映画[ SR サイタマノラッパー ]宇宙人じゃねえ、埼玉県人だよ | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ SR サイタマノラッパー ]宇宙人じゃねえ、埼玉県人だよ
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    映画[ SR サイタマノラッパー ]をユーロスペースで鑑賞。

    池袋シネマ・ロサでの上映を見逃してしまい、当分、観られないと思っていたら、ユーロスペースのレイトショー上映中だと知って、これはラッキー!と思い行ってきた。

    入江悠監督は、あいかわらず根強い人気である。拠点としている池袋にも負けないくらい、ユーロスペース(渋谷)もほぼ満員なのだ。
    でも、それもうなずけるんだよな。

    [ JAPONICA VIRUS ジャポニカ・ウイルス ]は長編第一作で、今までの短編作品の集大成という意味も大きく、内容よりもスタイルが先行しすぎてしまった。それと比べても、本作[ SR サイタマノラッパー ]は数倍面白い。

    ラップという、ある意味一般ピープルとはなんの接点もないようなものが、
    なんでこんなにきょーかんできてしまうのか。

    根拠レスな自信や、世間を知らないがゆえに期待してしまう可能性。誰もが、通過儀礼のように経験した淡い青春時代がここには描かれているからか。

    でも、それだけではないような。
    たとえば、主人公のニートのデブラッパー、IKKU(駒木根隆介)らは、市役所役員ら(大人)の前で、ラップを披露するはめになり、演奏後彼らから「レコードショップもライブハウスもない(埼玉県の)福屋市でラップなんて、やっても誰も聞かないよ」
    「ちゃんと年金や市民税を払おうね」と、容赦のないバッシングをあびる。

    オデたちがラップに抱いている「違和感」を入江監督は躊躇なくメッセージし、それを「わらい」へ転換。そうすることで、ラップへの親和性をつくっている。
    しかし、だからといって、これはコメディではなくれっきとした青春映画である。下手で耳障りなと思っていたラップが、ストーリーが進むにしたがって、感動すら覚えてしまうのだ。

    決して何かが、成し遂げられるわけでもない。
    カタルシスと呼べるような盛り上がりはほとんどなく、
    鬱屈した閉塞感だけが漂っているように思えるこの作品。

    ブロッコリー畑、高圧伝線の鉄塔、軽トラックの荷台に乗って、ラップを口ずさむ若者たちという埼玉のなんともいえない田舎の風景がより一層、彼らのやりきれなさを強めている。だからこそ、彼らのラップやリリックが、たんなる韻をふむだけでなく悲しみや叫びように思えてくるのかも。

    バイト先の居酒屋で、IKKU(駒木根隆介)が、客として来ていた仲間のTOM(水澤紳吾)へ、「身を崩しても、夢をあきらめねえ」という思いをラップで語るエンディングシーンはコントにしか見えないのに、
    それを笑うのが罪に思えるくらい、見どころである。

    入江監督は、「ここぞというシーン」特に、SHO-GUNGのラップシーンは、ワンショットで撮っていて、演者や製作者たちのテンションがこちらにもひしひしと伝わってくる。

    この作品で驚かされたことがふたつある。
    ひとつはSHO-GUNGのメンバーはみな役者だったということ。
    最後の最後までモノホンのラッパーだと思ってみていた。

    そして、もうひとつはAVアイドルみひろの演技だ。『ゴッドタン』(テレビ東京)の劇団ひとりとの二人芝居での演技は、定評だったが、ここまでやるとはびっくり。アイドル的な可愛さの内にある芯の強さや不良っぽさが、光っていた。蒼井そら、吉沢明歩ではこれは出せなかっただろう。この映画の後も、映画出演が目白押しらしい。要チェックですな。

    青い春を、忘れてしまったあなた。おススメだす。
    | 映画(おすすめ) | 19:45 | comments(0) | trackbacks(3) |
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    駒木根隆介 みひろ / SR サイタマノラッパー
    ワケもなく藤岡弘 『SR サイタマノラッパー』 《あらすじ》 ライブハウスもレコ屋もない埼玉県北部の田舎町・フクヤ市に暮らす ダメな...
    | 中川ホメオパシー  | 2010/10/04 6:49 PM |
    mini review 10474「SR サイタマノラッパー」★★★★★★★★★☆
    埼玉県の田舎街を舞台に、ラッパーとしてライブをすることを夢見る青年たちの姿をヒップホップの数々にのせて描く青春音楽ストーリー。『ジャポニカ・ウイルス』で注目された入江悠が脚本と監督を手掛け、全編ほぼ1シーン1カットの撮影で若者たちの青春を切り取る。仕事
    | サーカスな日々 | 2010/07/28 11:32 PM |
    『SR サイタマノラッパー』
    【7月18日特記】 映画『SR サイタマノラッパー』の DVD を借りてきて家で観た。 自主映画と見くびってパスしたら、なんと2009年キネ旬ベストテンで堂々第25位にランクされた作品である。ゆうばり
    | trivialities | 2010/07/18 6:02 PM |