映画[ ホルテンさんのはじめての冒険 ]定年になってはじめよう | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ ホルテンさんのはじめての冒険 ]定年になってはじめよう
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    映画[ ホルテンさんのはじめての冒険 ]を渋谷Bunkamuraで鑑賞。

    身体が思うように動かなくなってから
    第二の人生に向けて・・・と言われれても・・・ねえ。
    という気持ちはあるが、でもいくつになっても新たな発見はあるし、
    新たなことにチャレンジできる機会は誰にもでもあるはずだ。

    そんな人生賛歌を感じる、作品です。
    ペーソスとユーモアが渾然一体となった北欧らしい世界観。
    ベント・ハーメル監督色いっぱいの、おとぎ話です。
    (今のところ)今年、一番のお気に入り。
    主人公は勤続40年の鉄道運転士、ホルテンさん。ずっーと規則正しい生活を続けてきた彼だが、ひょんなことから、他人様の家で眠りこけて、退職する日の朝に初めて遅刻し、運転するはずの列車に乗れなくなるという、事件を起こしてしまう。そこから、彼の歯車は大きく狂ってくることに??。

    ホルテンさんの表情が、素敵である。気品もあり、生真面目に仕事一筋でやってきたようなかたぶつおじさんって感じがたまらない。
    はじめての遅刻を経験して・・・、始まったホルテンさんのはじめての冒険。

    友人や母親に会いにいく。でも、会いたかった人が亡くなっていたり、自分のことをまったく理解できないくらいに年老いていたりと、時のすぎゆくあまりの早さを痛感。その一方で、彼・彼女らと過ごした思い出が・・・、自分に新たな力を与えてくれることに気づくホルテンさん。

    物忘れが激しい人タバコ屋のお客さんや、目隠しドライブが得意なおじいさんに、シェフが逮捕されても動じないベテランウェイターなど。70歳をすぎてはじめて、世間にはさまざまな違う価値観をもった人たちがいることに知り、ホルテンさんは、自分の可能性を感じたのかもしれない。

    実直なおやじって、たぶんこうなんだろうね。
    高まる思いやポジティブな気持ちも、決して表情として表さない。
    もしかしたら、北欧という寒々しい気候がそうさせるのかも・・・。

    ロッカールームに、ホテルの一室にひとり佇み、灯りの消えたプールで一人もくもくと泳いでいるホルテンおじさんのミディアムショット。奥行きのある映像なので、ホルテンおじさんのぽつねんとした雰囲気が印象的。そして長い長いトンネルや、スキージャンプ台に続く階段、長いプールなど・・・。彼の人生を象徴するような、メタファー的シチュエーションも、さらにペーソスを際立てている。

    でも、彼は最後まで泳ぎきり、ジャンプ台もスキー板をかついで最後まで登りきって飛んでしまうんだよなあ。穏やかな表情の下は、人一倍エネルギーに満ちあふれたおじさんなのである。

    ベント・ハーメル監督の作品って、登場人物のセリフが極端に少なく、画やシチュエーションでうたいあげる分、後で徐々に沁み入るように伝わってくる。

    今回は、音楽が絶妙によかった。困惑し、とまどいながらも次へ踏み出そうとするホルテンさんの生き方のように、サビになると次第に高まりをみせる。ノルウェーのミュージシャン、コーダが音楽を担当。長いトンネルを走り、ようやく暗闇を抜け出たベルゲン急行の映像とは見事に調和していた。

    エンディングは、ぐっと心が温まること間違いない。
    この世知辛い今だからこそ、ぜひこの癒される映画を。おっすすめです。
    | 映画レビュー | 23:52 | comments(0) | trackbacks(0) |
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