映画[ 60歳のラブレター ]団塊ジュニアが描く、理想のシニアカップル | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< October 2018 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< 映画[ 斜陽 ] | main | そうだ、京都へ行こう! >>
映画[ 60歳のラブレター ]団塊ジュニアが描く、理想のシニアカップル
0
    映画[ 60歳のラブレター ]を渋谷シネパレスで鑑賞。

    タイトルだけ聞くと敬遠しそうになるが、でも監督・脚本ともに30代が作った映画だと聞けば観たくなった。

    監督は[  真木栗ノ穴 ][ 狼少女 ]など、面白い作品を作り続けている深川栄洋。そして脚本家は[ キサラギ ]の古沢良太という今やノリにノっている若手クリエイターたちが手がけている。そして、それは成功していると思えるほどの快作である。
    この作品には、3組の大人のカップルが登場する。
    一組目は、家庭をかえりみず仕事一筋でやってきた夫・孝平(中村雅俊)とそれを慎ましく、影で支えてきた妻・ちひろ(原田美枝子)という団塊の世代に特徴的な熟年夫婦。2人は夫の定年退職を機に、離婚をし、それぞれの道を歩み始めようとする。

    二組目は、商店街で鮮魚屋を営む夫婦。今でこそしがない鮮魚屋だが、ふたりは当時はまっていたビートルズを通じて出会うことに。ビートルズがコンサートをやっていた会場のそばでコピーバンドをやっていた夫の姿に妻・光江(綾戸智恵)がひかれたのだ。普段は夫と顔を突き合わせたら毒ずくしかない光江だが、糖尿病を疾患した夫・正彦(イッセー尾形)のため、夜は一緒にジョギングしたりと、今でも夫の事を愛し続けている。

    そして最後は、妻を早くに亡くした医師(男)(井上順)と、女性翻訳家(戸田恵子)のカップル。研究一筋でやってきた医師に、諦めていた恋をみつける翻訳家の長谷部麗子だが、彼には一人娘がいて、その子が、恋のゆくえに立ちはだかる。

    この映画は、ベタな作りになっているのに決して色あせることなく、下の世代も楽しめるようになっているのが驚きである。各々のカップルの間に繰り広げられるえも言われぬおかしさと、ひねりのある伏線の巧さがそう感じさせるのだろう。

    離婚したにもかかわらず、元夫に上着を着せ、鞄を持ち、玄関先まで見送る元妻の熟年夫婦や、夫婦漫才のような悪口を言い合う鮮魚屋の夫婦など、笑わずにおれない。それは、またキャスティングのよしあし、あわせて評価できるだろう。家庭や妻をかえりみない孝平を、好感度の高い中村雅俊に演じさせているのでもうなずけるはずだ。

    [ 60歳のラブレター ]というタイトルからわかるように、クライマックスにはそれぞれのカップルの一方が愛する者へ、ラブレターで告白をする。

    僕たちがイメージしているラブレターと少しずつ趣が異なっているのも面白いが、その中でギターによる弾き語りで告白するカップルがある。それは、鮮魚屋の夫・正彦。妻の病気がきっかけとなって、伴侶の想いを知り、それに応えようとする。

    そのラブレターが二人の出会いのきっかけとなった歌ビートルズの「ミッシェル」を、手術が終わった病室の妻の枕元で弾き語るのだ。決して、ウマくないし、むしろ聞きづらい。だから匂ってきそうなほどくさいシーンなのに、そう感じない。さらにこれは、他の男たちの心をも奮い立たせるのだ。
    中村雅俊、井上順というプロの歌手(だった)が、イッセー尾形(役者)の弾き語りに触発されるという現実の構図を考えると、より面白味が増してくる。

    パンフレットを読んでなるほどと思ったが、
    60歳といえば「団塊の世代」であり、
    作り手の30代は「団塊ジュニアの世代」なのだ。

    たんに、上の世代の映画を作ったというのではなく、
    これは子どもたちが理想とする夫婦像であり、なりたい姿を描いているのだ。

    なら、ハッピーエンドのカップルたちが描かれていて当然だし、
    それじゃなきゃダメでしょ。
    ハリウッドの大人のラブストーリーにも
    負けない上質な映画だと思う。
    | 映画(日本) | 22:01 | comments(0) | trackbacks(4) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/870537
    トラックバック
    mini review 09423「60歳のラブレター」★★★★★☆☆☆☆☆
    熟年夫婦が互いへの感謝の言葉をはがきにつづり、これまでに8万通を超える応募が寄せられた人気企画「60歳のラブレター」を映画化。監督は『真木栗ノ穴』の深川栄洋が務め、脚本を『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの古沢良太が手掛ける。出演は、中村雅俊、原田美枝子、
    | サーカスな日々 | 2009/12/10 2:23 AM |
    「60歳のラブレター」
    「60歳のラブレター」試写会 新宿明治安田生命ホールで鑑賞 だんだんそういう年代に近づいてきて心の底から共感できるかと思ったけど、ごめんなさい、ラストがぶち壊しました。 60歳のラブレターとはいえ、出演者は井上順をのぞいてみんな50歳前後だし、ますま
    | てんびんthe LIFE | 2009/08/07 10:09 AM |
    『60歳のラブレター』
    □作品オフィシャルサイト 「60歳のラブレター」□監督 深川栄洋 □脚本 古沢良太 □キャスト 中村雅俊、原田美枝子、井上順、戸田恵子、イッセー尾形、綾戸智恵、星野真里、内田朝陽、金澤美穂、佐藤慶、原沙知絵、石黒賢■鑑賞日 6月28日(日)■劇場 チネ
    | 京の昼寝〜♪ | 2009/07/19 9:33 AM |
    60歳のラブレター
     3組の熟年カップルの愛の行方を描いた映画「60歳のラブレター」を見てきました。 封切り9週目土曜日午前中ですが半分くらい入っていました。客層は中高年中心ですが、若い人もいました。 仕事一筋に生きて(って愛人もきっちり作ってますけど)大手建設会社の専
    | 伊東良徳のとき・どき★かるちゃ〜 | 2009/07/11 8:58 PM |