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[ 長州ファイブ ]命をかけて、日本の近代化を築いた5人の志士たち
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    [ 長州ファイブ ]をシネマート六本木で鑑賞。

    実在の人物を主人公に、感動の物語を作り上げる。
    たぶん日本ではこの監督はまさる人はいないだろう。
    その名は、五十嵐匠監督。
    戦場カメラマン・一ノ瀬泰造、孤高の画家・田中一村、
    26歳で夭折した天才童謡詩人、金子みすずなど今までにも
    さまざまな人物を描いてきた。
    CHOSYU Five
    そして本作では、近代日本の礎を築いた5人の若者を描き出す。
    後に初代内閣総理大臣になった伊藤博文(三浦アキフミ)に、日本工学の父となった山尾庸三(松田龍平)、そして大阪造幣局長となった遠藤謹助(前田倫良)や、初代外務大臣となった井上馨(北村有起哉)に、鉄道の父と呼ばれた井上勝(山下徹大)の長州藩5人の志士たち。日本を変えるために命を懸けて海を渡った彼らを、イギリス人は敬意をこめて「長州ファイブ」と呼んだ。

    本作は、「夢なんてねえーよ」「未来なんてねーよ」と毒づくきょうびのニートなヤングマンに、ぜひ観てほしい作品だ。
    しかし哀しいかな。観客は、松田龍平目当ての女子やご年配のご夫婦に、そしてちらほらカップルと、まるでアイドルによる野球の始球式のようにめがけた対象には届かない。

    そんな思いと反するように作品は、5人の熱き思いがひしひしと伝わり、心揺さぶられる思いがするほどの感動ストーリーになっている。なんといっても当時20代の若者だった5人は、決して遣唐使の阿倍仲麻呂のような日本から派遣された使節団ではなく、先進技術習得の思いを胸に、見つかれば死罪という罪まで犯して、イギリスへ渡航した熱き魂を持った男たち。そんな情熱ある若者を監督は、印象に残る画(カット)で、きっちりと観客の脳裏に焼き付けていく。

    例えば英国への渡航前、日本最後の夜では「我々は真の攘夷のため、死をかけて異国へ行こうとせちょる。その覚悟とせて、侍、捨てるべきじゃ」という山尾の激しい言葉とともに、泣きながらも自らの象徴である髷をばっさりと切り落とす5人の姿に。船上では、重労働と大嵐の洗礼に見舞われながらも、航海の末今までに見たこともない先進の国、イギリスを、帆柱から羨望のまなざしで眺める5人の表情。そして渡航後は、逗留先の部屋の前に、並べて置いた5人の泥靴のカットなど。
    これらの画は、まさしく幾多の過酷な状況を乗り超えた彼らの信念や情熱を表し、
    僕はラストまでテンションが下がらず、釘付けに。
    しかし、それだけでは本作の良さをまだ表現しきれていない気がする・・・・。

    監督は、約1ヶ月の海外ロケをおこないロンドンでは本物の蒸気機関車を借り切って鉄道シーンを撮影し、ルーマニアでは19世紀のマイナス20度の寒波を再現するなど画づくりのために本物の場所を使用。フィルムの現像も西洋人の顔色にあわせるためにイギリスで焼いて持ち帰るという徹底的なこだわりをみせた。

    渡航後、文字通り信念を貫き、5人は各々の道をすすむ。井上馨と伊藤博文は攘夷の藩論転換をため命がけの帰国をし、その翌年、謹助も身体を壊して無念の帰国の途につく。
    山尾は造船技術を学ぶため、ロンドンを離れて単身グラスコーヘ。そこで彼は手話で会話をしながら働く英国女性と恋におちていくのだ。骨太で硬派一辺倒な話が、最後には180度転換し、ドラマチックな幕切れとなる。

    日本工学の父は、盲教育・聾教育の普及にも貢献したというテロップで締めくくられる。
    なるほど、最後に言い得ていない理由がようやくわかった。実は、画のこだわりだけでなく、5人の志士たちに秘められた生き様にこそ、この映画の感動の真実があったのだ。命がけで渡航した事実を知り、その貫いた信念に驚かされ、日本工学の父という言葉から感じる武骨さと相反した盲教育の普及という優しさに胸をうつ。なんとも、奥行きのある良質な作品だった。

    ■映画[ 長州ファイブ ]の公式サイト
    | - | 22:34 | comments(0) | trackbacks(10) |
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