映画[ 大日本人 ]孤高の芸人・松ちゃん2 | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 大日本人 ]孤高の芸人・松ちゃん2
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    映画[ 大日本人 ]を渋谷Q-AXで鑑賞。

    公開前に、カンヌ国際映画祭に招待され、一気に注目が高まった本作[ 大日本人 ]。たしか内容も、ほとんどシークレットで上映へと。動員数や興行収入も、ハンパない状況にもかかわらず、作品についてはあまりいい評判をきかない。

    松ちゃんの『VISUALBUM』や『ごっつええ感じ』でのコントと同様に、ギリギリの笑いを追求した進化版だと思えば、納得できる作品だと思う。テレビでの松ちゃんの勢いや、これまでの(よくある)コメディ映画を念頭において観すると、ずれてしまう。




    舞台は現代の日本。主人公の大佐藤(松本人志)は、どこか近寄りがたい風貌のロン毛男で、人の目を避けるようにひっそりと暮らしていた。

    彼は6代目大日本人として、防衛庁から不定期に依頼される、とある仕事の報酬で成り立っている。しかし、大日本人の栄華を誇った先祖たちとは違い、6代目を迎えた大日本人に対する世間の目は厳しく、非難、無関心が続き活躍の場を少なくなっていく始末。
    そんなある日、いつものように突然、防衛庁からの連絡で命を受けた大佐藤は、ある儀式を行うために、変電所に向かう。そこから大佐藤の運命は大きく動き出す。



    本作は、インタビュアーとカメラが大佐藤(ヒーロー)の日常生活を追うというドキュメンタリ―タッチで展開していく。ヒーロー物では、タブーである普段の生活を描こうという試み。嘘の世界ではあるが、その嘘をリアルにみせるためのひと工夫が疑似ドキュメンタリーという手法だったのだ。

    これを観て思ったのは、松ちゃんの「笑い」を楽しむには、イマジネーションが必要だということだ。大佐藤の生活(シチュエーション)を観ても、ふつうなら「この年になって一人暮らしとは何とも哀しい生活だな」ぐらいの感想しか持たないだろう。
    しかしこのおっさんが、実は「地球を守る、ヒーロー大日本人!」だから、「ヒーローのくせに、なんでダイソンなんて掃除機使ってんねん?」というツッコミ(可笑しさ)が出てくるのだ。本作では、漫才のボケとツッコミに反射的な反応ではなく、想像力を使って楽しんでくれ。観る側も「笑う」には、それなりのリテラシーが必要な時代なのかも。松ちゃんのコント(「笑い」)が斬新すぎて笑えないと言われる理由はこんなところにもあるのかもしれない。

    本作は、ほとんどがこのような笑い(コント風)で成り立っていたように思う。その中でも(たぶん)唯一、漫才っぽさのあるのが大佐藤の女性マネジャー・小堀(UA)と大佐藤とのやりとりでしょう。迷い苦しむ大佐藤を、追い詰めるサディスト小堀が、次第に浜ちゃんに見えてくる。この関係だけみれば、「大日本人」版ダウンタウンといったところだろうか。
    UAは、最高ですね。決して僕が、昔UAに似ていたからではありません。
    小堀が、メイクばっちりで女性っぽさを全面に出している売れっ子キャバ嬢みたいだと反感を持ってしまうが、UAだからこそ愛想なくても、キョーレツな毒舌も許せてしまう。あの伝説の番組『4時ですよ〜だ』の時代に、ダウンタウンのおっかけをしていたUA。そのくらい、ダウンタウンが好きだったUAだからこそ・・・。とにかく素敵な役どころです。

    また、松ちゃんの「笑い(コント)」の特徴にはもうひとつあって、それは可笑しさだけでなく「哀しみ」も同時に描かれていることだ。だから、劇場では大爆笑にならず、家路で思い出し笑いなんてことがしばしばある。

    主人公に家族がなかったり、あったとしても家族同士がいがみ合っていたり。共同体を破壊することで、笑いを生み出そうとするのである意味当然のことかもしれないが・・・。松ちゃんは、自身の発想を自虐的と評するように、主人公はつねに弱い立場、情けない立場にいて、孤独である。今回も松本演じる大佐藤は、ヒーローでありながら嫁はんに逃げられ(別居中)、ひとり暮らし。よく考えると、松ちゃん本人も所帯を持っておらず、一人ぐらしと主人公の立場に近しい。

    このように松ちゃんが描く「笑い」には、まさに孤高の芸人の「人生観」たるものが色濃く出ています。そんなのことを感じながら観ると、「笑い」の裏に隠された作り手の心情が見えてきて、違った面白さが体感できるかもです。松ちゃんですから、一筋縄ではいかんわけです。
    | - | 22:56 | comments(0) | trackbacks(13) |
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