[ ある朝スウプは ]新たなクリエイター | アロハ坊主の日がな一日

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[ ある朝スウプは ]新たなクリエイター
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    映画[ ある朝スウプは ]@渋谷で鑑賞。

    “ある朝スープは”のパンフレット
    2004年PFFアワードでグランプリ&技術賞(IMAGICA賞)受賞作品。

    東京で暮らすひと組のカップルが、10月から4月までの7ヶ月間を通して、季節のうつろいとともに、次第に崩壊していくさまを定点観測のような冷徹なまなざしで追った作品。

    主人公の男性、北川(廣末哲万)はパニック障害になり社会生活がままならなくなった。そしてあるセミナーに通いだし、新興宗教にはまっていく。そんな彼との日常を取り戻そうともがき、ふたりの生活を必死で堰きとめようとする彼女、志津(並木愛枝)。北川は非日常の世界に志津を引き込もうとすることで関係を修復しようとする。しかしそれは互いが“他人”であることにおいて、もろくも崩れていくのだった・・。
    “ある朝スウプは”のパンフレット

    上映時間90分という長さで出演は、ほぼカップルの二人だけ。
    なのに、飽きさせない演出と演技はすごい。どちらもほぼプロの領域である。同じような構成で印象に残っている映画は、去年ヒットした『ヴァイブレータ』。あの映画も出演は、寺島しのぶ・大森南朋の二人だけだった。ストーリーは、自分の頭のなかに氾濫する“声”に悩まされ、アルコール依存症に陥っている31歳のルポライター玲(寺島しのぶ) の一人称で展開していく。玲の感情が語り(一人称)で出表現され、映画に素直に感情移入しやすかった。それに比べて、この『ある朝スウプは』は淡々と二人の日常生活を映し出していくだけ。その日常が日増しにおかしくなっていくのは
    観ている方は最後までハラハラドキドキもの。

    カメラのフレームワークも絶妙。二人の会話シーンで、一人は顔半分とか体の一部しか、フレームに入っていない。不安定さに、最初は妙に気になって落ち着かなかったが、ストーリーが進むと切れている人の感情を言葉だけから拾おうとして、想像を膨らませている自分がいる。このフレームもこの二人の状況を表している気が段々してしまう。

    二人の関係がだんだん崩壊していく非常に悲しい話なのに、ラストの二人の朝食シーンは実にすがすがしく、これでよかったんだと思ってしまう。

    監督の高橋泉氏と今回主演を務めた廣末哲万氏とで「群青いろ」という映像ユニットをつくっている。今回妻役の並木愛枝さんは音楽を担当している。また新たに好きなクリエイターに出会えた。
    廣末哲万氏が監督し、PFFアワード準グランプリ『さよなら さよなら』はかなりショッキング。先日起こった「自殺サイト殺人事件」を想い起こさせる。
    | - | 15:07 | comments(4) | trackbacks(5) |
    コメント
    高橋・廣末コンビは、追いつめられる人を
    描いた作品が多いです。
    『阿佐ヶ谷ベルボーイズ』もそんな感じでした。
    機会があれば、ぜひ観てください。

    『ヴァイブレータ』はあんちゃん(大森南朋)が
    めちゃくちゃ優しいんだ。かえるさんのおっしゃる
    ように対極にある作品ですね。
    | アロハ坊主 | 2005/09/19 5:34 PM |
    "これでよかった"というか、もうこれしかなかったという憔悴感・・・。
    受け容れなければならない顛末ですね。

    『ヴァイブレータ』のトラックの中での会話はすごく好きでした。
    会話のリアルさは確かに通じるものがあるけど、男女の関係性としては対極のものですよねぇ。
    | かえる | 2005/09/19 1:21 PM |
    rikimaruさんへ
    追い込まれて北川が志津に放った言葉は、私も
    痛かった。でも、そのあとの二人で朝のスウプでの会話は、ここちよかった。もう二人ともぼろぼろにならなくてすむ。そう感じました。

    今後ともよろしくです。
    | アロハ坊主 | 2005/08/11 10:21 AM |
    はじめまして、rikimaruです。
    TBありがとうございました。

    アロハ坊主さんがラストを「すがすがしい」と感じたことがえらく新鮮でした。
    僕にとって最後のセリフ(ネタバレになるので書くのは控えますが)は、とても痛くつらいものでした。

    今後ともよろしくお願いします!
    | rikimaru | 2005/08/11 1:25 AM |
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    | 39☆SMASH | 2006/08/04 9:55 PM |
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    | 映画、言いたい放題! | 2006/07/17 4:44 PM |
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    | いつか深夜特急に乗って | 2006/06/15 5:47 AM |
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