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映画【 横道世之介 】主人公がもがき、あがかない青春映画
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    映画[ 横道世之介 ]をヒューマントラスト渋谷で観る。

    久々に書きます。[ 悪人 ]の吉田修一原作、監督は[ 南極料理人 ][ キツツキと雨 ]という秀作を手がけてきた沖田修一氏。大学進学で、長崎から上京してきた主人公・横道世之介と彼に関わる人たちの青春時代と、その後を綴った物語。ショッキングな結末にもかかわらず、観終わった後は、なんとも言われぬ爽快感を感じる、沖田ワールドの青春映画です。
    横道世之介 高良
    JUGEMテーマ:映画


    ちょっとスルーしてしまいそうな映画。たぶん主人公の高良健吾くんと[ 横道世之介 ]というコメディ映画かと勘違いしそうタイトルの、組み合わせがよくないのでしょう。でも映画の中では、[ 横道世之介 ]という名前が大きな意味を持っているので、このタイトルはやむなしでしょう。

    ――――横道世之介。
    名前こそユニークですが、人間としての彼はいたって普通の男です。臆病で、優しく、時に図々しく、そして田舎者特有のおおらかさをもっています。でも普通な男である一方で意外な一面があり、それが私たちをハッとさせる。たとえば、綾野剛が演じた親友の加藤が、「オレ、ゲイなんだよ」と世之介に告白する場面でも、決してたじろがない。今まで同様、何食わぬ顔で加藤と接する世之介くん。観る前は高良くんに演じられるのかという不安もありましたが、屈託のない笑顔にもっていかれました。

    普通の人の、よくある話を、映画としてエンターテインメントに描けるのは、監督の力量でしょう。沖田監督、お見事です。沖田作品には、独特の時間が流れます。[ 南極料理人 ][ キツツキと雨 ]では土地柄かと思っていたのですが、本作も同様で、それが違和感なく、溶け込んでいるのは、びっくりします。さらなる驚きは、主人公がけっしてもがき、苦しまない。本当はもがき、あがいて、苦しんでいるんでしょうけど、そうしたシーンを一切描かない。それでも青春映画と成り立っている点は、興味深いですね。

    横道世之介に関わった人たちが大人になり、彼を振り返るシーンがとてもステキです。世之介という男のことを誰かと共有したいと思う者もいれば、自分の心の中だけに良き思い出として、一人で持っておきたいと思う人もいる。彼らの十人十色の反応が、世之介の多様なキャラクターを物語っているようです。

    高良健吾くん演じた世之介同様に、この映画は後でじんわりと心に沁みわたってきます。
    物足りないと思うかもしれませんが、ざらついた心をやんわりと癒してくれる滋養な一作。

    | 映画(おすすめ) | 02:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
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