映画[ 再会の街で ]喪失からの再生 | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 再会の街で ]喪失からの再生
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    映画[ 再会の街で ]を恵比寿ガーデンシネマで鑑賞。

    今年は泣かない男になると誓ったのに…。
    不覚にも、今年の初泣き映画です。

    今回、俳優たちの見ごたえある演技が注目です。特に精神科医役のリヴ・タイラーと、判事役のドナルド・サザーランドは要チェック。
    キャリアと愛する家族に恵まれ、人もうらやむ人生を送る歯科医アランと、5年前の9月11日にたった一日で愛する者すべてを失った悲しみから、キャリアを捨てて殻を閉じこもった元歯科医チャーリー。大学時代のルームメイトだった二人が、ニューヨークの街角で偶然再会。再び友情を育んでゆく中で、彼らは互いを必要としていることにきづいてゆく。(パンフレットより)

    地位もあり、幸せそうなアランとすべてを失ったチャーリーは、一見ありきたりな構図なのだが、意外にも2人には程度の差こそあれ同じような寂寥感と厭世感を持っていた。だからこそ、アランはチャーリーに献身的になれたのだ。

    渋帯にあいながらもマンハッタンの街を車で移動するアランに対して、チャーリーは愛用のスクーターですいすいと自由気ままに移動していく。この対比からも、より二人の心情がわかるかもしれない。実はチャーリーよりもアランのほうが、社会と向き合って生きている分だけストレスが大きく、日頃感じる虚無感は激しい。逆にチャーリーは他人と向き合わないことで、音楽と、キッチンのリフォームとゲームなど好きな事だけに打ちこめて、自由な気持ちで毎日が過ごせている。アランは自分の世界に閉じこもることで自己を守っているのだ。他者にとっては不幸せに見える日々も、実は本人にとっては充実もしくは平穏な時間だったりするわけだ。

    ずる賢く、かつ陰険そうな外見の管理人や会計士・シュガーマン(マイク・バインダー、本作の監督でもある)が、実は誰よりもチャーリーの良き理解者であるということも、同じような解釈ができる。決して紋切り型ではない。僕たちの認識を揺るがすような演出が、本作を面白くしているのだと思う。

    演技派俳優、ドン・チードルは美女に迫られて閉口したり、友人のことを相談するふりをして精神科医アンジェラ(リヴ・タイラー)に悩みを聞いてもらったり・・・と笑える演技をこなし、一方人気コメディ俳優、アダム・サンドラーは、耐えがたい喪失感を背負ったチャーリー役で悲痛な男を表現する。

    そして、ストーリーも笑い(喜び)と悲しみが常に隣り合わせのように展開していく。幸せだな、と思っていたらふいに不幸が訪れてくる。9.11事件を示唆しているようで、人生そのものを語っているようでもある。

    二人でオールしてメル・ブルックスの映画を見て、大笑いしていたのに映画館を出たら、アランのケータイに妻からオトンの訃報の知らせが・・。決して語ろうとしなかったチャーリーが重い口を開き、これから立ち直ろうと思った矢先に、とんでもないことが起き警察につかまってしまう。・・・などなど。

    本作は、チャーリーが大きな喪失感を乗り越えた結果ではなく乗り越えつつある途中でエンディングとなる。チャーリーは愛用のスクーターを手放し、アランはそれに乗って、一人街へと出ていく姿で幕が閉じるのだ。まさに本作はバーディームービーに呼ばれるにふさわしい、二人の有機的なつながりでもって、それぞれの新たな始まりを描いた、見事なエンディングだったと思う。

    冒頭のマンハッタンの街をチャーリーがスクーターで走り回るシークエンス。あれ、よかったなあ。あの映像があったからこそ、僕は重い口をアランに開いたチャーリーのシークエンスで涙してしまったのだ。カメラは彼の後から街並みを撮っているので、いわば(チャーリーの目線で)自転車にのって走っている眺めに近く、このシークエンスでニューヨークに住んでいるチャーリーに僕は同化してしまったのだ。街なかにいるような感覚。「街や歩道を行く男の視点から描きたいと思った」という監督の狙い通り、このカメラはずばりその要望に応えていた。(これは、パナビジョンのHDカメラ“ジェネシス”というもので被写界深度が深く、肉眼よりもずっと遠くの景色まで見えて、照明も必要ないすぐれもの)
    | 映画(おすすめ) | 23:46 | comments(0) | trackbacks(6) |
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    『再会の街で』を観たぞ〜!
    『再会の街で』を観ましたキャリアと家族に恵まれながらも人生にむなしさを感じる歯科医と、911の悲劇で家族を失い、自分の殻に閉じこもるようになった元歯科医の触れ合いと再生を描く人生ドラマです>>『再会の街で』関連原題: REIGNOVERMEジャンル: ドラマ製作年・
    | おきらく楽天 映画生活 | 2009/05/24 9:55 PM |
    『再会の街で』'07・米
    あらすじキャリアと愛する家族に恵まれ、誰もがうらやむ順風満帆な人生を送るニューヨークの歯科医アラン(ドン・チードル)。ある日、彼は大学時代のルームメート、チャーリー(アダム・サンドラー)を街で見かける。元歯科医のチャーリーは、今や世捨て人のような生活
    | 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ | 2009/05/07 8:21 AM |
    再会の街で
    2007 アメリカ 洋画 ドラマ 作品のイメージ:泣ける、切ない 出演:アダム・サンドラー、ドン・チードル、リヴ・タイラー、ドナルド・サザーランド マンハッタンの風景、イエロー・キャブのクラクションの音が鳴り響く・・そんな中で展開される二人の男性の友情物
    | あず沙の映画レビュー・ノート | 2009/02/19 6:10 PM |
    再会の街で
     「ともだちさがし」が今一番のテーマになっている私にとっては、とても興味深い映画
    | eclipse的な独り言 | 2008/07/10 10:34 AM |
    話していくことが大事なことだ
    35「再会の街で」(アメリカ)  アランはニューヨークで歯科医を営み、仕事は順調。美しい妻と二人の娘がおり、他人がうらやむ生活を送っている。しかし、彼はどこかその生活に息苦しさを感じており、クリニックのある同じビルで開業している精神科医アンジェラに相
    | CINECHANの映画感想 | 2008/02/16 2:04 PM |
    再会の街で
     『話すことで、癒やされていく傷がある。』  コチラの「再会の街で」は、12/22に公開されたハートフルなヒューマン・ドラマなのですが、新年早々観て来ちゃいました♪一昨年の「ポビーとディンガン」、昨年の「リトル・ミス・サンシャイン」に続いて、今年も満点
    | ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2008/02/10 9:03 PM |