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映画[ トゥヤーの結婚 ]それでもトゥヤーは気丈に生きていく
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    映画[ トゥヤーの結婚 ]を渋谷Bunkamuraル シネマで鑑賞。

    2007年、ベルリン国際映画祭の最高賞である金熊賞を獲得した本作。
    砂漠化がすすむモンゴルの草原で、凛として生きる女性トゥヤーが印象的。


    内モンゴル自治区の草原に、トゥヤー(ユー・ナン)の一家が住んでいる。トゥヤーは、ダイナマイト事故で下半身不随になった夫のバータル(バータル)と二人の子どもを養う生活に疲れ果てていた。妻の苦難を見たバータルは、生きていくためにトゥヤーに離婚をうながす。やがてトゥヤーを気に入っていたボロルが現れ、バータルが住める施設とトゥヤーと子どもたちが町で住めるように手配してくれた。しかしバータルは孤独と家族への想いから自殺を図る。(パンフレットより)

    今まで観たモンゴル族の遊牧民(牧畜民ふくむ)を扱った映画は、[ 天空の草原のナンサ ]や[ モンゴリアン・ピンポン ]など、子供を主人公または中心に据えた作品が多い中、厳しい自然の中で生きる大人の女性を描いた本作は非常に稀有で、貴重な小品。

    この映画のように、再婚して、子どもと前夫を養うことは辺境地域において、そんなに珍しいことではない。と本作の監督ワン・チュアンアンがインタビューで述べているが、少子化や核家族化がすすむ日本なら同様なことは起こりうるのでは・・・とちょっと考えさせられた。ひょっとすると近い将来、これが常識化していくかも。・・・そうなると感情と常識との矛盾の中で生きていかねばならないときがすぐそこに。環境破壊がCO2増大だけが原因でないように、ますます世の中は複雑化していくのか。

    生きづらい世の中。それでも生きていかねばらない???。
    本作を観て勇気をもらったなんて人は、はたしているのだろうか。それよりも多くの観客は、観終わっても気持はモヤモヤしているはずだ。

    はたして、ここまでして子供と夫と暮らすことにこだわり続けたトゥヤーの信念を支え続けたものとはいったい何だったのか?
    それらに関わるトゥヤーの言動は、無理からにやっていることではなく、自然体で選んだことのように見える。それは、やっぱり愛というものなのか。いや、僕にはモンゴル族の遊牧民がもつ人生観がそうさせたように思えてならない。??つねに自然と対峙して生活している彼らの、ありのままを受けいれる精神とでもいおうか。夫が自殺をはかったときも、トゥヤーはこれ以上もないくらいに怒りをぶつけるというのも、自らの宿命を受け入れない夫の裏切りと受け取ったのではないだろうか。

    そんな芯の強いトゥヤーも情にほだされてか、頼りない男であろうとも自分のために何度も爆破を繰り返し、井戸掘りを続けるセンゲーの求愛に徐々に心が傾いていく。気丈な女性も・・・、そばで誰かに支えてほしいと思うのは自然なのかもしれない。

    「オヤジが二人で悪いか!」と友達とケンカをしている息子ザヤをトゥヤーは叱るが、止める様子がいっこうにない。「勝手におし!」といってトゥヤーが、パオ(納屋)に閉じこもって一人泣く姿が映し出されエンドクレジット。最後に弱みらしい弱みをみせなかったトゥヤーが、涙するのだ。どうもこの先、明るい未来ではないようだ。それでも彼女なら、きっと気丈に生きていくだろう。

    もし自分がこの夫と同じ立場にだったら、どうしたのか・・・・。愛する妻が人に嫁になってしまう憤りと妻や子供に迷惑をかけてまで、生きていかねばならない自分の不甲斐無さ。そんなことを死ぬまで考え続けねばならない日々をこれからずっと過ごすなんて・・・・。こんな過酷な状況を・・・。トゥヤーの選択は、果たして正しかったのか。帰宅途中も、やっぱり考えずにはいられない。
    | 映画レビュー | 21:52 | comments(0) | trackbacks(11) |
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