映画[ 休暇 ]すべての者に、未来はある | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< November 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< 映画[ ミスト ]みえないもの、わからないもの。心の闇は、そこから生まれる。 | main | 東京R不動産 >>
映画[ 休暇 ]すべての者に、未来はある
0
    映画[ 休暇 ]を有楽座で鑑賞。

    世の中的には、いかに泣けるか、いかに盛り上げるかが良しとされる映画のなかで、こんなにも静かなのに、メッセージ性のある作品も珍しい。個人的には、こんな映画がもっと出てくればいいのにと、思ってやまない。技のある役者陣、小林薫、大塚寧々、そして、西島秀俊らの寡黙な演技も秀逸です。脚本・佐向大、監督・門井肇は、今回オハツ。彼らのこれからの作品も楽しみです。
    吉村昭
    <ちょっと、苦言です!>作品の出来に反して、このパンフレットはいかがなものか。なんで、裏表紙にクレジットタイトルが入るんだ。全面を写真にした意味ないでしょ。ページネーションを間違ったのか、はたまた予算がなかったのか。なにはともあれ、もう少し、しっかりこだわってもよかったんじゃないか。中には映画同様にパンフレットを楽しみにしている人もいるのだから。



    シングルマザーの美香(大塚寧々)と新しい家庭を築くことになった刑務官・平井(小林薫)。なかなか打ち解けられない連れ子との関係を築く間もないまま挙式を目前に控えたある日、死刑囚・金田(西島秀俊)の執行命令が下る。執行の際、支え役を務めれば1週間の休暇を与えられると知った平井は、新しい家族と新婚旅行に出かけるために、誰もが嫌悪する支え役に自ら名乗りでるのだった。


    死刑執行前の囚人にスポットをあてたアメリカ映画[ デッドマン・ウォーキング ]という名作があったが、本作は、刑務官が主人公。“たかが休暇のために人の命を奪う行為に加担するのか”――という人望の厚い刑務官・三島(大杉漣)のセリフにもなっているこのフレーズが、この仕事の意義や重みを物語っている。

    この映画を見ると、刑務官とは過酷な仕事だと改めて思う。感情や人間性を抑えて職を遂行する。囚人・金田は唯一の肉親である妹との面会も、何も話せないままに終了する。そんな状況を目の前にしても、刑務官は声をかけてやることさえもできない。また死刑執行が決まっても、その時がくるまで本人には知らせることはおろか、そんな素振すらみせてはならない。平井の結婚式で一言も話さず、一口の料理も食べない同僚や上司たちのシーンが象徴的だ。生と死の間で、生きてきた彼らは、決して人に話すことが許されない事実と向き合い、言葉ではなにも解決できない現実をみつめ続けなければならないのだ。副看守長の坂本(菅田俊)の鬱状態や、新人刑務官の大塚(柏原収史)が、金田に過って、「なにか欲しいものないですか?」と言ってしまうことは、至極まっとうに思えてくる。

    しかし・・・・ざらつき、乾いたような関係の中にも処遇部長の池内(利重剛)、上司の三島、大塚、妻の美香、主人公の小林、そして金田らのにじみ出てくる他者への思い。絵のプレゼント、労いの言葉、そして抱擁・・・、そんなささいな事のひとつひとつが、じわりと伝わってくる。これが今を生きているってことなのか?

    本作で描かれているのは、すべて「これから」のこと。「もう過去のことだから」と、平井は妻に前夫との別れた理由を一度も聞かない。そして、金田の事件も、最後まで語られることがないのは、これも過去のことだからだろう。独房の扉、子供を探すときに登場する庭の門など、ことあるごとに入口(扉)がモチーフとして登場するのも象徴的。金田も、教誨師により天国で新たな出発を約束される。死をみつめることで、生きる意味、幸せを考える。寡黙だからこそ、そのメッセージは力強い。

    上映後に、ロビーで「NHKのドラマみたいだったわね」と話している夫婦がいた。でもそれは違うと、ぼくは思う。起伏がなく、かつ現在と過去を往還する構成は、万人を相手にするテレビには、NHKといえども成立しない。本作は、映画でしかできないし、映画だからこそ成立する作品なのだ。
    観るなら、DVDではなく劇場です。この感覚は、そこでしか決して味わえないものだから。
    | - | 23:11 | comments(2) | trackbacks(5) |
    コメント
    CINECHANさんへ
    いつもTBありがとうございます。

    多いんですよね。TBできないという人が・・。
    ユーザービリティなんて言葉が巷にあふれている世の中なのに、もっと使いやすいものを作れないですかね。・・と思う今日このごろです。

    では、またよろしくおねがいします。
    | アロハ坊主 | 2008/07/17 1:19 AM |
    TBありがとうございました。
    このところこちらからのTBが貼れないブログが多くなりまして・・・
    こちらにも貼れないようなので、コメント欄に残しておきます。

    http://cinechan.at.webry.info/200806/article_23.html
    | CINECHAN | 2008/07/16 12:56 AM |
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/763934
    トラックバック
    「休暇」
    日本の死刑執行について、知らないことばかりでした
    | 心の栄養♪映画と英語のジョーク | 2009/10/09 11:30 AM |
    休暇
    2007 日本 邦画 ドラマ 作品のイメージ:切ない、ためになる 出演:小林薫、西島秀俊、大塚寧々、大杉蓮
    | あず沙の映画レビュー・ノート | 2009/07/16 1:09 PM |
    休暇
    生きることにした。人の命とひきかえに。 希望を奪われた死刑因と彼らの未来を奪う使命を託された刑務官の苦悩。 小林薫、西島秀俊ら実力派俳優が顔を揃えた人間ドラマ。死刑囚の体を支えて刑の執行を補佐する“支え役”を務めることになった刑務官の葛藤と、周囲
    | パピ子と一緒にケ・セ・ラ・セラ | 2008/07/16 4:37 PM |
    【2008-144】休暇
    人気ブログランキングの順位は? 死刑執行の際、支え役を務めれば 一種完夫休暇を与える 他人お命を奪うことに 加担して得られる幸せは 果たして本当の幸福と 言えるのだろうか・・・? 生きることにした。 人の命とひきかえに。 限りない優しさと厳
    | ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! | 2008/07/13 10:37 PM |
    映画『休暇』
    【6月15日特記】 映画『休暇』を観てきた。 真面目で不器用丸出しの刑務官・平井(小林薫)。彼と再婚する(平井は初婚)ことが決まった美香(大塚寧々)。美香の連れ子・達哉(宇都秀星)は平井に却々なつかな
    | trivialities | 2008/07/10 10:24 AM |