映画[ しんぼる ] | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ しんぼる ]
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    映画[ しんぼる ]を渋谷HUMAXで鑑賞。

    昔に比べて、表現や、お金の制約がつきまとい
    テレビメディアで、お笑いを追及するには限界がある。

    これが、松本人志監督の映画を作り続ける理由らしい。

    なるほど、言われてみれば最近は“すべらない話”に代表されるように
    テレビメディアでの彼の笑いは、話芸が中心なのである。
    いろいろ制約があるからこそ、その中でどう表現を遊んでみるか
    反則スレスレなことにこだわってこそ、表現者じゃないだろうか
    という気がしないでもないが・・・。

    そんな前置きは、まあいいか。
    相変わらずの難解さに、相変わらずのスノッブな作風。
    “笑いの天才”と豪語するように、相変わらず監督自ら、自身の存在を
    誇示したような作品。“相変わらず”の言葉に代表されるように、
    本作は今までの松本ワールドを超えることがない。

    このパンフレットの最後に寄せられている、
    吉本興業の会長さんと社長さんのコメントも、まあ
    この作品を評しきれないもどかしさを感じるメッセージ。

    結局は、いまひとつだったってことでしょうか。
    しんぼる シンボル
    まずは内容。白い密室での出来事と、あるメキシコの片田舎での出来事というふたつの世界が交互に描かれるパラレルな構成となっている。素性のまったくわからない、水玉のパジャマを着た男がふと目を覚ますと、四方を白い壁に囲まれた部屋に閉じ込めれていた。なぜ男は閉じ込められたのか?途方にくれる男は、なんとかその部屋を脱出しようと試みるが、出口が見当たらない。男の視線の先に、ある奇妙な一物があらわれた・・・・

    感覚的には約6分間だろうか。冒頭はメキシコでの他愛ない日常が描かれる。大滝秀治風にいえば“つまらん”映像がえんえんと続く。笑いに必須のつかみも何もあったものではない。
    で、ようやくシーンが一変し、マッシュルームカットのパジャマ男の、密室での一人芝居がスタートする。いったいここはどこなのか?当初は、怯えるような男の定まらなかった視線が、いつしか不敵な笑みをうかべるまでに豹変。人間の欲に従順で、無防備な愚かさや鈍感さという、ダークな一面がひょいと顔をのぞかせる。この落差のある変化は、本作の中でも、群をぬいての可笑しさだった。個人的には、面白かったのはこれだけだったのではと思うくらい。

    何も関連性のない裏側の世界と、実はどこかでつながっているのでは。人間なら誰もが考えるネタゆえに、クライマックスのオチは衝撃的なインパクトがまったくえられない。だから、三段落ちの犬がほえずに、人間がほえるというオチもどこか空々しく感じられた。

    でも本作の一番の敗因は、人物や構築した世界のリアリティの欠如だったのではないだろうか。密室で一人なのに、なぜか全てがオーバーリアクションで、まるで吉本新喜劇を観ているかのような過剰な演技。それは、彼の脱出劇の際でも同様な思いを感じてしまうのは僕だけではないだろう。そして極めつけは、時折みせるパジャマ男のカメラ目線だ。カメラというもう一人の存在を観客に意識させてしまうことで、密室に一人という暗黙のルールがもろく崩れ去り、彼の脱出劇は茶番劇にしか見えなくなる。
    このリアリティのなさは、たぶん松本自身がその役を演じているのにも原因があるように思う。決して彼は、主人公のキャラになりきり演じているわけでなく、あくまでコントの延長で芝居をしている。だから、リアクションや、セリフもいつも感覚でしかやっていないように見受けられる。自ら企画し、自ら演じる。これも前にふれた“相変わらず”の要素のひとつ。もし仮にこの主人公を、役者に演じてもらったら・・・。そんな思わずにはおられない。なぜなら間違いなく、作風が違うものになっていたと思うし、そちらのほうが、面白いものに生まれかわっていた気さえしてくるからだ。自ら演じながら、客観的な視点で作品を判断できるのは、ウディアレンぐらいじゃないだろうか。

    スポーツ選手が試合を数多く経験することで
    超一流の切れや感覚を身につけるように、
    天才といえども、場数を踏まにゃならんのでないだろうか。

    松本監督が映画で、笑いの頂点をつかむには、もう少し時間がかかりそうだ。
    | 映画(日本) | 00:53 | comments(0) | trackbacks(1) |
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    | ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/10/22 12:28 AM |