映画[ チェンジリング ]権力に屈しない信念の先に、希望はみえる | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ チェンジリング ]権力に屈しない信念の先に、希望はみえる
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    映画[ チェンジリング ]を吉祥寺バウスシアターで鑑賞。
    70歳は超えているだろう。しかしなおも現役で年をとるごとに、さらに作品のクオリティが高まるばかりだ。どこにそんなエネルギーがあるのか。巨匠、クリント・イーストウッド監督。重厚でシリアス、だけれども手に汗握る場面もあり。あの[ 許されざる者 ]を思い起こさせる。
    changeling  チェンジリング
    ロサンゼルスの郊外で息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン(アンジェリーナ・ジョリー)。だがある日突然、家で留守番をしていたウォルター(ガトリン・グリフィス)が失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5ヶ月後、息子が発見されたとの報せを聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た見知らぬ少年だった。(gooより)

    これは人間の尊厳を描いた映画である。
    そう、強大な力をもった国家権力に押し潰されることなく、
    自身の権利を勝ち取るために戦う個(人間)が描かれた骨太なドラマ。

    (息子が行方不明になってからの序盤)、たった一人で子供を死に物狂いで探す主人公クリスティンの姿。
    さらに失踪から5ヵ月後の子供が現れてからは、ロサンゼルス市警へひとりで食い下がっていく姿など、まずは主人公の「個」が印象的に映し出されている。

    「個人VS国家権力」という図式ではあるが、彼女は本当は戦いなど望んでいなかった。ただ単に「息子を取り戻したい」という子を慈しむ母親の純粋な思いから行動を起こしたのだ。しかし、かたやロサンゼルス市警は、功績のアピールや権威の失墜をおそれて、母親の主張を認めようとしない。
    まさに巨悪な力のもと、個人の幸せが潰されていく光景が描かれている。

    前作[ 硫黄島からの手紙 ]でも同様に、戦争によって引き裂かれた家族像という「国家権力によって踏みにじられる個人の幸せ」を描いていたが、今回はどちらかというと、強大な力に屈しない個人の力が映画に強く投影されているように見えた。

    たとえば
    ●ロサンゼルス市警の陰謀により、精神病棟に収容されたクリスティンと心を通わせ、処罰を受けながらも身体をはって彼女を応援したキャロル(エイミー・ライアン)。
    ●連続誘拐殺人犯ゴードン・ノースコット(ジェイソン・バドラー・ハーナー)を手伝い罪の意識から、恐怖におののきながらも証言した従弟。
    ●決着済みだった息子ウォルターが、連続誘拐殺人犯の被害者だった可能性が出てきて、それを信じて単独行動にでるヤバラ刑事(マイケル・ケリー)。

    彼ら一人一人の小さいが確かな一歩が、この事件の解決へと押し進めることになっているのだ。

    ◆◆◆

    この映画を観ていると、昔、イーストウッド監督が撮った[ 許されざる者 ]を思い出す。本作の弱者=女性、腐敗した権力をふりかざす刑事という構図は、[ 許されざる者 ]のそれと酷似し、さらに形勢不利な状態から、最後に胸のすくような勝利をものにする王道の展開も・・・まさに西部劇テイストだ。だから終盤にむかうにしたがって、重厚でシリアスな作品なのに、手に汗にぎる盛り上がりがするのもそのためだろう。

    またクリスティンが学校でいじめられた息子に話し聞かせるセリフ。「先に手を出してはいけないが、終わらせるためのケンカはしろ」。本作の後半にグスタヴ・ブリーグレブ牧師が彼女に「ケンカを売ってはいけない」というのに対して「しかし、自分でケリをつけなければならない。」といった彼女のセリフに結びついているが、クリスティンの内に秘めたる闘志がにじみ出たあの言葉も、仲間を殺され、復讐鬼と化したイーストウッドが演じた主人公ウィリアム・ビル・マニーを彷彿とさせる。

    ◆◆◆

    この作品に格別の力をもたらしたのは、やはり主人公クリスティン・コリンズを演じたアンジェリーナ・ジョリーだ。妖艶さを封印し、母の偉大さと強さを体現した彼女の演技は圧巻である。「自分の子供ではない!」仕事でも、家庭でも決して感情を出さないクリスティンが、我が子を取り戻すべき、感情をあらわにして叫ぶ姿は、時として尋常じゃない怖さがある。自分(個人)の幸せを勝ち得るためなら、そのくらいやらないと手にできなかったのだろう、あの頃は。そういうふうに思わせるものがある。彼女の演技を観るだけでも、一見の価値がある作品である。ぜひ観るべし。
    | 映画レビュー | 09:42 | comments(0) | trackbacks(11) |
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