映画[ 女工哀歌(じょこうエレジー) ]毎日つくるジーンズ、誰がはいているのだろう? | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 女工哀歌(じょこうエレジー) ]毎日つくるジーンズ、誰がはいているのだろう?
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    映画[ 女工哀歌(じょこうエレジー) ]を渋谷イメージフォーラムで鑑賞。

    ショッキングな出来事があった。昨日まで普通に営業していたスーパーが、今日行くと、倒産し閉まっていた。不景気という波は、もう少し後かなと思っていたのにどうやら目の前まできているようだ。つくづく恐ろしくなった。

    そんな現実に直面して思い出したのが、この映画。私たちとは比べものにならぬほどの、劣悪な労働条件のもと、貧困で過酷な日々を送っている少女たちのドキュメンタリー作品。女性版「蟹工船」である。
    chineblue

    中国の山間の農村に暮らす16歳のジャスミンは、家計を支えるために都会の工場に出稼ぎに出る。彼女の仕事は、欧米諸国へ輸出するジーンズ作りの「糸切り作業」。時給7円という低賃金だが、ほとんど休む間もない忙しさだ。一方、工場長のラム氏は、海外の顧客からコスト削減を迫られていた。きびしい条件の中、納期に間に合わせるために、徹夜の作業が続く。しかし給料の未払いが続き、工員たちの不満はつのっていった…。(gooより)


    とにかく、この手の映画を観終わった時にいつも感じるのはむさしさだ。いたたまれない思いとどうにも変えようにない現実が押し寄せる。だからって観ないよりも観て、現実を受け止めたほうがいいとオイラは思う。

    グローバリゼーションという名の「ブラックBOX」の根深さが、とことん腹立たしい。高いよりも安いジーパンのほうがいいし、消費者ならそっちを選ぶ。売れるなら企業はまた仕入れるし、購入者側もそれが、どんな劣悪な環境で、どんな人によって作られたかなんて、買う時には考えない。そして少女たちは、今日も睡魔と不安と疲労の中で、またせっせと作ることになる。この負のスパイラルは決してなくならない。世の中は複雑すぎるのだ。

    だから本作でも、必ずしも少女たちを苦しめる悪者を工場長という図式では描いていない。どちらかといえば、工場長の先にあるアメリカやサウジアラビアなどの富国にある大企業への倫理観を問う。最後にその企業名(ウォルマート)が、明かされる。

    午前3時まで休憩もほとんどなしで働かせ、遅刻や欠勤に法外な罰金を取るなど、人権なんてあったものではない。そんな劣悪な環境で、主人公のひとりであるジャスミンら少女たちは、ボーイフレンドとのデートを楽しみにして毎日おしゃれに気を使ったり、初めて手にする給料で親への仕送りを楽しみにしていたりと、日本にいる普通の女の子とまったくかわらないし、あるいはそれ以上に夢を持っている。こんな光景が、悲惨ななかにも、一縷の望みがある。特に、ジャスミンが普段作っているXLの巨大なジーンズを、いったいどんな人がはくのか、空想でジーンズのポケットに手紙を入れるシークエンスは微笑ましい。自分が作った製品を買ったお客様と接するというのが、健全なビジネスだと思う。お客様を知らないと、本当のサービスや製品ってできないから。これって時代を逆行した考え方だが、できればそんな世の中になってほしい。

    いまは、世知辛くなっている。特に中国は、社会主義と資本主義の混合経済であるがために、急激なインフレや貧富の差、そして官僚主義や汚職など各々の体制の悪徳が膿のごとく現れている。本作の監督であるスイス生まれ、イスラエル育ちのミカ・X・ペレド氏が、撮影したフィルムを幾度となく押収し、そのたびに再度撮り直したりして、編集で上映までとりつけたらしい。こんなみっともない現状を世界へ知らしめるのは不利益だと考えたのだろう。こんな官僚たちの体質がなおらない限り、変わらない。
    どこでも、世の中は暮らし苦くなるばかり。
    | - | 18:59 | comments(0) | trackbacks(1) |
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    映画>女工哀歌 (China Blue)
    「平均年齢15歳、労働時間1日18時間、時給7円以下」というと、中国版女工哀史か。「ああ野麦峠」を思い出してしまう。 否、中国では少し違う。四川省の田舎から、広東省の工業地帯に出稼ぎに来たジャスミン16歳。初めての職場、もちろん初めての都会、初めての搾取の
    | 千恵子@行政書士 | 2008/11/24 12:26 AM |