2007.04.02 Monday
映画[ ナイト ミュージアム ]父性は、夜つくられる
大きな夢ばかりを追い求めて、何一つ成し遂げたことがないラリー・ベリー(ベン・スティラー)。彼が考えた発明品で今までに一番売れたのが、指を“パチン”とならして明かりをつける“スナッパー”という照明で、指をうまく鳴らせないということで800個しか売れなかった。
元妻のエリカ(キム・レイヴァー)からは愛想をつかされ、最愛の息子ニッキー(ジェイク・チェリー)はエリカの再婚相手にすっかりなつき、ラリーは相手にされなくなってきた。なんとか、父と子の絆を保ちたいラリーには、何よりも新たな職が必要だった。そこで、職業紹介所へ訪ね、とりえのない彼でも務まるであろう自然史博物館の警備員の仕事を紹介される。それは夜ひとりで、博物館を警備する楽勝の仕事だったはずが・・・・。
アメリカの自然史博物館に行ったことがなかったので、ちっとも知らなかったが、こんなにもバラエティに富んだ遺産が展示されているのは、びっくりだ。
ティラノサウルスの骨格標本に始まり、モアイの石像、血の気の多い中央アジアの遊牧民騎馬民族・フン族や最も現生人類の近いといわれているネアンデルタール人のろう人形、ローマ時代やアメリカ鉄道史のジオラマ、動物の剥製など・・・。
そして、なぜかアメリカ合衆国第26代大統領のセオドア(テディ)・ルーズベルトまでも飾られている。理由は「この博物館は、ルーズベルト大統領を記念して作られたのよ」とガイドのレベッカ(カーラ・グギーノ)が言っていた。ちなみにテディ・ベアの、「テディ」はこのルーズベルトから来ているとのこと。
そんな自然史博物館が夜になると、すべてのものが息を吹き返したように動き出してしまうのだ。
警備員のラリーは、動物や恐竜、過去の人類たちに襲われて、縛られ、追いかけられとさんざんな目に遭いながらも、ルーズベルトのグッドあどばいすや息子ニッキーの笑顔に支えられながら、投げ出そうとした仕事をなんとか続ける。いたずら好きのノドジロオマキザルのデクスターにはマニュアルを破らされ、頼るものがなくなった時は、歴史を一から勉強して、特徴や性格、弱点などを把握し、同じ過ちをおかさないようにして次々と相手をてなずけていく。
この物語は、博物館で起こるファンタジーという様相を呈しながらも、実は父性の復活も同時に描いている。ダメ親父が、ばらばらだった博物館の住人たちをまとめ、最後には漢(おとこ)ラリーへと変わっていくのだ。
ラリーの警備員への就職と同時に、今まで勤めていた年寄り警備員3人セシル(ディック・ヴァン・ダイク)、ガス(ミッキー・ルーニー)、レジナルド(ビル・コッブス)が退職する。この退職を機に、3人は皆の命を蘇らせていたアクメンラーの銘板を盗み出そうという陰謀を企てていた。その企てを阻止するため、ラリーは立ち上がり住人たちに檄を飛ばすのだ。
アメリカを代表するサカジャウィア(ミズオ・ペック)とルーズベルトの恋のように、いろんなジャンルの、いろんな生き物や人物が登場し、それぞれのキャラを活かし、組み合わせて一つのストーリーとして展開したのは、面白く興味深かった。VFXによる動物のリアリティはもちろん、ジオラマのキャラ動作も(小さい方の)スケール感を存分に出していて、よりコミカルさを引き立てていたと思う。
他にも、アメリカ人が好きそうなユーモラスな要素が随所にちりばめられていて、観客にいたアメリカ人は僕たちより早いテンポでそれらに反応していたし。それに僕たちもつられ、最後には場内大爆笑の渦に!いやあ、久しぶりに観た、こんなにウケた映画を。
異なる主義主張のため、博物館の住人同士が争っているシーンが「Africa」と書かれたエリアだったのがブラックすぎるなと思ったが、ラストには同じエリアで皆で一緒に仲良く歌い踊っていたというのは、ファミリー映画としては案外まともだった。
コメディはちょっと敬遠していたが「楽しけりゃいいじゃん」。そんな気分を満喫させてくれる良き映画でやんす。
■ナイトミュージアムの公式サイト
元妻のエリカ(キム・レイヴァー)からは愛想をつかされ、最愛の息子ニッキー(ジェイク・チェリー)はエリカの再婚相手にすっかりなつき、ラリーは相手にされなくなってきた。なんとか、父と子の絆を保ちたいラリーには、何よりも新たな職が必要だった。そこで、職業紹介所へ訪ね、とりえのない彼でも務まるであろう自然史博物館の警備員の仕事を紹介される。それは夜ひとりで、博物館を警備する楽勝の仕事だったはずが・・・・。
アメリカの自然史博物館に行ったことがなかったので、ちっとも知らなかったが、こんなにもバラエティに富んだ遺産が展示されているのは、びっくりだ。
ティラノサウルスの骨格標本に始まり、モアイの石像、血の気の多い中央アジアの遊牧民騎馬民族・フン族や最も現生人類の近いといわれているネアンデルタール人のろう人形、ローマ時代やアメリカ鉄道史のジオラマ、動物の剥製など・・・。
そして、なぜかアメリカ合衆国第26代大統領のセオドア(テディ)・ルーズベルトまでも飾られている。理由は「この博物館は、ルーズベルト大統領を記念して作られたのよ」とガイドのレベッカ(カーラ・グギーノ)が言っていた。ちなみにテディ・ベアの、「テディ」はこのルーズベルトから来ているとのこと。
そんな自然史博物館が夜になると、すべてのものが息を吹き返したように動き出してしまうのだ。
警備員のラリーは、動物や恐竜、過去の人類たちに襲われて、縛られ、追いかけられとさんざんな目に遭いながらも、ルーズベルトのグッドあどばいすや息子ニッキーの笑顔に支えられながら、投げ出そうとした仕事をなんとか続ける。いたずら好きのノドジロオマキザルのデクスターにはマニュアルを破らされ、頼るものがなくなった時は、歴史を一から勉強して、特徴や性格、弱点などを把握し、同じ過ちをおかさないようにして次々と相手をてなずけていく。
この物語は、博物館で起こるファンタジーという様相を呈しながらも、実は父性の復活も同時に描いている。ダメ親父が、ばらばらだった博物館の住人たちをまとめ、最後には漢(おとこ)ラリーへと変わっていくのだ。
ラリーの警備員への就職と同時に、今まで勤めていた年寄り警備員3人セシル(ディック・ヴァン・ダイク)、ガス(ミッキー・ルーニー)、レジナルド(ビル・コッブス)が退職する。この退職を機に、3人は皆の命を蘇らせていたアクメンラーの銘板を盗み出そうという陰謀を企てていた。その企てを阻止するため、ラリーは立ち上がり住人たちに檄を飛ばすのだ。
アメリカを代表するサカジャウィア(ミズオ・ペック)とルーズベルトの恋のように、いろんなジャンルの、いろんな生き物や人物が登場し、それぞれのキャラを活かし、組み合わせて一つのストーリーとして展開したのは、面白く興味深かった。VFXによる動物のリアリティはもちろん、ジオラマのキャラ動作も(小さい方の)スケール感を存分に出していて、よりコミカルさを引き立てていたと思う。
他にも、アメリカ人が好きそうなユーモラスな要素が随所にちりばめられていて、観客にいたアメリカ人は僕たちより早いテンポでそれらに反応していたし。それに僕たちもつられ、最後には場内大爆笑の渦に!いやあ、久しぶりに観た、こんなにウケた映画を。
異なる主義主張のため、博物館の住人同士が争っているシーンが「Africa」と書かれたエリアだったのがブラックすぎるなと思ったが、ラストには同じエリアで皆で一緒に仲良く歌い踊っていたというのは、ファミリー映画としては案外まともだった。
コメディはちょっと敬遠していたが「楽しけりゃいいじゃん」。そんな気分を満喫させてくれる良き映画でやんす。
■ナイトミュージアムの公式サイト