映画[ ラースと、その彼女 ]せつないけれど、あったかい | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ ラースと、その彼女 ]せつないけれど、あったかい
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    映画[ ラースと、その彼女 ]を渋谷シネクイントで鑑賞。

    「せつないけれど、あったかい。」
    そんな背反することを体験できるのがエンタメであり、映画である。
    善人だらけの街という設定が、オイラ好みではないが、
    その抵抗を払拭させるだけの斬新さと胸を打つドラマが本作にはある。

    「せつないけれど、あったかい。」
    それは「辛いけれど、うまい」というような食に通ずる
    ちょっぴり癖になる映画かもしれません。
    雪降る街、周囲の人たちとのおかしな交流、そして心温まる物語という
    組み合わせは、北欧映画を彷彿させるが、実はれっきとしたアメリカ映画。
    いまのアメリカ映画を席巻する「悪(ダーク)」をテーマとしたエンタメ系
    の時代に反したような、善良に満ちあふれた設定も逆に新鮮だった。

    自宅のガレージを改装して部屋で孤独に暮らしていた主人公ラース(ライアン・ゴズリング)は、優しくてまっすぐな青年で町の人気者だが、ずっと彼女がいないため兄のガス(ポール・シュナイダー)と義姉カリン(エミリー・モーティマー)らは心配していた。そんなある日、ラースが「彼女を紹介する」と兄夫婦のもとにやってくる。しかしラースが連れてきたのは、ビアンカと名づけられた等身大のリアルドールだった。

    ・・・と、これだけ聞くと、未見の方には主人公が単なる引っ込み思案なオタクにうつるはず。しかし、そうではない。極度なシャイボーイである彼には、自分の出産で母が死んだことによるトラウマがあったのだ。

    雪降りすさぶ中、寒々としたガレージを改造した離れからラースがドアのガラス越しに母屋にいる兄夫婦の家を見つめている、冒頭のショットが素晴らしかった。ラースのキャラが、一目でわかる秀逸なショット。

    また本作は、カリンがラースに怒鳴った「街の人たちはあなたが好きだから、ビアンカの世話をしているのよ」のセリフのように「ドキッ」とさせられる示唆に富んだセリフも多い。

    クライマックスでは同僚のマーゴに対して愛情という感情に気づき始めたとき、ラースはビアンカとの別れを決意。そして街の人みんなでビアンカの葬式を行うのだ。ラースはビアンカに別れを告げ、そばにいるマーゴに対して「少し歩こうか?」と囁く。まさに、これも彼の心の新しい一歩を象徴した示唆に富んだ言葉だったのだ。

    27歳の男が人形を恋人として連れてくるのは変わった性癖があるから。
    カリンや同僚の女性マーゴを極度にさけるのは、女性が嫌いだから。
    ・・・・・・
    この映画では、僕たちの既成概念をゆさぶるエピソードが数多く登場し、
    自分自身の無意識の中にある、偏見に気づかされる。

    善い人だらけの街という設定や、ラースがリアルドールを彼女にしたことなど、
    腑に落ちないことは多いが・・・・、実はそこがこの映画の肝なのかも。
    本作は決して多くを語られていない分、こちらが読みとったもん勝ち。
    そうすれば、面白さは倍増する。
    人々の善良な部分で成り立つ世界では、こんなにも生きることが楽しくなる。
    そう思ってみたほうが、やっぱり面白い。

    何かを乗り越えるには、苦しみや痛みが必要だけど
    優しさがそばにあれば、きっと克服できる。
    そんな気分にさせてくれる。
    「せつないけれど、あったかい」。
    ぜひ、ぜひご賞味くだされ。
    | 映画(おすすめ) | 10:13 | comments(2) | trackbacks(7) |
    コメント
    yama_eighさんへ
    ただいま!

    ・・・というのは、ちょっと日数がたっちゃいましたが。洋画をほとんど観ないyama_eighさんでしょうが、なかなかいいので機会があればぜひ。

    機会があって、今年はイラストを描こうかとおもって。いつまで続くかわかんないですが。

    | アロハ坊主 | 2009/02/08 10:42 PM |
    お帰りなさい。
    この映画褒めてる人多いですね。それから、パンフの写真だったのが、こないだからイラストに変わってますね? これ自筆? 手書き→スキャナ取り込みですか? なんか雰囲気あって良いと思います。
    ほなまた。
    | yama_eigh | 2009/02/06 1:53 PM |
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    映画『ラースと、その彼女』を観て
    101.ラースと、その彼女■原題:LarsandtheRealGirl■製作年・国:2007年、アメリカ■上映時間:106分■字幕:松浦美奈■鑑賞日:12月20日、シネクイント(渋谷)スタッフ・キ...
    | KINTYRE’SDIARY | 2011/01/23 10:22 PM |
    『ラースと、その彼女』'07・米
    あらすじ小さな田舎町に暮らすラースは、シャイで女の子が大の苦手。でも、人一倍優しくて純粋な心を持っている。そんなある日、同じ敷地内に住む兄夫婦に、ラースが「彼女を紹介するよ」と言って連れてきたのは等身大のリアルドール、ビアンカだった・・・。感想アカデ
    | 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ | 2010/03/30 11:57 PM |
    「ラースと、その彼女」
    人間の温かさが良く出てた映画だったなぁ。笑って、そしてホロリ
    | 心の栄養♪映画と英語のジョーク | 2009/08/17 3:19 PM |
    「ラースと、その彼女」 LARS AND THE REAL GIRL
    リアルドールに恋する青年とそれを見守る心優しき街の人々が織り成すファンタジーヒューマンドラマ。 最初ビアンカと名付けられた“リアルドール”(という言葉今回はじめて知りました)が主人公ラースとともに登場してきたときには、正直言って兄夫婦同様、相当に引い
    | 俺の明日はどっちだ | 2009/04/16 11:07 AM |
    ラースと、その彼女 を観ました。
    本当はマドンナの初監督作品を観るつもりでした…ですが、1時間間違えたおかげでこのハートフルな作品に出会いました。
    | My Favorite Things | 2009/02/15 9:38 PM |
    『ラースと、その彼女』
    監督:クレイグ・ギレスピー  CAST:ライアン・ゴズリング、エミリー・モーティマー 他 27歳のラース(ライアン・ゴスリング)は...
    | Sweet*Days** | 2009/02/14 4:30 PM |
    ラースと、その彼女
     『彼が恋に落ちたのは… 等身大のリアルドール!』  コチラの「ラースと、その彼女」は、雪が降り積もる小さな田舎町で”Mr.サンシャイン”とみんなに慕われる心優しい青年が、”リアルドール”いわゆる”ラブドール”に恋してしまう姿を描いた12/20公開のハート
    | ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2009/02/06 3:23 PM |