[ マリアの受難 ]トム・ティクヴァ監督の長編デビュー作 | アロハ坊主の日がな一日

CALENDAR
S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>
ARCHIVES
CATEGORIES
RECOMMEND
MOBILE
qrcode
<< [ ダウト ]フィルム・ノワール調の大どんでん返しムービー | main | [ 善き人のためのソナタ ]ラスト1分、涙腺決壊ス >>
[ マリアの受難 ]トム・ティクヴァ監督の長編デビュー作
0
    [ マリアの受難 ]をイメージフォーラムで鑑賞。

    鬼才トム・ティクヴァ監督の長編デビュー作。トム・ティ
    クヴァ監督といえば[ ラン・ローラ・ラン ](98)。アップ
    テンポな高揚感や疾走感のある[ ラン・ローラ・ラン ]と
    比べると、本作はトーンこそ異なるが、抑圧と罪悪に苦し
    みを感じながらも、最後には運命を破壊するほどの秘めた
    パワーにより、現実を塗りかえるという主人公たちの姿は
    近しいものがある。それは、たぶん最新作[ パフューム あ
    る人殺しの物語 ]にも共通するところだろう。
    マリアのじゅなん トムティクヴァ監督
    穴蔵のような風通しの悪い部屋で暮らすマリア(ニナ・ペト
    リ)。夫、そして寝たきりの実父と一緒だ。彼女が身を置
    く秘密めいた世界は外から完全に遮断されている。その暗
    闇に入っていけるのは昆虫だけだ。そしてこの昆虫もマリ
    アの奇妙な性癖の犠牲となる。ある朝、電話が鳴る。向か
    いの住人からだ。2人はすぐにお互いの本質を見抜き、恋に
    落ちた。そして、マリアはずっと封印していた自分の過去
    を取り戻そうとするが・・・。(パンフレットより)


    本作は[ マリアの受難 ]というタイトルからわかるように、
    聖母マリアをテーマに描かれた作品。それゆえ、だろう。
    ティクヴァ監督は冒頭にマリア(ニナ・ペトリ)と夫ハイン
    ツ(ペーター・フランケ)との情事を描く。

    外界と断絶されたこの“穴蔵”は、マリアにとって母の子
    宮のよう。大人だけれども大人ではないマリアの夢は“穴
    蔵での楽しみのない生活から解放”なのだ。

    向かいに住むディーター(ヨアヒム・クロル)との出逢いに
    より、ずっと封印していた過去自分が書きつづってきた手
    紙を読み始め、過去の呪縛から解放するべく行動する。
    彼女がつねに肌身離さずに持っている木の人形は、男性器
    の象徴。夢の世界か、はたまた現実か、その人形と彼女は
    一体になる。人形の力を借りて、内なる成長を遂げたマリ
    アは夫を殺すことに。

    彼女は最後に(自殺を考え)窓から飛び降りる。この(飛
    び降りる)という行為は、(母胎から生まれでる)出産とい
    う過程。“母胎から世に出ること=無の生活からの解放”
    と描いているのであろう。外界と全く接触のなかったマリ
    アが唯一外の世界とコンタクトできる場所だった窓からの
    このダイビングも外界の出口と読み取れるし。彼女のダイ
    ブを、それを見た隣人のディーターが受け止め、
    「THE END」。

    マリアは神聖でもなければ、処女でもない―――。
    デビュー作はその作家のすべてが集約されているといわれ
    るが、美しいものも、汚らわしいものも渾然一体として描
    き出し、映像と音楽の融合(本作では音楽を自ら担当)が、
    彼の独自の世界観を表現している。そして何よりも、本作
    での破壊的で、挑戦的なメッセージこそが、全作に共通す
    るトム・ティグヴァ監督の魅力なのだろう。

    ハエをコレクションするマリアや、彼女の身体から臓器の
    ような異物が吐き出されたりと、普通には観られない作品
    だが彼の表現へのこだわりが随所に感じられる一品ではあ
    る。[ パフューム ある人殺しの物語 ]を気に入った方には
    オススメです。

    ■映画[ マリアの受難 ]の公式サイト
    | 映画レビュー | 12:04 | comments(0) | trackbacks(8) |
    コメント
    コメントする









    この記事のトラックバックURL
    http://blog.alohabouz.jp/trackback/638078
    トラックバック
    「マリアの受難」トム・ティクヴァ監督のデビュー作
    「パフューム ある人殺しの物語」とコレ、共通する何かがある・・・。マニアックというか、変態ちっくというか・・・(とはいえ、スプラッ...
    | ポコアポコヤ 映画倉庫 | 2009/05/22 4:39 PM |
    マリアの受難(3/24公開)
     4/19、シアターイメージフォーラムにて鑑賞。4.0点。  本国ドイツでの製作は93年だというからすでに十数年前の作品だが、監督トム・ティクヴァの新作『パフューム』にあわせ、国内初公開された。原案から脚本、製作、音楽にまで名を連ねるトム・ティクヴァの長編映画
    | 第八芸術鑑賞日記 | 2007/05/24 11:13 PM |
    マリアの受難
    「パフューム ある人殺しの物語」の鬼才トム・ティクヴァ監督の幻の長編デビュー作「マリアの受難」がDVD化!穴蔵のような風通しの悪い部屋で夫と寝たきりの父と暮らすマリア。この暗闇から抜け出したいマリアの元に、ある日向かいの住人から電話が掛かってくる。二人
    | DVDジャンル別リアルタイム価格情報 | 2007/05/24 7:46 AM |
    マリアの受難
    「パフューム ある人殺しの物語」の鬼才トム・ティクヴァ監督の幻の長編デビュー作「マリアの受難」がDVD化!穴蔵のような風通しの悪い部屋で夫と寝たきりの父と暮らすマリア。この暗闇から抜け出したいマリアの元に、ある日向かいの住人から電話が掛かってくる。二人
    | DVDジャンル別リアルタイム価格情報 | 2007/05/23 11:41 AM |
    マリアの受難:受難したのはマリアなのか? シアターイメージフォーラム
    予告編できつそうな映画だと思いつつ気になったんで行ってきました。 タイトル:マリアの受難 監督:トム・ティクヴァ 出演:ニナ・ペトリ/ペーター・フランケ/ヨーゼフ・ビアビヒラー/ヨアヒム・クロル/カティヤ・シュトゥット 製作:1993年ドイツ 夫との愛のな
    | 気ままに映画日記☆ | 2007/05/05 12:46 AM |
    過去の呪縛からの解放
    88「マリアの受難」(ドイツ)  穴蔵のような風通しの悪い部屋で暮らすマリア。夫のハインツ、そして寝たきりの実父と一緒である。彼女が身を置く秘密めいた世界は外界から完全に遮断されていた。彼女は出す当てのない手紙をしたためては、家具の隙間に入れていた。
    | CINECHANの映画感想 | 2007/05/04 1:35 PM |
    『マリアの受難』
    トム・ティクヴァの長編処女作。ひと味違う作風ながらこれも好み。 寝たきりの父と夫の3人暮らしの鬱屈とした毎日を過ごすマリアの物語。フライヤーの写真から、マリアは若い女性なんだと思っていたのだけど、冒頭に登場したのは中年の主婦マリアだった。どんな受難
    | かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY | 2007/05/03 9:42 AM |
    サンサーフ アロハシャツスペシャルエディション
    サンサーフのアロハシャツ通販です。サンサーフのアロハシャツを紹介しています。サンサーフのアロハシャツをお探しの人はどうぞSUNSURF サンサーフ アロハシャツスペシャルエディション
    | サンサーフアロハシャツ | 2007/05/01 4:40 PM |