[ 地下鉄(メトロ)に乗って ]メトロでレトロを体験する | アロハ坊主の日がな一日

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[ 地下鉄(メトロ)に乗って ]メトロでレトロを体験する
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    [ 地下鉄(メトロ)に乗って ]@歌舞伎町で鑑賞
    浅田次郎の同名小説の映画化。

    篠原哲雄は、間違いなく職人気質な監督だ。切ない映画
    を撮らせたら、日本でも5本の指に入るかもしれない。
    それなのに僕には物足りない作品でしかなかった。

    編集は韓国一オファーの多いエディター、キム・ソンミ
    ン女史が担当。最近では[ グエムル 漢江の怪物 ]を
    手がけている。これもまた、彼女しかできない編集という
    ものは感じられなかった。
    メトロにのって
    長谷部真次(堤真一)が、地下鉄に乗って降り立ったところ
    は昭和39年の東京だった。真次は、タイムスリップにより
    絶縁状態の父親・小沼佐吉(大沢たかお)の真実の姿を知り、
    恋人みち子(岡本綾)との間に秘められた運命とも向き合う
    ことになる。

    最初に訪れた過去は、兄が死ぬ間際だった。そこで真次は
    兄が亡くならないようにある行動に出るが、世界は何も変
    わらなかった。
    現実の世界に戻った彼は、自分におきた世にも不思議な出
    来事を職場の仲間に話す。彼には妻子がおり、社内には軽
    部みち子という恋人もいる。

    平成という今の時代は、(つねにスーツ姿の)真次やみち子
    の佇まいのように静寂さで描かれている。一方、タイムス
    リップする昭和の時代は活気がありエネルギッシュである。

    昭和の象徴は、オトン・小沼佐吉。激動の時代を駆け抜け
    た、仕事一筋の男として描かれている。家族には、いつも
    強圧的な態度をとるがゆえに、最初幸福な家庭を夢見てい
    ただろうが、結果として息子や妻たちの心が離れていくこ
    とになる。

    小説では、佐吉が周囲の者に対して、なぜこれほどまでに
    強圧的な態度をとるようになったのかということがきちん
    と描かれていて、時代に翻弄されたオトコの寂しさに涙す
    る人も多かったのではないかと思う。

    しかし本作は真次から見た佐吉像でしかない。もち、わが
    子でない兄を実子同様に育てる姿や人のためにわが身を投
    げ出そうとした兵役時代など人情味あふれる一面が描かれ
    ているものの、佐吉の奥底にある苦しみまでは掬い取れて
    いない。長谷部真次が若き日のオトンに叫ぶ「あなたの子ど
    もで幸せでした」が、いまひとつハートに刺さらないのはそ
    のためだろう。

    観客が映画に付き合うのは、せいぜい2時間。
    これは間違いのない法則だろう。しかし、時間を優先せんが
    ためにストーリーとして肝となる部分を削除してしまうのは
    いかがなものか。

    本作で一番重要な仕掛けとなっている地下鉄のタイムスリッ
    プも、違和感がある。最初は、過去にたどり着くまでの経緯
    を丁寧に描き、その後のタイプスリップは省略法で展開して
    いく。それはいいとしても、あの古臭い近未来風のタイプス
    リップは、あきらかに作品を安っぽくさせていると思われる。

    篠原監督は前作の[ 欲望 ]では、ラストでムラジュン演じ
    る正巳が思いもよらぬ展開で突然の死を選び、本作でも切な
    く観客の裏をかくようなラストが用意している。監督は、最
    後に観客をあっと思わせるのがどうも好きらしい。それはと
    ても切ない結末だった。

    しかし僕にとってはこの切ない結末も、前戯のないHのよう
    で今ひとつ盛り上がりに欠けてしまった。それもこれも、肝
    をはずしたためではないか。脚本を書かない監督としての一
    面が露呈したような作品だ。
    | 映画レビュー | 21:36 | comments(2) | trackbacks(27) |
    コメント
    たろさんへ
    コメントありがとうございます。

    雰囲気はあるんですが、バックボーンが読み取れないと前に進めないような人物が多かったので、どうしてもひっかかりますね。
    ちと残念です。
    | アロハ坊主 | 2006/11/25 12:16 AM |
    こんばんは。
    弊ブログへのトラックバック、ありがとうございます。
    こちらからも、コメントとトラックバックのお返しを失礼致します。

    この作品は、エピソードの変更は一部ありますが大まかな物語展開は原作である浅田次郎氏の長篇小説と同様であり、僕は、時間を行き来する手段 等、細部の疑問や終盤の物語展開があまり好きではないのですが、特に大沢たかおさんと常盤貴子さんの表現力溢れる演技が素晴らしいと感じた映画でありました。

    また遊びに来させて頂きます。
    ではまた。
    | たろ | 2006/11/23 12:06 AM |
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