[ パフューム ある人殺しの物語 ]孤独は、禁断の香水で解消されるのか | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< [ 16[jyu-roku] ]16歳の少女は何を思い、何を感じる | main | [ 明日、君がいない ]絶望の淵から生まれたデビュー作 >>
[ パフューム ある人殺しの物語 ]孤独は、禁断の香水で解消されるのか
0
    [ パフューム ある人殺しの物語 ]を吉祥寺で鑑賞。

    トム・ティクヴァ監督の最新作。本作のような突き抜けた特異キャラを主人公に、エッジのきかせたエンターテイメント作品は、この監督のためにあるようなもの。とにかくふれ幅がすごい。それゆえ好みが分かれる。もちろんボクは好きです・・・。

    the story a murderer 香水
    18世紀、フランス。類まれなる才能を持つひとりの孤児がいた。彼の名は、ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。何キロも先の匂いをかぎ分ける驚異の嗅覚を持っていたグルヌイユは、やがてパリの調香師ジュセッペ・バルディーニ(ダスティン・ホフマン)に弟子入りして香水の作り方を学ぶと、さらに高度な技術を求めて香水の街グラースへと向かう。グルヌイユは、天使の香りの如き究極の香水を創りたいと願った。それはパリの街角で出逢い、誤って死に至らしめた赤毛の少女の香り。彼はグラースで、赤毛の美少女ローラが放つ運命の香りと再会する。ついに、命あるものの匂いを取り出す技術を我が物にしたグルヌイユは、禁断の香水創りに着手するのだった。(パンフレットより)

    18世紀のパリの空気を見事に醸し出している。本作は、特に映像では伝えにくい匂い(香り)を視覚化することに成功しているのではないだろうか。オープニングでは、牢獄の暗闇にいる主人公のジャン=バティスト・グルヌイユの動く鼻がクローズアップになり、劇中では魚、うじ虫、花や樹木そして料理など、悪臭から芳香までさまざま匂いをイメージするモノを撮ってちょっとしたハブロフ状態で嗅覚を意識させ、観客に香りを印象づけている。時には少女の髪、汗、女性の肌など官能的な刷り込みも。

    また匂いだけでなく、映像もなかなかのもの。トム・ティクヴァ監督の今までの作品[ マリアの受難 ](93)や[ ラン・ローラ・ラン ](98)に比べると、本作は見違えるほどの洗練されている。街の広場に集まった全ての人々が愛を交わすシーンも、原作ではもっとエロっぽいらしいが見た目よりも、内面の感情が表れたような映像で、醜い体型もどこか愛らしく見えてしまう。

    しかし、主人公のジャン=バティスト・グルヌイユは、本当に哀しい男である。彼には孤独が絶えず寄り添っていて、出会う人出会う人を、不幸にしていく。母に捨てられ、生まれてこのかた愛などで癒されたことのなかった人生。この痛ましい境遇のせいか、禁断の香りを作るための彼の行動は、非人道的な行為にもかかわらず、観ていて肯定してあげたくなる。

    そして、何よりも彼が求めれば求めるほどそれらは彼の手から、まるで砂のようにこぼれ落ちて手に入らない現実だけがつきつけられる。ちょっとした厄年状態だ。それは赤毛の少女の究極の香りに出会ったのに、彼女を誤って殺してしまったという不運にはじまり、究極の香りを求めつつも、実は自らの体臭(匂い)がないという自己否定のような構造と。そして孤独を憎み、愛に飢えていたからこそできた究極の香水は、望み通りに人々がお互いつながりを求め愛し合ったにもかかわらず、逆にその光景を彼が目の当たりにしたせいで、余計に自らの孤独感を強めてしまうことに。皮肉で、つらい話である。

    いかにグルヌイユに乗り込めるか。これが本作を楽しむ鍵でしょう。そう考えると、女子は今ひとつ楽しめないかも。そんな時には、映像美をぜひご堪能あれ。

    ■映画[ パフューム ある人殺しの物語 ]の公式サイト
    | 映画レビュー | 00:55 | comments(0) | trackbacks(26) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/652783
    トラックバック
    映画評:パフューム ある人殺しの物語
    18世紀のパリは、悪臭そのもののような都市だった。 下水は整備されておらず、汚物と汚水は路上に打ちすてられ、その汚物を踏んでしまわないためにハイヒールが必需だった。 ジョン=バティスト・グルヌイユが生まれたのは、そんな中でも悪臭のきつい、魚市場だった
    | 映画と写真のブログ | 2009/03/11 4:22 PM |
    パフューム ある人殺しの物語
    最初に想像してたのとちょっと違ったなぁって感じです。パフューム スタンダード・エ...
    | SUPER BLOG.JP | 2008/11/07 9:55 AM |
    パフューム ある人殺しの物語
    匂いフェチにはたまらない???最高級の香水を作るのに普通ココまでするぅ?                 評価:★6点(満点10点) 2006年 147min 監督:トム・ティクヴァ 出演:ベン・ウィショー ダス
    | Aのムビりまっ!!!(映画って最高☆) | 2008/03/29 9:09 PM |
    パフューム ある人殺しの物語
     『それは、昨日まで人だったもの。 究極の香りが誘う未曾有の衝撃に、世界はひれ伏す。』  コチラの「パフューム ある人殺しの物語」は、パトリック・ジュースキントの世界的ベストセラー小説の映画化で、3/3公開になったPG-12指定のサスペンス映画なんですが、
    | ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2007/10/10 11:12 PM |
    映画DVD「パヒューム(Perfume)」
    さて今日のお題は映画DVDで「パフューム−ある人殺しの物語−」である。ん〜、これ「PG−12」指定になっているようなのだが、ちと甘い?ような気がしないでもない(苦笑)。過激な性描写や惨殺シーンはないのだけれども、どちらかと言えば「R−15」あたりでも
    | 時評親爺 | 2007/09/24 6:34 PM |
    パフューム ある人殺しの物語
    満 足 度:★★★★★★        (★×10=満点)  監  督:トム・ティクヴァ キャスト:ベン・ウィショー       ダスティン・ホフマン       アラン・リックマン       レイチェル・ハード=ウッド       アンドレス・
    | ★試写会中毒★ | 2007/09/04 12:55 AM |
    #55.パフューム ある人殺しの物語
    嗅覚の天才による殺人コレクション・・・。  
    | レザボアCATs | 2007/06/16 3:53 PM |
    パフューム ある人殺しの物語
    「パフューム ある人殺しの物語」 2007年 独/仏/米 ★★★☆☆ 18世紀のフランス。 人並みはずれた、嗅覚を持った孤児の男がいた。1738年 実の母親には、産み落とされた直後殺される寸でのところを助けられた のだが孤児を(母親は絞首刑)
    | とんとん亭 | 2007/06/16 5:20 AM |
    その香りは愛を喚起する?
    76「パフューム ある人殺しの物語」(ドイツ)  18世紀パリ。悪臭たちこめる魚市場で一人の子供が産み落とされる。名はジャン=パティスト・グルヌイユ。親の愛さえ知らぬ彼には類稀なる才能が与えられた。あらゆるものの匂いを嗅ぎ分ける驚異的な嗅覚だった。
    | CINECHANの映画感想 | 2007/06/16 1:30 AM |
    「パフューム ある人殺しの物語」
    わたくし、この作品を鑑賞中は色んな欲望に駆られました。 一風呂浴びたくなったり、自分の所有する収納し切れない香水ボトルの香りを楽しみながら整理整頓したくなったり、あるいは究極にも、相方の愛用枕の匂いを嗅ぐという動物的行動・・・。 不謹慎にも、ようや
    | 雑板屋 | 2007/06/15 8:14 PM |
    パフューム−ある人殺しの物語☆独り言
    体調的にやばめだった土曜日よりも、多少元気になった今朝夕方になれば、もうちょっと大丈夫だろうと・・・本日のチョイスは『パフューム−ある人殺しの物語』それは、あるひとりの天才調香師の一生を語った物語究極の香りを求め続け、必要だから・・・と殺人を続けつい
    | 黒猫のうたた寝 | 2007/06/15 7:10 PM |
    「パフューム ―ある人殺しの物語―」
    3月3日より公開される映画「パフューム ?ある人殺しの物語?」の試写。世界45カ国で1500万部を売り上げたパトリック・ジュースキント作「香水 ある人殺しの物語」の映画化作品。監督はトム・ティクヴァ。出演はベン・ウィショー、アラン・リックマン、レイチェル・ハ
    | やまたくの音吐朗々Diary | 2007/06/15 12:35 PM |
    パフューム ある人殺しの物語(ドイツ/フランス/スペイン)
    人殺し…物騒だなぁ。とビビリながらも「観てよかった」という感想が多いので観ることにしたよ。 ということで「パフューム ある人殺しの物語」 ( → 公式HP ) 出演:フリオ・フェルナンデス 、アンディ・グロッシュ 、サミュエル・ハディダ 、マヌエル
    | 映画でココロの筋トレ | 2007/06/15 12:07 PM |
    映画「パフューム ある人殺しの物語」
    原題:Perfume -The story of a murderer-  ※いわゆるひとつのネタバレ 赤毛の女性は芳醇にして妖艶、天国へといざなう至高の香りを放つ・・?「ラン・ローラ・ラン」は好きな映画だが、これは感動も共感も教訓も得られなかった 冒頭いきなり衝撃的なシー
    | 茸茶の想い ∞ 〜祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり〜 | 2007/06/15 12:28 AM |
    パフューム
    東京国際シネシティフェスティバルにて…
    | シャーロットの涙 | 2007/06/14 4:10 PM |
    パフューム/ある人殺しの物語
    血の流れない「ハンニバル」  香りの生存証明。
    | Akira's VOICE | 2007/06/14 3:13 PM |
    パフューム ある人殺しの物語
    その香りに世界はひれ伏す。18世紀のフランス。まだ下水道などの整備もされていないパリの街の悪臭立ちこめる魚市場で一人の赤ん坊が産み落とされる。名前はジャン=バティスト・グルヌイユ。親の愛も、名前さえ知らない彼に与えられた唯一の特技、それはあらゆるもの
    | シネマログ  映画レビュー・クチコミ 映画レビュー | 2007/06/14 10:48 AM |
    パフューム ある人殺しの物語 /Perfume The Story of a Murderer
    わたしの嗅覚、犬並み{/kaminari/} ナンテいつも豪語?してたけど、犬の嗅覚は人間の1億倍!なんだってー。 猫は人間の10倍らしいから猫並みにしておこ☆ でも鼻が良くてもいいことなんてほとんどない{/kaminari/}(笑) 自分のつけた香水が、ほんのりいつまでも香っ
    | 我想一個人映画美的女人blog | 2007/06/14 9:22 AM |
    感想/パフューム -ある人殺しの物語-(試写)
    けっこうな触れ込みに期待を膨らませ鑑賞『パフューム -ある人殺しの物語-』3月3日公開。汚臭漂う18世紀パリで産み捨てられたグルヌイユ。彼は、遠く離れた匂いも嗅ぎ分け、どんな香りも記憶し、再現できる超人的嗅覚の持ち主だった。ある日彼は、かつてない香りを放つ
    | APRIL FOOLS | 2007/06/14 9:13 AM |
    映画 【パフューム ある人殺しの物語】
    映画館にて「パフューム ある人殺しの物語」 1500万部の売上げを記録したパトリック・ジュースキントのベストセラー小説を映画化。 1783年、パリの魚市場で産み落とされた赤ん坊ジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)は驚異的な嗅覚を持っていた。青
    | ミチの雑記帳 | 2007/06/14 9:10 AM |
    『パフューム 〜ある人殺しの物語〜』
    CAST:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン 他 STORY:18世紀フランス。魚市場で産み落とされ孤児になったジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)は幼い頃から鋭い嗅覚を持っていた。ある日ジャン=バティストは、美しい
    | Sweet* Days** | 2007/06/14 9:04 AM |
    『パフューム ある人殺しの物語』
    (原題:Das Parfum : Die Geschiche eines) ※カンの鋭い人は注意。※映画の核に触れる部分もあります。 鑑賞ご予定の方は、その後で読んでいただいた方がより楽しめるかも。 ----この映画、スゴい評判だよね。 確か「衝撃のラスト!」とか言われているんでしょ?
    | ラムの大通り | 2007/06/14 7:49 AM |
    パフューム -ある人殺しの物語-
    パフューム ある人殺しの物語?? 2/16 @よみうりホール(試写会) 監督/共同脚本/音楽:トム・ティクヴァ  原作:パトリック・ジュースキント「香水 ある人殺しの物語」(文春文庫刊) 出演:ベン・ウィショー、レイチェル・ハード=ウッド、アラン・リックマン
    | シュフのきまぐれシネマ | 2007/06/14 1:54 AM |
    パフューム 〜ある人殺しの物語〜
    タイトルと予告編から、上品で美しい映像と殺人鬼の対比が面白そうと期待して『パフューム 〜ある人殺しの物語〜』を観てきました。 ★★★ 私達には嗅げない(見えない)匂いの世界が彼の周りには存在している。 描けないはずの“香り”が映像を通して描かれていると
    | そーれりぽーと | 2007/06/14 1:34 AM |
    パフューム ある人殺しの物語
    処刑台で香水を振り撒くグルヌイユのシルエットがエスパー伊東に見えたのは私だけであろうか・・・
    | ネタバレ映画館 | 2007/06/14 1:04 AM |
    パフューム -ある人殺しの物語-
    「その香りに、世界はひれ伏す」 パトリック・ジェースキントの 幻のベストセラー小説の映画化。 主役はベン・ウィショー、 脇を固めるのはアラン・リックマン、 ダスティン・ホフマン。 舞台は18世紀のパリ。  悪臭いっぱいの魚市場で  産み捨てられたグルヌ
    | 花ごよみ | 2007/06/14 12:53 AM |