」に書かれていたが、その反動もあってか、家族の様子(今回、祖母の家から通学するため家族とともに移動を共にしない長女の様子)が紋切型にならず、リアルで面白かった。

    たまには、子供向けの本を読むのも面白いというお話です。新たな発見があるかも。沢木氏の愛読者もぜひ。子ども向けだけど、子ども扱いしない、でも丁寧なやさしい語り口。他の書籍では決して読めない。
    書店には販売されていないので、読みたい方は図書館へどうぞ。
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