2016.05.31 Tuesday
映画【モヒカン故郷に帰る】純度100%のホームコメディ
彼女の妊娠の報告で、久しぶりに故郷に戻れば、実は親父が手の施しようもない末期のガンを患っていた・・・・悲しく、切ない内容であるはずが、とても楽しげで死とは真反対にあるような、主人公たちのイキイキとした表情さえ垣間見える。人生は「悲喜こもごも」というが、その言葉を画にしたいような作風である。
監督は、画の切り取り方がとにかくウマい。宅配ピザのドライバーたちが、船で出くわす気まずいシーンや我先にとバイクを競い合うシーンなどは、笑わずにはいられない。
一方で、海辺での親と子のシーンでは、親父・治(柄本明)が現実と昔の記憶が曖昧になり、高校生を卒業する息子・永吉(松田龍平)に語りかける。「東京へ行ってビックになれ」と・・・唯一といっていいほどの、この哀愁を感じされる場面を、息子の震える肩と、おにぎりのやけ食いだけで心情を描きとっている。楽しい日があるからこそ、ふとした瞬間に感じる、切なさが余計に際立ってくる。
本作は純度100%のコメディホームドラマだ。最後までドタバタ喜劇が続き、東京乾電池を見ているようで、柄本明作品にはピッタリなエンディングである。ぜひ監督には、このままコメディアを撮り続けてほしいと心から願うばかりだ。
追伸)中学生の吹奏楽部と治や永吉との交流は、見所です。大人のオトコはいつまでたっても子どものまま。
成長しない大人の面倒をみている中学生(子ども)たちのほうが大変だ!という図が面白く描かれている。
監督は、画の切り取り方がとにかくウマい。宅配ピザのドライバーたちが、船で出くわす気まずいシーンや我先にとバイクを競い合うシーンなどは、笑わずにはいられない。
一方で、海辺での親と子のシーンでは、親父・治(柄本明)が現実と昔の記憶が曖昧になり、高校生を卒業する息子・永吉(松田龍平)に語りかける。「東京へ行ってビックになれ」と・・・唯一といっていいほどの、この哀愁を感じされる場面を、息子の震える肩と、おにぎりのやけ食いだけで心情を描きとっている。楽しい日があるからこそ、ふとした瞬間に感じる、切なさが余計に際立ってくる。
本作は純度100%のコメディホームドラマだ。最後までドタバタ喜劇が続き、東京乾電池を見ているようで、柄本明作品にはピッタリなエンディングである。ぜひ監督には、このままコメディアを撮り続けてほしいと心から願うばかりだ。
追伸)中学生の吹奏楽部と治や永吉との交流は、見所です。大人のオトコはいつまでたっても子どものまま。
成長しない大人の面倒をみている中学生(子ども)たちのほうが大変だ!という図が面白く描かれている。