映画[ 悪人 ]あんた、大切な人はおるね!? | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 悪人 ]あんた、大切な人はおるね!?
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    映画[ 悪人 ]を日比谷シネシャンテで鑑賞。

    今さらではありますが、昨年のマイベストムービーをレビューしておかんと、やっぱり今年は迎えられません。ということで、僕が第1位に選んだ2010年ベストムービーは[ 悪人 ]です。芥川作家・吉田修一の同名小説の映画化で、今回原作だけでなく脚本まで手がけられています。監督は[ フラガール ]でその年、キネマ旬報(邦画)、日本アカデミー賞の第1位を受賞した李相日(リサンイル)。出演は、妻夫木聡と深津絵里、満島ひかり、岡田将生、樹木希林、柄本明などなど。

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    シネカノンが倒産し、井筒監督と同じく専属監督だった李監督もどうなるのかとちょっと気になってはいたんですが実力があれば、不況なんて関係ないですね。

    [ 悪人 ]というタイトルだけあって、加害者、その祖母や恋人、被害者、被害者の父、容疑者らの顔、顔、顔が次々と登場し、人間の心の闇を浮き彫りにしていく展開は、骨太なヒューマンドラマと呼ぶにふさわしい作品です。その中でも、やはり妻夫木聡演じる土木作業員の清水祐一と、出会い系サイトで知り合う深津絵里が演じた馬込光代の表情の対比が印象的。清水とのファーストコンタクト、駅前で朝日に浴びての深津の後ろめたさの中にも、ちょっと楽しげでもある顔。それとは対照的に、事件後、解体現場に向かう朝の、部屋のカーテンを明けた時の祐一の、不貞腐れた子供のような顔。誰も自分のことなんて、わかってくれないという独りよがりで内向的な性格の祐一が、光代との出会いによって、次第に彼は人間らしい表情(顔)を取り戻していくのは、なかなかの見所です。

    モントリオール国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した深津絵里素晴らしい演技ですね〜。[ 踊る〜 ]シリーズの時はルックスだけの女優と思っていましたから、これを観て反省しました。また李監督の女優陣たちへの演出もムダがありません。今まで至極真っ当な暮らしをしてきた光代が逃避行へと走ってしまった背景や彼女の感情が、丁寧かつ巧みに描かれており、異性の僕にも彼女の気持ちがひしひしと伝わってきます。祐一のクルマに乗って、最初にホテルに向かうシーンで、勤め先の洋服店を眺める彼女の視線には、一線を越えた、複雑な女心が垣間みれます。小悪魔を通り越して、はすっぱな女性、石橋佳乃を演じた満島ひかりも虫酸が走るくらい憎たらしいOL役を、深津に負けないくらいいい演技をしてました。

    またこの作品には、ある監督を意識して作ったような点が数多く見受けられます。それは韓国の鬼才、ポンジュノ監督。殺人現場で、刑事(池田万作)が足を滑らせて転んだり、岡田将生演じる自由気ままな大学生が逮捕されるときに「おかあーさん!」って泣きわめいたり。
    祐一が光代に、人を殺したことを語り出すシーンのように、何気ないシークエンスが、突如として核心にせまるものへと変貌する、緩急のあるリズミカルな展開も、クリソツです。ポン・ジュノ監督は最新作[ 母なる証明 ]を手がけて、それに呼応するように[ 悪人 ]では母(性)を求めて殺人を犯した男の物語が描かれているのも、興味深いポイントです。李監督は、こうして名のある監督の演出を盗んで自分のものにしているんでしょう。だからでしょうか、監督のオリジナル色が薄いように思われます。それは、これからに期待しましょう。

    なにはともあれ、今年DVDで観るに値する映画です。脚本、演出、演技の3拍子揃った作品なので何度観ても見飽きることはありません。ヒューマンドラマ好きにはおすすめです。日本アカデミー賞作品賞や監督賞、もしかしたら女優賞や助演男優賞あたり、獲るんじゃないでしょうか。そのあたりも、ぜひ注目してみたいと思います。

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    | 映画(おすすめ) | 11:35 | comments(0) | trackbacks(2) |
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    悪人
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    | 象のロケット | 2011/02/21 9:27 AM |
    悪人
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    | やっぱり邦画好き… | 2011/01/07 10:57 PM |