[ 東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン ]東京にもあったんだ | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< August 2016 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
ad
MOBILE
qrcode
<< 皐月シネマ(2007) | main | [ BRICK ブリック ]高校生が、探偵に >>
[ 東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン ]東京にもあったんだ
0
    [ 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン ]を歌舞伎町で鑑賞。

    しっかりと作りこまれたパンフレット。邦画のパンフレット(時代劇を除く)としては、[ 空中庭園 ]以来じゃなかろうか。装丁も美しい。
    とうきょうタワー tokyotower-movie オカンとボクとときどきオトン
    このパンフレットを読むと、キャストやスタッフそれぞれに、それぞれの[ 東京タワー ]が息づいているのがよくわかる。まあ、そのくらい人々に影響を与えた小説だったってことでしょうね。オダギリジョーが完成試写会で発した「この映画はリリー・フランキーさんの物語ではありません。ぼくの物語であり、みなさん一人一人の物語です」。という言葉も、惹句ではない。

    だらしのない、ええおっさんが、普通ならは気恥ずかしくできないであろうことを、人目を気にせずに、あけすけなほどに表現したオカンへの愛―――。リリーさんのこの素直な行動が、人々の忘れかけていた思いに火をつけたのではないだろうか。


    でも、映画はオカンとムスコの話ではなく、やっぱ家族の物語なんだよね。それがはっきりとわかる、オカンとボク、そしてオトンの造形。まず原作より映画のオダギリ演じるボクは、テレビやラジオで知るリリー・フランキーに近い感じがした。小学時代の田中祥平や冨浦智嗣はちょっと可愛すぎる気はしたが・・・。
    一人称による小説と、一人称であるが俯瞰的にもなれる映画との違いもあるだろうが、やはりリリーさんが指名した松尾スズキ氏の脚色が優れていたように思う。
    ボクのナレーションには、リリーさんのポエジーな表現が活かされており、そしてイラストレーターや構成作家、絵本作家にDJと、ボクのマルチな才能も、きちんとスクリーンで登場している。

    内田也哉子、樹木希林親子が演じたオカンも、いつでも息子の幸せを願い、それが「私」の幸せであるような。そんなシーンが数多く見られた。若かりし時の、年下のハイカラ男(寺島進)との出逢いも、やはり女性としてよりも、母性が勝ったという印象的シークエンスだ。内田也哉子がオカンの時は、息子と共に生きることで精一杯というか弱さがあったが、樹木希林にバトンタッチしてからは、デンとした存在で、母性”としての包容力が滲みでていた。ボクではなくオカンのもとに、平栗(勝地涼)、ホセ(辻修)、えのもと(荒川良々)や彼女のミズエ(松たか子)が集まってくる。それは磁力の中心のようで、そして独楽の芯のよう。オカンはみんなにとっての“東京タワー”のようなそのものだったのかも・・・。

    そして、そんなオカンとムスコを、これほどまでに強いつながりで結びつけたのは、オトン(小林薫)の存在だろう。たまにしかムスコやオカンの前に現れないオトンだが、映画では2人以上に存在感が現れていたのではあるまいか。オープニング、キャラを象徴したような荒唐無稽な登場で幕をあけるオトン。ボクはオカンが教えられなかったことはすべてオトンから教わり、それで飯を食えているようなもの。エロもそう、イラストもそう。オカンもオトンがいればこそ、“息子を私がちゃんと育てにゃいけん”というような使命感も出ただろうし。

    もともと最初の脚本は、四時間半ほどのロングバージョンで、削って削って今の2時間42分になったという。個人的には、オカンとおばちゃん連中とのハワイ旅行で馬鹿騒ぎするシーンは
    ぜひ観てみたかった。たぶん。最初のヤツには、あっただろうし。

    本作は、やはり原作とは少し趣が異なったように見える。先に述べた主役たちの人物造形からも感じるし、またボク、オカン、オトンが過ごした社会環境などの視覚的な印象からも感じる。貧乏な時代から、ゆとりのある生活へ。昔はムスコのため、今はオカンのために。オカンの入院費用など、生々しい言葉(金額)で語られる。生活が変わっても、お金にゆとりがないのだ。小説では夢物語のような親子愛も、映画では泥臭い現実もあわせて見せる。

    なにはともあれ丁寧に撮っていく松岡監督の特長を理解したうえで、脚色した脚本家松尾スズキのプロ魂と、松尾スズキのエネルギッシュな猥雑さを取り入れながら、今までとケタ違いなバジェット作品でも自分流(品のあって、無駄のない)を貫いた松岡監督の執念が実を結んだ。お互いのないもの、お互いの持ち味が活かされた、これにつきますね。

    ■映画[ 東京タワー  オカンとボクと、時々、オトン ]の公式サイト
    | 映画(日本) | 00:10 | comments(0) | trackbacks(16) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/649511
    トラックバック
    『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』'07・日
    あらすじ1960年代。3歳のボク(オダギリジョー)は真夜中に玄関の戸を蹴破って帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)にいきなり焼き鳥の串を食べさせられてしまう。オトンに手を焼いたオカン(樹木希林)はボクを筑豊の実家に連れ帰り妹の“ブーブおばさん”の小
    | 虎党 団塊ジュニア の 日常 グルメ 映画 ブログ | 2009/05/17 8:45 AM |
    東京タワー オカンとボクと、時々オトン
     『オカン、ありがとうね。』  コチラの「東京タワー オカンとボクと、時々オトン」は、リリー・フランキーさんの大ヒットベストセラー同名自伝小説をオダギリジョー&樹木希林共演で映画化した4/14公開のハートフルな感動作なのですが、試写会で観て来ちゃいまし
    | ☆彡映画鑑賞日記☆彡 | 2007/10/11 11:58 PM |
    映画の感想、評価を綴っていきます
    映画批評や評論で世界の映画を紹介していきます 個人的には、たくさん映画、邦画を見て応援していきたい。 ハリウッド映画やB級やカルトと呼ばれても、その良さが解る。 そんな思いで、映画の感想をつづって行きたいとおもいます
    | 映画情報ガイド | 2007/06/15 2:40 AM |
    『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
    感動度[:ハート:][:ハート:][:ハート:]           2007/04/14公開  (公式サイト) 笑い度[:ラッキー:][:ラッキー:] 泣き度[:悲しい:][:悲しい:][:悲しい:] 満足度[:星:][:星:][:星:][:星:][:星:]  【監督】松岡錠司 【脚本】 松尾スズキ 【
    | アンディの日記 シネマ版 | 2007/06/07 12:00 AM |
    リリーフランキーの東京タワーで号泣です…。
    久しぶりに映画館に映画を見に行ってきました。 リリーフランキーの「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」なんですけど、 あんなに泣いてしまったのは初めてです。 父を癌で亡くしているので、 映画と境遇がなんとなく似ている部分が多かったのが、 一
    | スーパーサイヤ人 | 2007/06/06 11:47 AM |
    『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
    原作:リリー・フランキー 脚本:松尾スズキ CAST:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、小林薫 他 STORY:1960年代、小倉に暮らすボクは、オカン(内田也哉子)と共に、オトン(小林薫)と暮らした家を出る。その後高校になったボクは、大分の美術学校に入学
    | Sweet* Days** | 2007/06/06 8:37 AM |
    オダギリジョー
    オダギリジョー プロフィール検索 動画検索 画像検索
    | いま人気のコトバとは? | 2007/06/05 7:55 PM |
    映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」公開記念パネル展
    映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』公開記念パネル展    映画『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』はもちろん公開初日に観て、たまたま東京タワーで「福山雅治+東京タワー」という企画が催されていたので行ってみたのですが、タワーの
    | 京の昼寝〜♪ | 2007/06/05 1:17 AM |
    『東京タワー オカンとボクと、時々、オトン』
    オカン、ありがとうね。   ■監督 松岡錠司 ■脚本 松尾スズキ■原作 リリー・フランキー(「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」扶桑社刊) ■キャスト オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、小林薫、松たか子 □オフィシャルサイト  『東京タ
    | 京の昼寝〜♪ | 2007/06/05 1:16 AM |
    「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」レビュー
    映画「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、松たか子、小林薫、他 *監督:松岡錠司 *原作:リリー・フランキー 感想・評価・批評 等、レビューを含む記事・
    | 映画レビュー トラックバックセンター | 2007/06/04 7:48 PM |
    東京タワー オカンとボクと,時々,オトン
    母と子,そして父の小さくて大きな物語。
    | Akira's VOICE | 2007/06/04 3:50 PM |
    東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
    ? 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン  4/12(木)@東劇 監督:松岡錠司 原作:リリー・フランキー 脚本:松尾スズキ 出演:オダギリジョー?、?樹木希林?、?内田也哉子?、?松たか子?、?小林薫  他 配給:松竹 上映前、そして上映後にも松岡
    | シュフのきまぐれシネマ | 2007/06/04 12:32 AM |
    東京タワー オカンとボクと、時々、オトン せつなくて(T_T)
    リリー・フランキーの国民的ベスト&ロングセラー小説「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」がついに映画化。多くの熱い思いが集まって、立ち上がったという。 5月9日(水)のレディスディーにMOVX京都にて鑑賞しました。何と200万部を超えたということで・・
    | 銅版画制作の日々 | 2007/06/03 10:06 PM |
    東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
    1960年代。 3歳のボクは、オカンに連れられ、オカンの実家に戻ってきた。 オカンは女手ひとつでボクを育てた。 15歳になって、ボクはこの町を出て行きたくなった。 なんとか東京の美大を卒業したが、仕事もせずに仕送りをしてもらい、更に借金を重ねていた。 そんな中
    | 象のロケット | 2007/06/03 9:33 PM |
    【2007-52】東京タワー オカンとボクと、時々、オトン
    いつも笑っていた みんなが好きになった ずっと一緒だと思っていた これは、 ありふれた物語 けれど、 すべての人の物語 ボクの一番大切な人 たった一人の家族 ボクのために、自分の人生を生きてくれた人 ボクのオカン オカン、ありがとう
    | ダディャーナザン!ナズェミデルンディス!! | 2007/06/03 4:59 PM |
    いつか必ず来る日
    114「東京タワー、オカンとボクと、時々、オトン」(日本)  1960年代九州小倉に住んでいた?ボク?。自由気ままな?オトン?に愛想をつかした?オカン?はボクを連れて実家へと帰る。  やがて成長したボクは大分の高校へ、そして東京の美大へと進学する。憧れの東
    | CINECHANの映画感想 | 2007/06/03 2:47 AM |