映画[ 人のセックスを笑うな ]エロですか?テロです! | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 人のセックスを笑うな ]エロですか?テロです!
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    映画[ 人のセックスを笑うな ]をセゾン渋谷で鑑賞。

    「観るなら、どんな映画がいい?」と聞かれたら、
    今なら迷わず、本作をおススメする。
    僕にとっては、久しぶりのヒットですね。

    Je sus fou detoi mon tresor!
    同棲している彼氏・古田(西島秀俊)の家を飛び出しアベちゃん(小池栄子)とヨーコ(榎本加奈子)の家へ転がりこむ、スズの登場で物語がスタートした井口監督の前作[ 犬猫 ]と同様に、本作ではトンネル内で磯貝みるめ(松山ケンイチ)、えいちゃん(蒼井優)、堂本(忍成修吾)の三人が乗った軽トラックに闖入者としてユリ(永作博美)が現れる。

    はたまた

    ユリ(永作博美)の個展を訪れたえいちゃん(蒼井優)が、ユリから「東京へ行くんだ!」という話を聞いた後、隣に置いてあったお菓子をつまみぐいをするとても愉快なシチュエーション。今までは、ほぼ“受け身”体質だった彼女がポジティブに変わった、まさに彼女のターニングポイントとなるシークエンス。などなど。

    こんな風に、井口監督の映画は、セリフなんていらないと思わせるぐらい、含蓄のある画の連続なのだ。本当に練られていて、たぶん無意味な画なんてないのではと思わせるほどよくできている。

    一見、えいちゃんが大好きなみるめ(松山ケンイチ)にフラれて、なんて、切ないんだと思っちゃうんだけど・・・、えいちゃんもユリも、男たちに比べれば、なんだかんだといいながらも、ちゃんと自分の手で道を切り拓いている。

    そんな行動に感化されてか、何もせずにただ眺めているだけだった(クラスで創った大きな風船や、えいちゃんの仕事ぶりをいつも写メしていたのはその表れ)堂本(忍成修吾)も、最後には、好きなえいちゃんにアプローチを・・・。

    でもそんな強さとは裏腹に、ちょっとした優しさやそばで支えてくれる安心感を、女性は男性に求めていたりする・・・という、ディテールのある描写がこれまた秀逸だ。
    東京での仕事がなくなり、気持ちが落ち込んでいるユリが、過って指を切ってしまい、それを旦那の猪熊さん(あがた森魚)が絆創膏を貼って介抱する。観覧車でもえいちゃんとみるめがこれと同様なやりとりをする。針金でしばった携帯電話をもとに戻そうとして、えいちゃんがこれまた指を切ってしまう。これを機に、ユリは旦那さん、えいちゃんはみるめとの距離がぐっと近くなるのだ。

    井口監督の演出で、見どころと思えるシーンを挙げ出したきりがない。
    人物造形も、思わずため息がでてしまうほど見惚れてしまう。
    ファミレスでえいちゃんのココアを試し飲みするユリ。それを断れないえいちゃん。小悪魔的な魅力を存分に出していたユリと、一途な恋心を素直に表現できないえいちゃんのキャラが、この一瞬のシークエンスにも如実に出ているのだ。

    極端な長まわしもないし、あわただしいほどの編集もない。
    撮っていることさえほとんど意識しないアングルの数々。
    たぶん、監督は俳優の演技を信用しているんでしょうね。

    ユリとみるめとのラブシーンも、演者が楽しんでいるもん。
    友人のイラストレーターなんかは「あのラブシーンはリアルすぎて、観ているのが恥ずかしかった」というぐらい絶賛していた。

    屋上で、ユリにもらったライターを今だに肌身放さずに持ち歩いているみるめ。誰かに後押しされないと、一歩すら踏み出せない男だけど、学校の廊下をうろちょろして教務課まで侵入して、誰よりも一番、恋だの、愛だのを探していたはずなのに、この結末は残酷すぎる。
    ・・・と思っていたら、最後でつぶやきのような文章が挿入される。
    「会えなければ終わるなんて、そんなもんじゃないだろう」
    一人後ろ向きな情けない男への心温まる監督のメッセージだ。
    僕にとっては、この言葉が本作で一番のツボだった。

    この映画は恋の残酷さを教えてくれます。想いは必ずしも報われない。
    登場人物たちのしれっとした会話と人をくったようなしぐさや行動でとてもゆる〜い空気を醸し出すが、そこには人なら誰もが一度は体験する痛みと切なさがあります。若人よそして恋を忘れた中年たちよ、ぜひご覧あれ。オススメデス。
    | 映画(おすすめ) | 23:25 | comments(2) | trackbacks(13) |
    コメント
    Mariaさんへ
    コメントありがとうございます。

    女子からみても、ユリは魅力的なんですねえ。
    あんな小悪魔的な女子は、優しさという包容力で支えてくれる猪熊さんのような男性がぴったりですね。

    ほんと、いい映画でした。
    | アロハ坊主 | 2008/04/23 9:06 PM |
    アロハ坊主さま
    TB ありがとうございました
    〈クッキーをだんだん侵略して行く様子〉を〈彼女の生き方がポジティヴに変った〉との解釈はいいですねぇ
    静かなシーンなのに印象に残るシーンでした
    | Maria | 2008/04/23 7:51 AM |
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    音楽評:武田カオリ with HAKASE-SUN 「ANGEL」〜映画:「人のセックスを笑うな」の極上ポップス〜
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