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[ CRYING FIST クライング・フィスト ]オンナの笑顔に、オトコの未来がある
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    [ CRYING FIST クライング・フィスト ]@渋谷で鑑賞

    いやあ、久々に泣きどおしだった。
    苦しみ耐えて、守るべきものがなくなってでも、その先を
    目指そうとするオトコの姿。いつもながらぐっとくる。
    監督・脚本は、リュ・スンワン。前作[ ARAHAN/アラハン
     ]よりも本作の[ CRYING FIST クライング・フィスト ]
    のほうが数段面白い。

    引退した40代のボクサーと新人の10代のボクサー。過去と
    おさらばして、未来にかけようとする二人の男のヒューマ
    ンドラマ。

    [ 泣挙 ]パンフレット
    大切にしていたものを全て失い、路上に投げ出された男、
    カン・テシク(チェ・ミンシク)。かつてはアジア大会の
    銀メダリストとして名を馳せた人気ボクサーだった。しか
    し事業に失敗、莫大な借金を抱えてしまう。生きるために
    は、「殴られ屋」として街頭に立つしかなかった。魂のよ
    りどころだった銀メダルも借金の形に取られ、夢もプライ
    ドも失った彼に、追い討ちをかけるように妻から離婚をつ
    きつけられる。

    一方、ケンカとカツアゲのすさんだ毎日を送る19歳のユ・
    サンファン(リュ・スンボム)。行き着いた先は少年院。
    そこでも問題を起こした彼を、刑務主任はボクシング部へ
    と誘う。

    やりたいことも、なりたいものもなかった彼は、自分に何
    かができるという意志と喜びを得るが、なかなかうまくな
    れないでいる。

    酸いも甘いも知り尽くした末の疲弊感漂うテシクと世間知
    らずな若さゆえに溢れ出す歯止めの利かないエネルギーを
    持つサンファン。

    交互に語られる二人のストーリーは、対照的であるがゆえ、
    それぞれが際立ってくる。どちらも、お世辞にもできた人
    間とはいえない。そういう面もたぶん災いしているのだろ
    う。テシクは、自分だけがつらい目にあっていると思い、
    サンファンは、誰の意見も受け入れないで自分だけのこと
    を考える。

    次から次へと過酷な試練が二人を降りかかる。ぼろぼろに
    なりながらも何とか前を向いて生きていけるのは、二人を
    支えてくれる人が必ず現れるからだ。二人を助けるのは、
    いつもオトコたち。

    テシクなら、殴られ屋を始める場所にある近くのそば屋の
    主人だったり、後輩のウォンテだったり。サンファンなら、
    刑務主任やボクシングのパクコーチだったりする。

    人間は、ひとりじゃない。目標がなくても、人のささえが
    ある限り生きていけるのだ。

    しかし最初、二人には、変わろうとする意思が全くなかっ
    た。そんな二人に、気持ちを一変させるできごとがおこる。
    テシクは、最愛の息子に会えなくなり、同情的だったソバ
    屋の主人は「ワケありの人生を送っているのはお前だけじ
    ゃない」とハードな一発を腹にもらい、サンファンは、オ
    トンがなくなり、そして祖母までも病気に倒れて、痴呆症
    になる。

    テシクとサンファンは、ともにボクシングの「新人王戦」で
    チャンピオンを目指す。そして二人は決勝戦まで勝ちあが
    り、闘おうことに。

    全てを失い、己の誇りを取り戻すために闘うテシク。
    生まれて初めて家族の愛に気づいたサンファン。

    二人の闘いが終わったあと、テシクは妻(息子がオトンに
    駆け寄るが、その後ろで認めていなかったテシクに拍手を
    送る)から、サンファンは祖母から暖かい拍手と微笑みを
    もらう。

    オトコたちに助けてもらっても何ひとつ表情の変わらなか
    った二人の顔に、はじめて笑顔が現れる。オトコたちは、
    オンナに認めてもらうことで明日を感じるのだ。

    観客は、どちらが勝とうが負けようが関係ない。二人に幸
    せな未来が待っているのならそれでいい。そう感じるだろ
    う。たぶん、そう感じるはずだ。
    | 映画(おすすめ) | 12:54 | comments(0) | trackbacks(13) |
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