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映画【モヒカン故郷に帰る】純度100%のホームコメディ
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    上映最終日、テアトル新宿で【モヒカン故郷に帰る】を観た。

    器用に、さまざまなテイストのドラマが創れる監督もすごいと思うが
    1つのテイストに頑なにこだわり、描き続ける監督がボクは好き。

    【モヒカン故郷に帰る】を手がけた沖田修一監督も、そのひとりである。
    南極料理人】しかり、【横道世之介】しかり。手がけた作品においても、決してユーモラスな視点を忘れない。
    モヒカン パンフレット 松田龍平 前田敦子 柄本明 千葉雄大 もたいまさこ
    JUGEMテーマ:映画


    彼女の妊娠の報告で、久しぶりに故郷に戻れば、実は親父が手の施しようもない末期のガンを患っていた・・・・悲しく、切ない内容であるはずが、とても楽しげで死とは真反対にあるような、主人公たちのイキイキとした表情さえ垣間見える。人生は「悲喜こもごも」というが、その言葉を画にしたいような作風である。

    監督は、画の切り取り方がとにかくウマい。宅配ピザのドライバーたちが、船で出くわす気まずいシーンや我先にとバイクを競い合うシーンなどは、笑わずにはいられない。

    一方で、海辺での親と子のシーンでは、親父・治(柄本明)が現実と昔の記憶が曖昧になり、高校生を卒業する息子・永吉(松田龍平)に語りかける。「東京へ行ってビックになれ」と・・・唯一といっていいほどの、この哀愁を感じされる場面を、息子の震える肩と、おにぎりのやけ食いだけで心情を描きとっている。楽しい日があるからこそ、ふとした瞬間に感じる、切なさが余計に際立ってくる。

    本作は純度100%のコメディホームドラマだ。最後までドタバタ喜劇が続き、東京乾電池を見ているようで、柄本明作品にはピッタリなエンディングである。ぜひ監督には、このままコメディアを撮り続けてほしいと心から願うばかりだ。


    追伸)中学生の吹奏楽部と治や永吉との交流は、見所です。大人のオトコはいつまでたっても子どものまま。
    成長しない大人の面倒をみている中学生(子ども)たちのほうが大変だ!という図が面白く描かれている。
    | 映画レビュー | 12:35 | comments(0) | trackbacks(1) |
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    モヒカン故郷に帰る
    30歳の売れないバンドマン永吉は、妊娠中の恋人・由佳を連れ、7年ぶりに広島の戸鼻島(とびじま)へ帰省した。 賑やかな宴会の後、父・治が倒れ、ガンであることが発覚する。 母・春子、弟・浩二は動揺し、永吉たちはしばらく実家に滞在することに。 酒屋のかたわら
    | 象のロケット | 2016/09/17 12:23 PM |