2007.04.16 Monday 00:30
[ アルゼンチンババア ]生命力が父娘の再生へと導く
[ アルゼンチンババア ]を渋谷Q−AXシネマで鑑賞。
世界30数カ国で翻訳されたよしもとばななの小説。
アーティスト奈良美智とのコラボレーションで、単行本の表紙や中面の挿絵に、映画ではオープニングとエンドクレジットで使用されている。監督は[ 鉄塔武蔵野線 ](97)、[ さざなみ ](02)を手がけた長尾直樹。
生と死をテーマにして父娘の絆を描いたこの映画はボク好みではあるのだが、いやあもったいない。

世界30数カ国で翻訳されたよしもとばななの小説。
アーティスト奈良美智とのコラボレーションで、単行本の表紙や中面の挿絵に、映画ではオープニングとエンドクレジットで使用されている。監督は[ 鉄塔武蔵野線 ](97)、[ さざなみ ](02)を手がけた長尾直樹。
生と死をテーマにして父娘の絆を描いたこの映画はボク好みではあるのだが、いやあもったいない。

両親と仲良く暮らしていた女子高生・みつこ(堀北真希)。だが母(手塚理美)が病死してしまい、父親・悟(役所広司)は母が死んだ日にそのまま失踪。それから半年後、父は町外れの草原にぽつんと立つ屋敷で発見された。そこは、変わり者と噂される“アルゼンチンババア”(鈴木京香)の屋敷だった。母の供養もせず、どうして父はそんなところに?! みつこは父親奪還のため、屋敷に向かうが…。
愛する対象を失い生への執着を失った悟を救ったのは、まぎれもないアルゼンチンババアの包容力であり、彼女の生命力(パッション)だ。街のはずれにポツンと建つ彼女の館には、そのエネルギーが脈々と宿っている。
彼女の手作りの蜂蜜に、彼女が踊るタンゴに、そして彼女独特の抱擁と、すべてがまさにそのものである。悟奪還のため館を訪れた悟の友達(きたろう、岸部一徳、菅原大吉、渡辺憲吉)がお土産にもらった蜂蜜により、それを食したみなの妻が夫に夜の営みを求めてきたというユーモラスな画にもその効能が垣間見られる。
しかしだ。やっぱりどうかんがえても本作ではババアのエネルギッシュさが、いまひとつ表れていないんだよな。そのために、ババアの存在や介在価値みたいなものが、際立ってこないから父娘の再生に、感動が少ないんだよな。
アルゼンチンババアの屋敷をグリーンのフィルターで、どこか異空間な雰囲気を感じさせる映像処理もわかるが、そんな洗練さよりももっと他にこだわるべきことがあったはずでは。どうも訴えなきゃならんことと、訴えなくてもいいことがアンバランスで伝えなきゃならんことが伝わらんのだ。エンディング近くの悟とババアが踊るタンゴも、もっと内から湧き出るぐらいのエネルギーが感じてもいいはずなのに、かなりしめっぽい。
なにせ50歳という想定なのだが、鈴木京香の衣裳や化粧もこれまた中途半端なんだ。鈴木京香の普段の役柄を少し小汚くしただけでさほどかわり映えしないし、年齢も感じない。30歳後半と年相応にも見えるし、逆に70歳といってもうなずける。メイクにももっとこだわるべきではなかった。命がけで悟との子を産もうとするババアの行動も、生命力よりも、どこか哀愁のほうが近しい感覚にとらわれる。いろんなシーンで製作側とのズレを感じる。
役所広司の親父役もよし、堀北真希も1年前の演技にくらべりゃ数段よろしって感じなのに。役者も揃っているし、題材もいいのに。もったない。
■映画アルゼンチンババアの公式サイト
愛する対象を失い生への執着を失った悟を救ったのは、まぎれもないアルゼンチンババアの包容力であり、彼女の生命力(パッション)だ。街のはずれにポツンと建つ彼女の館には、そのエネルギーが脈々と宿っている。
彼女の手作りの蜂蜜に、彼女が踊るタンゴに、そして彼女独特の抱擁と、すべてがまさにそのものである。悟奪還のため館を訪れた悟の友達(きたろう、岸部一徳、菅原大吉、渡辺憲吉)がお土産にもらった蜂蜜により、それを食したみなの妻が夫に夜の営みを求めてきたというユーモラスな画にもその効能が垣間見られる。
しかしだ。やっぱりどうかんがえても本作ではババアのエネルギッシュさが、いまひとつ表れていないんだよな。そのために、ババアの存在や介在価値みたいなものが、際立ってこないから父娘の再生に、感動が少ないんだよな。
アルゼンチンババアの屋敷をグリーンのフィルターで、どこか異空間な雰囲気を感じさせる映像処理もわかるが、そんな洗練さよりももっと他にこだわるべきことがあったはずでは。どうも訴えなきゃならんことと、訴えなくてもいいことがアンバランスで伝えなきゃならんことが伝わらんのだ。エンディング近くの悟とババアが踊るタンゴも、もっと内から湧き出るぐらいのエネルギーが感じてもいいはずなのに、かなりしめっぽい。
なにせ50歳という想定なのだが、鈴木京香の衣裳や化粧もこれまた中途半端なんだ。鈴木京香の普段の役柄を少し小汚くしただけでさほどかわり映えしないし、年齢も感じない。30歳後半と年相応にも見えるし、逆に70歳といってもうなずける。メイクにももっとこだわるべきではなかった。命がけで悟との子を産もうとするババアの行動も、生命力よりも、どこか哀愁のほうが近しい感覚にとらわれる。いろんなシーンで製作側とのズレを感じる。
役所広司の親父役もよし、堀北真希も1年前の演技にくらべりゃ数段よろしって感じなのに。役者も揃っているし、題材もいいのに。もったない。
■映画アルゼンチンババアの公式サイト
