2007.09.01 Saturday 16:49
映画[ レッスン! LESSON! ]社交ダンサーが、落ちこぼれを更生する
映画[ レッスン! LESSON! ]を新宿シネマートで鑑賞。
理解のない学校、すさんだ街、教師から見放された落ちこぼれの生徒たち。
そしてそこに現れる熱血先生。いかにもという定番の図式だが、出来はそれほど悪くない。予定調和な展開であっても、ついつい引き込まれてしまう。
監督はミュージックビデオの世界で注目されてきた女流ディレクター、リズ・フリードランダー。これが長編映画デビュー作である。
理解のない学校、すさんだ街、教師から見放された落ちこぼれの生徒たち。
そしてそこに現れる熱血先生。いかにもという定番の図式だが、出来はそれほど悪くない。予定調和な展開であっても、ついつい引き込まれてしまう。
監督はミュージックビデオの世界で注目されてきた女流ディレクター、リズ・フリードランダー。これが長編映画デビュー作である。
この物語は、ニューヨークのスラム街になる小学校でダンスを教えていた、ピエール・デュレイン氏の実話が基になっている。デュレイン氏は世界一のダンス大会と言われるイギリスの“ブラックプールダンスフェスティバル”で4年連続優勝を果たし、現在では名門ジュリアード音楽院での講師を務めている他、社交ダンス教室を数多く経営し、教師としても活動している。
社交ダンスの講師、ピエール・デュレイン(アントニオ・バンデラス)は、路地裏に停められていた車を破壊し、逃げ去る高校生・ロック(ロブ・ブラウン)に遭遇する。車の持ち主は、その少年の高校の校長だった。翌日、ピエールは車を壊された校長を訪ね「社交ダンスで生徒を更正したい」と申し出る。校長はしぶしぶ承諾。はじめは「社交ダンスなんてヘタレのダンスだ」と言っていた生徒たちも、レッスンが進むにつれ、社交ダンスの魅力に取り付かれていく…。(パンフレットより)
●
熱血ダンス教師、ピエールを演じた主演のアントニオ・バンデラスがまずよかったですね。彼の持ち味はワイルドさだけだと思っていたが、それだけではない。本作では紳士的な部分が嫌味なく、彼のチャーミングさとなって表れていた。
落ちこぼれたちは、そんなジェントルなピエール先生を、“古臭い”だの、“かっこ悪い”だのと馬鹿にして、彼のダンスレッスンには見向きもしなかった。しかし、野性味あふれる荒々しいタンゴを踊ったとたん、生徒たちは一挙に釘づけになる。いざという時にはバンデラスの持ち味であるワイルドさがひかり輝くようになっているのも、実にいい。
またピエールが「社交ダンスで生徒を更生したい」という申し出を起こすまでのプロセスや、高校の職員室で女性が出入りするたびにドアを開けに立つ、馬鹿みたいな彼の行動など、ピエールの生き方(紳士道)を物語る詳細なプロットも、目をひく。この地味なシーンの積み重ねが、熱血教師を形づくり、彼の放つ言葉に重みを持たせている。
子供たちの心を動かし、何十年と同じことに取り組んでいるティーチャーというのは、そこから一つの哲学を見出していることが多い。弱小のバスケチームを強豪チームに育てあげたコーチ・カーター([ コーチ・カーター ](05))にも、それは見られた。
本作のピエールももちろんあてはまる。「男性は提案するのみ。それを受け入れるかどうかは、女性次第。決して男性の下に女性を置くものではない」。自分を信じパートナーを信頼し、お互い敬意を払うのが、上手く踊る秘訣だというのだ。“やさしく、扱う”など男性目線で語られがちなダンスを、女性の立場からもアドバイスする。若者にはダンスを通じて身体で学ばせ、PTAなどの大人には、言葉で礼節を重んじた社交ダンスの魅力を説く。
ピエールは言う。
「礼節を重んじ自分の尊厳を守り、相手に敬意を払える子は、悪い道には走らないと」。
今までいろいろと語ってきたが、何よりも見どころは、単なるダンスとは違う、社交ダンスとHIPHOPを融合したダンスシーンだ。ミュージックビデオ出身のリズ・フリードランダー監督は、2つのダンスに音楽を交えて、クライマックスのエンディングを見事に盛り上げる。お約束の展開だとわかっていても、ついつい。音楽をうまく活かせば、ダンスは映画ととても相性がいい。改めて気付かされた。楽しめる映画です。
■映画[ レッスン! ]の公式サイト
社交ダンスの講師、ピエール・デュレイン(アントニオ・バンデラス)は、路地裏に停められていた車を破壊し、逃げ去る高校生・ロック(ロブ・ブラウン)に遭遇する。車の持ち主は、その少年の高校の校長だった。翌日、ピエールは車を壊された校長を訪ね「社交ダンスで生徒を更正したい」と申し出る。校長はしぶしぶ承諾。はじめは「社交ダンスなんてヘタレのダンスだ」と言っていた生徒たちも、レッスンが進むにつれ、社交ダンスの魅力に取り付かれていく…。(パンフレットより)
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熱血ダンス教師、ピエールを演じた主演のアントニオ・バンデラスがまずよかったですね。彼の持ち味はワイルドさだけだと思っていたが、それだけではない。本作では紳士的な部分が嫌味なく、彼のチャーミングさとなって表れていた。
落ちこぼれたちは、そんなジェントルなピエール先生を、“古臭い”だの、“かっこ悪い”だのと馬鹿にして、彼のダンスレッスンには見向きもしなかった。しかし、野性味あふれる荒々しいタンゴを踊ったとたん、生徒たちは一挙に釘づけになる。いざという時にはバンデラスの持ち味であるワイルドさがひかり輝くようになっているのも、実にいい。
またピエールが「社交ダンスで生徒を更生したい」という申し出を起こすまでのプロセスや、高校の職員室で女性が出入りするたびにドアを開けに立つ、馬鹿みたいな彼の行動など、ピエールの生き方(紳士道)を物語る詳細なプロットも、目をひく。この地味なシーンの積み重ねが、熱血教師を形づくり、彼の放つ言葉に重みを持たせている。
子供たちの心を動かし、何十年と同じことに取り組んでいるティーチャーというのは、そこから一つの哲学を見出していることが多い。弱小のバスケチームを強豪チームに育てあげたコーチ・カーター([ コーチ・カーター ](05))にも、それは見られた。
本作のピエールももちろんあてはまる。「男性は提案するのみ。それを受け入れるかどうかは、女性次第。決して男性の下に女性を置くものではない」。自分を信じパートナーを信頼し、お互い敬意を払うのが、上手く踊る秘訣だというのだ。“やさしく、扱う”など男性目線で語られがちなダンスを、女性の立場からもアドバイスする。若者にはダンスを通じて身体で学ばせ、PTAなどの大人には、言葉で礼節を重んじた社交ダンスの魅力を説く。
ピエールは言う。
「礼節を重んじ自分の尊厳を守り、相手に敬意を払える子は、悪い道には走らないと」。
今までいろいろと語ってきたが、何よりも見どころは、単なるダンスとは違う、社交ダンスとHIPHOPを融合したダンスシーンだ。ミュージックビデオ出身のリズ・フリードランダー監督は、2つのダンスに音楽を交えて、クライマックスのエンディングを見事に盛り上げる。お約束の展開だとわかっていても、ついつい。音楽をうまく活かせば、ダンスは映画ととても相性がいい。改めて気付かされた。楽しめる映画です。
■映画[ レッスン! ]の公式サイト
