2006.02.18 Saturday
[ 僕のニューヨークライフ ]人生ってこんなものか?
[ 僕のニューヨークライフ ]@恵比寿ガーデンプレイス
で鑑賞。
毎年、ウディ・アレン作品を観るので、もうそんな時期な
のかと思ってしまう(そういっても毎年2月に上映するわけ
ではないのだが)。
本作のパンフレットも前作[ メリンダとメリンダ ]同様
に個性的で可愛い。なんで、メインビジュアルがなぜリン
ゴなのか、わからないが・・。
で鑑賞。
毎年、ウディ・アレン作品を観るので、もうそんな時期な
のかと思ってしまう(そういっても毎年2月に上映するわけ
ではないのだが)。
本作のパンフレットも前作[ メリンダとメリンダ ]同様
に個性的で可愛い。なんで、メインビジュアルがなぜリン
ゴなのか、わからないが・・。
第60回ヴェネチア映画祭のオープニングを飾り、観客を大
いに湧かせた話題作。ニューヨークと恋そして憂鬱という
毎度お馴染みのウディのモチーフを私小説の味わいを持つ
一人称のスタイルで編み上げながら、人生の岐路に立たさ
れたひとりの青年の成長と旅立ちを、温かなまなざしでみ
つめたラブ・コメディ。
マンハッタンに住む若手コメディ作家のジェリー(ジェイ
ソン・ビッグス)は、同棲中の恋人アマンダ(クリスティ
ーナ・リッチ)の気まぐれな性格に悩まされていた。そん
な中、ジェリーに次々と問題が降りかかる。
主人公のジェリーは、周囲のやることにNOといえない性格。
だから、行きつけの精神科医が無口で頼りなくても、通い
続けるし、わがままな恋人アマンダには振り回されっぱなし。
クリスティーナはちょっとした幼児体型ではあるが、フェ
ロモン漂う色気を感じる。
悩み多きジェリーに唯一、古いジョークや書籍の名言を引
用して、アドバイスをくれるのが作家兼学校教師のドーベ
ル(ウディ・アレン)。役に立つこと(「仕事は夢に意味を与
え、セックスは夢を長続きさせる」)から、どうでもいいこ
と(「僕はオナニー派だ。昨夜アパートに帰って3Pをやる想
像をした。僕とマリリン・モンローとソフィア・ローレン」)
まで。実は、どちらもジェリーにとっては、意味深い言葉
である。どちらの言葉も、彼女に振り回されることを揶揄
しているのだ。
聞いてか聞かずか、ますますジェリーの身に災難がふりか
かる。アマンダの母ポーラ(ストカッド・チャニング)が自
分の家に越してくることになったのだ。この母が、アマン
ダに輪をかけてわがまま。執筆活動も手につかない。
その上、セックスレスのアマンダの浮気発覚など、ジェリ
ーは窮地に立たされることに。
そんなある日、ドーベルが「僕らは不穏な時代を生きてる」
「くれぐれも用心しろ。強制収容所の悲劇がまた繰り返され
る」と、ジェリーに説いてくる。
そして、「長い人生で頼れるのは自分だけだ」と軍放出品シ
ョップへ誘い、ジェリーに無理やり「ロシア軍が放出した
ライフル」などをサバイバル用品一式を買い与える。
ここらへんくだり、9.11の影による漠然とした不安が実体
化した光景のようである。ウディはニューヨーカーの今を
的確に描いている。
これにより、ジェリーは“にわか武装”を試み、周囲との
衝突やその後も再び災難にも見舞われるが、ドーベルから
申し出のあった「ニューヨークを出て、ロスへ行こう」とい
う言葉に触発され、行動派な人間への生まれ変わることに。
しばらくしてジェリーは、気づくはず。学ぶことが多かっ
たのは、ドーベルではなくアマンダだったってことを。
ドーベルは、若いジェリーを見守っていただけなのだ。
この映画を観て、最初に思ったのだが、主人公自身が狂言
回し的に、画面の向こうにいる観客へナレーターとして語
ってみせるスタイルは、
あのウディ出世作[ アニー・ホール ]とくりそつではな
いか。
本作は、監督にとってターニングポイントに位置づけられ
るのか。そう考えると、次回作は本作以上に楽しみになって
きた。
いに湧かせた話題作。ニューヨークと恋そして憂鬱という
毎度お馴染みのウディのモチーフを私小説の味わいを持つ
一人称のスタイルで編み上げながら、人生の岐路に立たさ
れたひとりの青年の成長と旅立ちを、温かなまなざしでみ
つめたラブ・コメディ。
マンハッタンに住む若手コメディ作家のジェリー(ジェイ
ソン・ビッグス)は、同棲中の恋人アマンダ(クリスティ
ーナ・リッチ)の気まぐれな性格に悩まされていた。そん
な中、ジェリーに次々と問題が降りかかる。
主人公のジェリーは、周囲のやることにNOといえない性格。
だから、行きつけの精神科医が無口で頼りなくても、通い
続けるし、わがままな恋人アマンダには振り回されっぱなし。
クリスティーナはちょっとした幼児体型ではあるが、フェ
ロモン漂う色気を感じる。
悩み多きジェリーに唯一、古いジョークや書籍の名言を引
用して、アドバイスをくれるのが作家兼学校教師のドーベ
ル(ウディ・アレン)。役に立つこと(「仕事は夢に意味を与
え、セックスは夢を長続きさせる」)から、どうでもいいこ
と(「僕はオナニー派だ。昨夜アパートに帰って3Pをやる想
像をした。僕とマリリン・モンローとソフィア・ローレン」)
まで。実は、どちらもジェリーにとっては、意味深い言葉
である。どちらの言葉も、彼女に振り回されることを揶揄
しているのだ。
聞いてか聞かずか、ますますジェリーの身に災難がふりか
かる。アマンダの母ポーラ(ストカッド・チャニング)が自
分の家に越してくることになったのだ。この母が、アマン
ダに輪をかけてわがまま。執筆活動も手につかない。
その上、セックスレスのアマンダの浮気発覚など、ジェリ
ーは窮地に立たされることに。
そんなある日、ドーベルが「僕らは不穏な時代を生きてる」
「くれぐれも用心しろ。強制収容所の悲劇がまた繰り返され
る」と、ジェリーに説いてくる。
そして、「長い人生で頼れるのは自分だけだ」と軍放出品シ
ョップへ誘い、ジェリーに無理やり「ロシア軍が放出した
ライフル」などをサバイバル用品一式を買い与える。
ここらへんくだり、9.11の影による漠然とした不安が実体
化した光景のようである。ウディはニューヨーカーの今を
的確に描いている。
これにより、ジェリーは“にわか武装”を試み、周囲との
衝突やその後も再び災難にも見舞われるが、ドーベルから
申し出のあった「ニューヨークを出て、ロスへ行こう」とい
う言葉に触発され、行動派な人間への生まれ変わることに。
しばらくしてジェリーは、気づくはず。学ぶことが多かっ
たのは、ドーベルではなくアマンダだったってことを。
ドーベルは、若いジェリーを見守っていただけなのだ。
この映画を観て、最初に思ったのだが、主人公自身が狂言
回し的に、画面の向こうにいる観客へナレーターとして語
ってみせるスタイルは、
あのウディ出世作[ アニー・ホール ]とくりそつではな
いか。
本作は、監督にとってターニングポイントに位置づけられ
るのか。そう考えると、次回作は本作以上に楽しみになって
きた。
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