映画[ 蟹工船 ]自分のこと、自分で決める。これ大事ね。 | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< January 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< ビジネス本[ 上司力100本ノック ] | main | 映画[ MAN ON WIRE ]地上411メートルを歩く男 >>
映画[ 蟹工船 ]自分のこと、自分で決める。これ大事ね。
0
    映画[ 蟹工船 ]を渋谷シネマライズで鑑賞。

    本作はプロレタリア文学の代表作、1929年に作られた小林多喜二の小説の映画化である。[ ポストマンブルース ](97)や、[ DRIVE(ドライブ) ](01)などオリジナリティあふれる作品を作り出しているSABUがメガホンをもっている。SABUが監督じゃなければ、たぶん観なかっただろうなあ。過酷さを増している船内で、なぜかTKO・木下だけは肌つやがよく、日に日に太っているのが面白い。孤高の人、松田龍平の演技がすばらしい。他の者と一線を画すようなたたずまいが、ラストの隠された秘密を予感させるようだ。
    観て驚いた。ひじょうにPOPな作品じゃないか。
    80年前のお話の、あの「蟹工船」が原作とは、ちょっと思えないくらいだ。末端の労働者であるはずの工員たちのコスチュームが近未来的でかっこよく、おまけに、西島秀俊が演じた白いロングコートを身にまとったヒール・浅川監督は売れっ子ホストか、姫を救いにくる貴公子のよう。

    悲愴感いっぱいのお話であるはずなのに、クスっと笑ってしまいたくなる
    コミカルな味付けが多いのも、今日的である。蟹歩きをはじめたら、気がふれていることの前兆だとか、脱出をこころみようと船内のハッチを開くと、無数の蟹が上からふってきてあえなく失敗するシーン。悲惨な毎日で、それを忘れようと金持ちになった夢をみれば、それは小奇麗な服を着て、庭でバーレーボールをする田中さん家の子供になることで、次から次へとバレーボールの輪が広がっていくというバカバカしいコントのようなシーンが登場したりと。

    今さら「蟹工船」の悲愴感まるだしの作品なんて観たくはないからね。そういう意味ではリアリティはほとんどなく、どこかファンタジー色も感じる
    いわば寓話的作品なのだ。

    頼れる一人のヒーローが立ち上がるのでもなく、かといってチームという集団の団結力が強調されるわけでもない。工員一人一人のバックボーンが詳らかになり、彼らの意識変革が「反撃」ののろしにつながるというストーリーになっている。個人主義社会ならではのメッセージである。

    SABU監督は、独特の疾走感・躍動感が一つの魅力だと思うのだが、「蟹工船」という逃げ場のない閉塞感に包まれた場所で、その持ち味をどう表現するのか、というのに興味があった。

    その一つが、皆が立ち上がるきっかけとなった「ロシア船による救助」という外の世界を取り入れたシーンなのではないか。SABU監督にとっての疾走感・躍動感は、(主人公にとっての)覚醒のシグナルで、それは単に走る、歩くという行為そのものだけでなく、外に出ること自体に意味があるとでもいうような。

    とにかく、本作は今までのSABU監督にはないくらい寓話的で、独創性あふれる作品になっている。原作をイメージして観たら期待はずれに終わってしまうかもしれないが、でもここで描かれているメッセージは、小説よりも
    本質的で、力強いことだけはたしかである。
    | 映画(日本) | 17:10 | comments(0) | trackbacks(3) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/894430
    トラックバック
    蟹工船
    「蟹工船」 感想 たまには日本映画のレビューもかかないと 今回観たのは「蟹工船」 小林多喜二の有名な小説を映画化した作品です。 ...
    | むーびーふぁんたすてぃっく | 2010/03/01 7:14 PM |
    小林多喜二 蟹工船 あらすじ
    Q小林多喜二の「蟹工船」のあらすじ、重要な登場人物、大事なところ(キーワードとなるような)を教えて下さい!!学校で蟹工船についてテストがあるみたいです。よろしくお願いします。Aテストなら「プロレタリア文学」「労働者と資本家」「資本家の不当な搾取」「労働
    | 芸能ニュース | 2009/10/04 1:31 PM |
    蟹工船
    カムチャッカ沖で蟹を獲り、船上で缶詰に加工する蟹工船・博光丸。 監督の浅川は労働者たちを人間扱いしなかったが、安い賃金で過酷な労働を強いられている出稼ぎ労働者たちはそんな環境に慣れ、ただ疲れ、絶望しているだけだった。 労働者の一人・新庄は「あきらめる
    | 象のロケット | 2009/08/24 7:05 AM |