2009.03.05 Thursday
ドラマ[ 吾輩は主婦である ]名前は、みどり
ストーリーは、夏目漱石が乗り移った主婦みどり(斉藤由貴)が、家庭やご近所のトラブルを解決する話。八名みどりは25歳の時、学生時代から付き合っていた、八名たかし(及川光博)と結婚。息子と娘が生まれ幸せに暮らしていたが、結婚10年目にして、たかしが、自分の夢を追うために自ら会社を辞めてしまう。仕方なくたかしの実家である古本屋で姑のちよこ(竹下景子)と一緒に同居を始めるが、家事全般を任されストレスがたまるみどり。やっと再就職が決まった夫のたかしが帰宅すると……家計簿のやりくりに集中しすぎて、何とみどりの体に夏目漱石が宿ってしまっていたのだ……。(TBSのホームページより)
全40話いっきに観た。あらためて感じる、宮藤官九郎の凄さ。
宮藤官九郎は「ずらし」「すかし」の天才ですね。
例えば、役者では・・・・・元アイドルだった斉藤由貴に、お母さんだけでなく乗り移った漱石(口調で)を、スマートさが売り物の王子様ミッチーには、夜に妻に身体を求める中年男のエロな一面を描く。さらに「クイズダービー」ではらたいらの次に倍率の低かった博学の女性として名をはせた、竹下景子を天然キャラの姑として演じさせ、今までの役者のイメージを、180度変えるようなキャラクターを作り上げた。
第22話「だれだ」の回では、ドラマの特性を皮肉るように「今まで金曜日には必ずなにか事件がおこってきたので、今日は一歩も外に出ない」と主人公みどり(漱石)に語らせて、1本分の話を作る。時には昼ドラでさえ、官九郎の手にかかれば、笑いのネタになる。
主婦たちの日常をも見逃さない。姑・ちよこと古本屋の向いのクリーニング屋の主婦やすこが歌舞伎に行ってきたという設定にして、八名家の食卓でみえを切ったようなセリフがあるたびに、ちよことやすこが「クリーニング屋!」だの「古本屋!」だの、かけ声を入れる馬鹿馬鹿しいシークエンスを描くのだ。
追い詰められて生まれた感のあるネタのようなものも多いが、それをも彼の当意即妙で、新たな展開を縦横無尽、変幻自在に物語を転がしていく。
漱石の「こころ」を引用したクライマックスの第36話「遺書」からの展開では、笑いではなく人情噺の「すかし」として爽やかな感動を生み出している。
ちよこが大ファンの韓流スターで、そのスター名が「ペ・ヤングン」(元ネタは俳優・ペ・ヨンジュンとカップ焼きそばのペヤング) 。みどりの小説を連載している雑誌は「女性タブン」」。 たかしが勤めていたレコード会社は「バニーキャニオン」で、みどりの小説が表紙になった月刊誌が「レオナルド」など、パロディが多いのも官九郎の「すかし・ずらし」色の強さを表している。
TVドラマでは、十二分に持てる力を発揮するが、映画となればどうだろうか。天才、官九郎の最新作「少年メリケンサック」を明日観にいく。はたしてどんなもんじゃうろか。楽しみである。
全40話いっきに観た。あらためて感じる、宮藤官九郎の凄さ。
宮藤官九郎は「ずらし」「すかし」の天才ですね。
例えば、役者では・・・・・元アイドルだった斉藤由貴に、お母さんだけでなく乗り移った漱石(口調で)を、スマートさが売り物の王子様ミッチーには、夜に妻に身体を求める中年男のエロな一面を描く。さらに「クイズダービー」ではらたいらの次に倍率の低かった博学の女性として名をはせた、竹下景子を天然キャラの姑として演じさせ、今までの役者のイメージを、180度変えるようなキャラクターを作り上げた。
第22話「だれだ」の回では、ドラマの特性を皮肉るように「今まで金曜日には必ずなにか事件がおこってきたので、今日は一歩も外に出ない」と主人公みどり(漱石)に語らせて、1本分の話を作る。時には昼ドラでさえ、官九郎の手にかかれば、笑いのネタになる。
主婦たちの日常をも見逃さない。姑・ちよこと古本屋の向いのクリーニング屋の主婦やすこが歌舞伎に行ってきたという設定にして、八名家の食卓でみえを切ったようなセリフがあるたびに、ちよことやすこが「クリーニング屋!」だの「古本屋!」だの、かけ声を入れる馬鹿馬鹿しいシークエンスを描くのだ。
追い詰められて生まれた感のあるネタのようなものも多いが、それをも彼の当意即妙で、新たな展開を縦横無尽、変幻自在に物語を転がしていく。
漱石の「こころ」を引用したクライマックスの第36話「遺書」からの展開では、笑いではなく人情噺の「すかし」として爽やかな感動を生み出している。
ちよこが大ファンの韓流スターで、そのスター名が「ペ・ヤングン」(元ネタは俳優・ペ・ヨンジュンとカップ焼きそばのペヤング) 。みどりの小説を連載している雑誌は「女性タブン」」。 たかしが勤めていたレコード会社は「バニーキャニオン」で、みどりの小説が表紙になった月刊誌が「レオナルド」など、パロディが多いのも官九郎の「すかし・ずらし」色の強さを表している。
TVドラマでは、十二分に持てる力を発揮するが、映画となればどうだろうか。天才、官九郎の最新作「少年メリケンサック」を明日観にいく。はたしてどんなもんじゃうろか。楽しみである。