映画[ 武士の家計簿 ]お家芸を守リ抜くそろばん侍 | アロハ坊主の日がな一日

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映画[ 武士の家計簿 ]お家芸を守リ抜くそろばん侍
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    映画[ 武士の家計簿 ]を吉祥寺バウスシアターで鑑賞。

    あけまして、おめでとうございます。ほんとは、昨年アップしようと思ったんですが、思った以上に時間がかかり、年をまたいでしまいました。今年も、こんなペースでやるので、おつきあいのほどよろしくお願いします。

    三池監督のバイオレンスアクション[ 十三人の刺客 ]に始まり、廣木監督の時代劇版“ロミオとジュリエット”[ 雷桜 ]、よしながふみ原作の男女逆転の世界を描いた[ 大奥 ]、さらに井伊大老暗殺という幕末の一大クーデターを描いた[ 桜田門外ノ変 ]など。昨年は時代劇が目白押しの年だった。

    この映画もそのひとつで、武士の見栄や建前にこだわらず、自分の信念と誇りを胸に実直に生きた下級武士・猪山直之とその家族の姿を描いたヒューマンドラマ。原作は、武士の家計簿「金沢藩士猪山家文書」から幕末の武士の生活を読み解いた磯田道史著の『武士の家計簿』。監督は[ 間宮兄弟 ][ わたし出すわ ]の森田芳光。そして主演は[ アフター・スクール ][ クライマーズ・ハイ ][ 南極料理人 ]の堺雅人、その嫁を仲間由紀恵が演じている。

    ぶしのかけいぼ
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    (あらすじ)
    江戸時代末期。御算用者として、代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家。八代目・直之(堺雅人)は、家業のそろばんの腕を磨き、才能を買われて出世する。江戸時代後期、加賀藩も例にもれず財政状況は逼迫していた。加えて武家社会では出世するにつれ出費も増え続けるという構造的な問題があった。猪山家の家計が窮地にあることを知った直之は、家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断、家族全員で倹約生活を行うことにする。(gooより)

    “龍馬”ブームの年に、この映画をぶつけてくるってのが、なんとも心憎い。いや、それにあわせて作られたというべきか。激動の幕末時代においては、国を動かすような傑人を取り上げた作品がほとんどだが、本作は、時流に流されることなく、地道に家業のそろばんの腕を研鑽し、つつましくも堅実に生きた武士とその家族の物語。

    本作で魅力なのは、なんといっても堺雅人のキャスティングと、彼を取り巻く家族の面々だ。料理人や新聞記者、詐欺師と、その道のプロを演じてきた堺雅人にとっては、“そろばんバカ”と異名をとる御算用者の猪山直之は、はまり役。帳尻が合わないときは、仕事が終わってもひたすらそろばんを弾くほどの四角四面な考えを持つ一方で、じつはアイデアが豊富で、心豊かな一面も備えているところが、物語の変化に深みを与えている。

    妻、お駒(仲間由紀恵)との初めての出会い。お昼時、お駒から借りた竹の水筒を、直之はお礼代わりに、一本挿しの花瓶としてお返しする。直之は、こうした粋なことが自然とできてしまう。それがまた嫌みじゃなく共感できるのだ。その後、猪山家は膨大な借金のため、倹約生活を強いられることになった矢先、4歳になった息子の直吉(大八木凱斗)の「袴儀の祝い」の日には、“絵鯛”を祝いの膳に欠かせない“鯛の塩焼き”に見立てて、ハレの祝いを盛り上げようとする。

    堺雅人の相手役の仲間由紀恵も、今回は猪山家を建て直そうする夫を陰ながら支える妻として、静謐ながらも芯の強い女性を見事に演じている。家計の立て直しや、子どもの教育など行き過ぎた直之のやり方が最後までやり通せたのも、夫の一番の理解者、妻・お駒の優しさがあってこそ。母・お常(松坂慶子)が亡くなる寸前、彼女が愛用していた着物を質屋から取り戻してくるシーンは胸にくるものがありますね。

    猪山家という、下級武士の暮らしにスポットがあたった映画ではあるが、時代の流れがわかりやすく表現され、丁寧に作られているのがうかがわれる。たとえば直之の父母の、のほほんとした雰囲気は、安泰だった江戸時代の空気をつかんでいたし、年を追うごとに、厳しくなる直之の息子への教育は、時代の変化がしっかり反映されたものだった。

    今回キャストが魅力的で芝居が巧いってというのもありますが、それ以上に脚本がキャストの雰囲気にハマっていた。本作は、余分な贅肉をそぎ落とされて残ったエピソードだけで構成され、それが魅力的なキャラクターをしっかりと形作っている。柏田道夫という方が脚本を手がけられているが、原作は小説ではなく歴史教養書だけに、一からの作業だったように思われる。派手さはないが、今年の邦画の中でも、群を抜いての巧さを感じた。

    また[ 間宮兄弟 ]以来、落胆させられっぱなしの森田監督の演出も、今回は冴えていた。細かいカット割りや、ワンショットなど巧みなカメラワークの中でも、横移動のカメラワークが特徴的だった。幼稚園のお遊戯会のような“絵鯛”をもって縁側を小走りに歩くシーン。決闘シーンなら、いざ知らず、室内でこの横移動のカメラは珍しい。手狭で質素な生活をおくる猪山家の暮らしも、心を豊かに持てば楽しくなる。そんな温かい印象を与えてくれる。また、城内でのあのそろばんの乾いた音色にリズミカルさを出しBGMとして用いたのも、森田監督らしい遊び心が表れていて評価できるところ。

    ハリウッド映画に慣れ親しんだ若者から見れば、物足りない点は多いかもしれないが、猪山直之のような時流に流されない生き方は、今日の僕たちにも学ぶべき点は多い。またそれをやり通せるのは、その人物の人柄、そして支えてくれる周りの仲間の存在を忘れてはならないことを、この映画は気づかせてくれるはず。

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    | 映画(日本) | 14:52 | comments(2) | trackbacks(11) |
    コメント
    しゅうさん

    遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

    そうですか。無事に日本公開のはこびとなりましたか。それはよかったです。公開になった暁にはぜひ劇場に足を運びます。そして感想もぜひこのブログに載せたいと思います。辛口コメントになったときは、ご容赦願います(笑)

    では、本年もよろしくお願いします。
    | アロハ坊主 | 2011/01/07 8:07 PM |
    あけましておめでとうございます&ご無沙汰しています。
    記事とは関係ないコメントで失礼します(汗)
    『海洋天堂』ブログの管理人のしゅうです。

    昨年の『海洋天堂』日本公開運動では大変お世話になりました。
    お蔭様で『海洋天堂』の日本公開が決定いたしました。今年の夏、公開です。

    今後はできるだけ多くの方に観ていただけるよう、活動を続けるつもりです。
    引き続き応援よろしくお願いいたします☆
    | しゅう | 2011/01/06 7:53 PM |
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