映画[ PVC−1 余命85分 ]限りある時間と命は、大切にしましょう! | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ PVC−1 余命85分 ]限りある時間と命は、大切にしましょう!
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    映画[ PVC−1 余命85分 ]を渋谷シネセゾンで鑑賞。

    南米・コロンビアで実際に起きた事件をもとにした作品。
    粗削りだが、テーマに対して果敢に挑んだ監督の意思がみえる。
    こんな映画が大好きである。監督はスピロス・スタソロプロス。これが長編初作品となるコロンビアの若手監督。本作ではカメラも自ら担当している。

    ちなみにPVC−1とは、ポリビニール・クライド(ポリ塩化ビニール)の略。
    被害者の首に装着されたドーナツ型をした爆弾パイプの素材のこと。



    2000年コロンビアで驚くほど凶悪で、信じられないほど卑劣な誘拐事件が発生した。
    本作はその実話をもとに創作された物語である。養鶏場や農園を経営する一家を突如、武装したグループが襲撃し、一家の母親の首にリモコン付きの爆弾を装着すると多額の身代金を要求して姿を消した。一家は当局に連絡し、国家警察のエキスパートが処理を開始するが・・・・。(パンフレット)


    見所は、上映時間の85分を全てワンカットで撮り切っていること。舞台のように、固定の場所で撮るのではなく、爆弾を取り外すために救助隊の待つ場所へ夫婦と、長女がトロッコに乗り、林をぬけ、川を渡りと、移動しながらすべて途切れることなくワンカットにおさめているのだ。綿密なリハを十二分にやらないと、なかなかできることではない。

    登場人物たちへの接写が多く、限られたカメラアングルをうまく利用して
    シーンを展開するのは、面白かった。たとえば、犯人グループが母の首に装着して、一瞬のうちにその場から消えるというのも、ワンカットでは極めて自然な流れだった。

    演者にいたっては、皆がこの緊張感ある中で監督の要望に応えていたと思う。特にほとんどフレームアウトせずに、出ずっぱりの母役のメリダ・ウルキーアの演技は、秀逸だった。中尉がナイフ一本で首にある爆弾を処理する間、母役のメリダ・ウルキーアはあまりの緊張でのどがからからになるというシーンがある。この際、500ミリリットルのペットボトルの水を一気に飲み干してしまう。滑稽に思えるこの演技も、この緊張感では鬼気迫るものとして感じられるのだ。

    ・・・でも、75分のワンカットは長い。演出によると思うが、後半から画面構成がいささか単調になり、間のびしてしまっていた。せっかくの漲る臨場感や緊張感を高めるために選んだはずのワンカットがあだとなった。
    それでも真似のできない、オリジナリティあふれる表現に挑んだことは、賞賛に値するだろうと、僕は思う。スピロス・スタソロプロス監督のような表現者がもっとたくさん現れると、もっと映画も面白くなる。

    最後の、泣き崩れで叫んだ次女のシーン、あれは、よかった。
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