2016.06.18 Saturday
映画【 デストラクションベイビーズ 】暴力の恐ろしさとは
映画【 デストラクションベイビーズ 】@新宿テアトルで鑑賞。
毎週日曜日10:30〜欠かさず観ている【 ゆとりですがなにか 】。先週上映された第9回、柳楽優弥が演じているまりぶがかっこいいんですわ。親父らしいことが全くできない浮気親父(吉田鋼太郎)に、まりぶは泣きながらぶち当たっていく「しっかりしろよー。オレを叱るのはあんたしかいねぇから・・・・!」
クドカンのドラマには、未成熟で、ダメダメな人間がよく登場してくるが、素直で、どこか一本芯が通っている。決して、憎めないから共感もしやすい。何より、ドラマには未来があり感動がある。【 デストラクションベイビーズ 】には柳楽優弥の他に、でんでん、北村匠海など共通の役者陣がでているが、【 ゆとりですがなにか 】とは対極にあるような作風だ。
でもメッセージ性は強くある作品だとは思う。
ストーリー
愛媛県のこぢんまりとした港町・三津浜の造船所に2人で生活している芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。けんかばかりしている泰良はある日突然 三津浜を後にし、松山の中心街で相手を見つけてはけんかを吹っ掛けていく。そんな彼に興味を抱いた北原裕也(菅田将暉)が近づき、通行人に無差別に暴行を 働いた彼らは、奪った車に乗り合わせていた少女・那奈(小松菜奈)と一緒に松山市外へ向かい……。(シネマトゥデイ)
毎週日曜日10:30〜欠かさず観ている【 ゆとりですがなにか 】。先週上映された第9回、柳楽優弥が演じているまりぶがかっこいいんですわ。親父らしいことが全くできない浮気親父(吉田鋼太郎)に、まりぶは泣きながらぶち当たっていく「しっかりしろよー。オレを叱るのはあんたしかいねぇから・・・・!」
クドカンのドラマには、未成熟で、ダメダメな人間がよく登場してくるが、素直で、どこか一本芯が通っている。決して、憎めないから共感もしやすい。何より、ドラマには未来があり感動がある。【 デストラクションベイビーズ 】には柳楽優弥の他に、でんでん、北村匠海など共通の役者陣がでているが、【 ゆとりですがなにか 】とは対極にあるような作風だ。
でもメッセージ性は強くある作品だとは思う。
ストーリー
愛媛県のこぢんまりとした港町・三津浜の造船所に2人で生活している芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。けんかばかりしている泰良はある日突然 三津浜を後にし、松山の中心街で相手を見つけてはけんかを吹っ掛けていく。そんな彼に興味を抱いた北原裕也(菅田将暉)が近づき、通行人に無差別に暴行を 働いた彼らは、奪った車に乗り合わせていた少女・那奈(小松菜奈)と一緒に松山市外へ向かい……。(シネマトゥデイ)
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主人公・泰良を演じた柳楽優弥の狂気っぷりが見事にハマっている。殴れるヤツはどこにいるのか、繁華街中を獲物を探して、練り歩く。ワンカットに近い映像も、緊張感をさらに高める。彼を煽るように、俗にいう狂言回し的な役割を演じた菅田将暉も見逃せない。これまでの、民王の息子の控えめキャラや、au鬼ちゃんの人のいいヤンキーキャラとはまた違う、番長の腰巾着キャラ。変幻自在な演技っぷりに、引きこまれていく。
本作は、突如として日常に放り込まれた、得体の知れない暴力がーーまるでウィルスのように、人から人へ伝染し、それが次第に巨大化・暴動化していくさまが描かれているようだ。
友人が泰良をバットで殴り倒そうとしたとき、「やめろ!死んでまう!」と言って、その行動を静止した裕也が、いつしか女子高生や老人、さらに那奈をボコボコしていくさまに、その暴力の伝染化した一端が垣間見れる。
しかし、なぜ主人公・泰良はこれほどまでにけんか(暴力)に執着するのか――
答えらしい答えは示されてはいないが、ただサイドストーリーのように描かれている、兄の行方を追う弟・将太(村上虹郎)は、昔の泰良の姿を描いていると読み取れなくもない。誰からも相手にされず、世の中にぽつねんとたたずむ。兄が行方不明になっても誰一人として興味を示さなかったのに、事件が起こると次々と口を挟んでくる、身勝手な大人たち。将太には、そんなふうに周りが見えたかもしれない。世の中への憎しみや一人ぼっちの哀しみ。それらが、暴力(けんか)という表現になったとしても不思議ではない。
暴力の恐ろしさとは凶暴性や巨大化していくこともあるが、実は一番は日常のどこからでも生まれでる可能性があることかもしれない。
観た人の中には、旬な役者たちが登場しているだけに、映画としてのエンターテインメント(娯楽性)を期待した人も多いと思う。でも実際は、作家性の強い作品に仕上がっており、好きか嫌いか、大きく分かれるだろう。言っておきますが、感動は期待しないほうがいい。
本作は、突如として日常に放り込まれた、得体の知れない暴力がーーまるでウィルスのように、人から人へ伝染し、それが次第に巨大化・暴動化していくさまが描かれているようだ。
友人が泰良をバットで殴り倒そうとしたとき、「やめろ!死んでまう!」と言って、その行動を静止した裕也が、いつしか女子高生や老人、さらに那奈をボコボコしていくさまに、その暴力の伝染化した一端が垣間見れる。
しかし、なぜ主人公・泰良はこれほどまでにけんか(暴力)に執着するのか――
答えらしい答えは示されてはいないが、ただサイドストーリーのように描かれている、兄の行方を追う弟・将太(村上虹郎)は、昔の泰良の姿を描いていると読み取れなくもない。誰からも相手にされず、世の中にぽつねんとたたずむ。兄が行方不明になっても誰一人として興味を示さなかったのに、事件が起こると次々と口を挟んでくる、身勝手な大人たち。将太には、そんなふうに周りが見えたかもしれない。世の中への憎しみや一人ぼっちの哀しみ。それらが、暴力(けんか)という表現になったとしても不思議ではない。
暴力の恐ろしさとは凶暴性や巨大化していくこともあるが、実は一番は日常のどこからでも生まれでる可能性があることかもしれない。
観た人の中には、旬な役者たちが登場しているだけに、映画としてのエンターテインメント(娯楽性)を期待した人も多いと思う。でも実際は、作家性の強い作品に仕上がっており、好きか嫌いか、大きく分かれるだろう。言っておきますが、感動は期待しないほうがいい。