2007.09.22 Saturday
映画[ リトル・チルドレン ]オトナになりきれない大人たち
映画[ リトル・チルドレン ]を日比谷で鑑賞。
大人になりきれない大人たちの物語。
こうやって書くと、特別な存在に思えるかも知れないが、意外と多くのアダルトたちが同じような悩みを抱えていることなのでは・・・・・
本作を観れば、そんなことを痛感するはずだ。
監督は、2001年の長編デビュー作[ イン・ザ・ベットルーム ]で
アカデミー賞作品賞、脚色賞を含む5部門でノミネートされ、注目の人となったトッド・フィールド。俳優としては、ウディ・アレンの[ ラジオ・デイズ ](87)でデビューを果たし、スタンリー・キューブリック監督の遺作となった[ アイズ ワイド シャット ](99)では怪しい男ニック役で印象を残した。本作では、監督以外にも製作・脚本までを手掛けている。
大人になりきれない大人たちの物語。
こうやって書くと、特別な存在に思えるかも知れないが、意外と多くのアダルトたちが同じような悩みを抱えていることなのでは・・・・・
本作を観れば、そんなことを痛感するはずだ。
監督は、2001年の長編デビュー作[ イン・ザ・ベットルーム ]で
アカデミー賞作品賞、脚色賞を含む5部門でノミネートされ、注目の人となったトッド・フィールド。俳優としては、ウディ・アレンの[ ラジオ・デイズ ](87)でデビューを果たし、スタンリー・キューブリック監督の遺作となった[ アイズ ワイド シャット ](99)では怪しい男ニック役で印象を残した。本作では、監督以外にも製作・脚本までを手掛けている。
●
ボストン郊外の街に住む主婦サラ(ケイト・ウィンスレット)は、いつも娘を遊ばせに来る公園での主婦付き合いに飽き飽きしていた。そんなある日、司法試験勉強中の“主夫”ブラッド(パトリック・ウィルソン)が息子と公園にやってくる。互いの存在に興味を抱いた2人は、子供をダシにして市民プールで毎日会うようになる。そんな中、子供への性犯罪で服役していたロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が釈放され、街に帰ってくる。ブラッドの友人で元警官のラリー(ノア・エメリッヒ)はこれに過敏に反応、ロニーと老母(フィリス・サマーヴィル)への執拗な嫌がらせを開始するが…。
●
そこそこの経済力や学歴があり、とりたてて不自由のない暮らしをしているサラとブラッド。彼らは現状に満足できず、心のどこかで別の幸せを渇望しているのだ。そんな思いが、次第に二人を近づけていく。
主婦たちのコミュニティや家族という集団に属しながらも、自分が浮いていたり、また自分の存在が希薄であることから、彼らはここと違う、別の場所こそが幸せになれるユートピアと考えるのだろう。でも、よく考えるとなんでオレ(私)あんなことやってたんだろうって。あとで思う。浮気なんてのも、その類でしょ。
現実逃避の彼ら。ブラッドとの悦楽(セックス)にはまるサラ。罪悪感を持ちながらも、彼もまたサラとの情事に・・・。
そして、性犯罪の前科があるロニーやある重大事件を起こして警官を辞めたラニーは、サラとブラットとの関係に対比するようにコミュや集団から孤立した存在として登場する。主人公たちの新たな一歩も、これまた非常に対照的なエンディングとして描かれている。一人で解決できる者、人に受け入れられることで道を見つける者など・・・。地震もおきなけりゃ、空からカエルが落ちてくることもないが、なかなかいいっすよ。特にロニーを敵視していたラニーと、ロニーのエピソードは、非常に感動的。
でも本作は、やっぱりケイト・ウィンスレットの体当たりの演技しかり(ちょっと前は、かなり豊満なボディだったのが、えらく引き締まった身体にシェイプアップしました)、性犯罪者役を演じたジャッキー・アール・ヘンリーしかり、役者が特に注目です。この人しか、この役はできないというようなベストなキャスティング。ジャッキー・アール・ヘンリーは“キモっ!”と思わず叫びたくなるオーラがあふれ出していた。はまり役です。でも[ がんばれ!ベアーズ ](76)の時の比べると、ほんと老けましたね。
唯一気になったのは、ナレーション。前半のあのナレーションは、正直いらなかった。なかったほうが、もっと引き締まったと思うね。
サラやブラッドのような感情、思い当たる人意外といるはず。自分の照らし合わせながら見ても、面白いんじゃないでしょうか。
ボストン郊外の街に住む主婦サラ(ケイト・ウィンスレット)は、いつも娘を遊ばせに来る公園での主婦付き合いに飽き飽きしていた。そんなある日、司法試験勉強中の“主夫”ブラッド(パトリック・ウィルソン)が息子と公園にやってくる。互いの存在に興味を抱いた2人は、子供をダシにして市民プールで毎日会うようになる。そんな中、子供への性犯罪で服役していたロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が釈放され、街に帰ってくる。ブラッドの友人で元警官のラリー(ノア・エメリッヒ)はこれに過敏に反応、ロニーと老母(フィリス・サマーヴィル)への執拗な嫌がらせを開始するが…。
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そこそこの経済力や学歴があり、とりたてて不自由のない暮らしをしているサラとブラッド。彼らは現状に満足できず、心のどこかで別の幸せを渇望しているのだ。そんな思いが、次第に二人を近づけていく。
主婦たちのコミュニティや家族という集団に属しながらも、自分が浮いていたり、また自分の存在が希薄であることから、彼らはここと違う、別の場所こそが幸せになれるユートピアと考えるのだろう。でも、よく考えるとなんでオレ(私)あんなことやってたんだろうって。あとで思う。浮気なんてのも、その類でしょ。
現実逃避の彼ら。ブラッドとの悦楽(セックス)にはまるサラ。罪悪感を持ちながらも、彼もまたサラとの情事に・・・。
そして、性犯罪の前科があるロニーやある重大事件を起こして警官を辞めたラニーは、サラとブラットとの関係に対比するようにコミュや集団から孤立した存在として登場する。主人公たちの新たな一歩も、これまた非常に対照的なエンディングとして描かれている。一人で解決できる者、人に受け入れられることで道を見つける者など・・・。地震もおきなけりゃ、空からカエルが落ちてくることもないが、なかなかいいっすよ。特にロニーを敵視していたラニーと、ロニーのエピソードは、非常に感動的。
でも本作は、やっぱりケイト・ウィンスレットの体当たりの演技しかり(ちょっと前は、かなり豊満なボディだったのが、えらく引き締まった身体にシェイプアップしました)、性犯罪者役を演じたジャッキー・アール・ヘンリーしかり、役者が特に注目です。この人しか、この役はできないというようなベストなキャスティング。ジャッキー・アール・ヘンリーは“キモっ!”と思わず叫びたくなるオーラがあふれ出していた。はまり役です。でも[ がんばれ!ベアーズ ](76)の時の比べると、ほんと老けましたね。
唯一気になったのは、ナレーション。前半のあのナレーションは、正直いらなかった。なかったほうが、もっと引き締まったと思うね。
サラやブラッドのような感情、思い当たる人意外といるはず。自分の照らし合わせながら見ても、面白いんじゃないでしょうか。