[ おばちゃんチップス ]おばちゃんに敵になし! | アロハ坊主の日がな一日

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[ おばちゃんチップス ]おばちゃんに敵になし!
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    [ おばちゃんチップス ]を渋谷で鑑賞。
    田中誠監督、最新作。前作のホラー映画[ 雨の町 ]とはまたうって変わって、本作はコメディ映画。

    上映まで時間があったのでパンフレットの監督田中誠氏のプロフィール、インタビューを読んでいた。監督の顔は、おばちゃんに負けず劣らず迫力がある。一見しただけだと、とてもかたぎの人には見えない。
    ―――な〜んて思っていたら、ちらっと前に目をやると「えっ!」。
    何が驚いたって、目の前に今、パンフレットで観た同じ顔があるじゃない。田中監督が観客としてきていたのだ。実物もやはり、パンフに負けず劣らず怖かった。

    dialogue in KANSAIBEN
    おばちゃんチップス公式サイト
    タイトルになっている「おばちゃんチップス」は、大阪のおばちゃんの一言が書かれたカードが封入されたポテトチップスとして関西では実際に商品として売り出されている。これは、大阪経済大学とホリプロが手を組み作られた授業で、生徒から提出された企画だったのだ。

    本作は、その「おばちゃんチップス」の商品化とともに作られたいわばセールスプロモーション的な位置づけの映画。――とはいっても、作品の内容はすべて監督に一任されていて、「おばちゃんチップス」が売り出される話も最後の最後にしか出てこない。そういうことで、押し付けがましいおばちゃんは出てくるが、話はちっとも押し付けがましくない。

    本作の監督を任された田中誠は生粋の江戸っ子。関西を知らない輩に、「関西のおばちゃんを描け」なんて、そんな無茶苦茶なあ。とは観る前に思ったが、主人公が東京人・船越英一郎と知ってこれはありだなあと思い返した。異邦人的視点で描けば、多くの人には受け入れやすい。そういう意味では、この映画は関西人というより関西人以外向けの作品である。

    おでんを買わずに「汁だけタダでちょーだい?」だの、みず知らずの赤の他人に「自転車貸してえな?」といって乗っていくだの、本作に出てくるなさそうでありそうな強烈なエピソードは、田中監督の綿密なリサーチのもと、実際に遭遇した話だけを使ったらしい。
    まあ、僕の友達のおかんも、百貨店で「現品限りって書いてあるやん、これまけてーな!」と言った実話があるぐらい。もしかしたら、関西人にとってはキョーレツさより、「いる!いる!」という共感のほうが強いかもしれない。

    おばちゃんとは生命力、たくましさのかたまりである。本作の中心人物である樋元千春(京唄子)やおばちゃん予備軍の麻衣子(misono)もまさしく、そのように描かれている。主人公の家弓修平(船越英一郎)がごやっかいになる大家の樋元千春は一人で駄菓子屋を営みながらも、マンション建築反対決起集会の総長として気炎をあげ、修平が淡い恋心をもつ向いのアパートに住むホステスの麻衣子は、若さを謳歌しているように見えて子供を実家に預けて生活のため身にひとつで働いている。
    このたくましさは、本作では男性の象徴である「権威」や「暴力」の対比としても色濃く描き出されている。男たちは権威や腕力にたよって、女性や弱者をねじ伏せようとするが、それには屈せずに、新たな道をみつけ、時にはそれをバネにして飛躍する。

    またおばちゃんは、それだけではない。ずうずうしてくお節介。そして人情味が厚く、暖かくもある。この長所であり、短所である両極端な資質を持っているから、おばちゃんに対してみなは魅力的にも感じるのだろう。面倒見のよい樋元千春に多額の借金があったというのも、一般的な見方である「ろくでもないヤツ」とは決して写らない。両極端な資質の魅力。そんな欠点があったほうが、関西人らしい。亡くなって多額の借金が判明したナニワの芸人、藤山寛美の姿を監督は“おばちゃん”にダブらせたのかもしれない。

    しかしおばちゃんたちのたくましさはどこからくるのか。それは、たぶん自分に正直に生きているからではないだろうか。ちっぽけなプライドも、見栄も、へつらうこともない。だからこそ、ずうずうしく振舞えるし、気になることには口も挟む。そして何よりたくましく生きられるのだ。脳梗塞になって、ボケてもなお元気に生きる樋元千春の姿。やっぱりこれにまさるたくましさはない。

    こんなおばちゃんの魅力が、“チップス”という商品となって世の中に売り出された。実際どのくらいの売り上げをあげたかは不明である。ちなみに劇場では、「おばちゃんチップス」は販売されていなかった。売っていたらたぶん買っていただろう。このあたりが、スマートな東京っぽさ、関西人の僕は感じてしまう。もっとおばちゃん見習って、商売はしたたかにいかんと。
    | - | 22:59 | comments(2) | trackbacks(6) |
    コメント
    にゃんこさんへ
    コメント&TBありがとうございます。

    うらやましい。おばちゃんチップス買ったんですね。どんな味かぜひ食してみたいですね。ぼくも一度買ってみます。
    | アロハ坊主 | 2007/03/08 12:08 AM |
    こんにちは
    TBありがとうございました。
    おばちゃんチップス ネットショップで購入しました。
    友人にあげたら、結構受けちゃってましたよ〜♪
    ちなみに、それにはカードは入ってませんでした〜
    | にゃんこ | 2007/03/07 11:09 AM |
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